[レビュー]通勤鞄に忍ばせたい軽さと装着感--マクセルのノイキャンヘッドホン「HP-NC15」 - (page 2)

堀江大輔(D☆FUNK)2008年07月04日 18時08分
マクセル
内容:約150gという軽量と折りたためるコンパクトモデルで、通勤・通学に便利なノイズキャンセリングヘッドホン「HP-NC15」。人気ブランドがひしめくノイズキャンセリングの中で、オーバーヘッドタイプながら、コンパクトサイズを追求している。

ナチュラルサウンドに最適な緩やかな気分にさせる再生音

 スイッチをつけてヘッドホンを掛ける。音楽をかけずにオンにすると「サー」っという、ノイズが少し入る。数年前のノイズキャンセリングヘッドホンでは、このようなこともよくあったが、最近のヘッドホンでは珍しい。まあ、家の外で聞いていたら、このようなノイズはかき消されるだろう。

  • ハウジングのサイズは小さく、いわゆるオンイヤータイプになる

 そのまま地下鉄に乗り込み、ノイズキャンセルの効果を試した。音楽を掛けながらノイズキャンセルのスイッチを入れると、ボリューム自体があがる。ノイズが減っているというよりは、ボリュームを上げることで音楽を聴きやすくしているようだ。

 無音の状態でもスイッチを入れてみた。300Hzにおいて、最大約15dB以上の騒音を低減、ということだが、効果はあまり感じられない。空調音や低い轟音も残ってしまっている。しかし、コンパクトに折りたためて、圧倒的に軽量。サイズの割りに音もしっかりと出ている。雰囲気のある音楽を伝えるという点では悪くない。

 自然な低音も出ているし、バランスもよい。ノイズキャンセルを掛けることで、不自然な音楽になるものもあるが、電車の中でも、自然な再生ができるのはうれしい。

  • 本体は折り畳むことが可能

 では、純粋にヘッドホンの音質を試してみよう。まずはロックだ。レッドツェッペリンの「ブラック・ドッグ」を聴く。少し音がこもり気味で、低音があまり聴こえてこない。上も下も伸びてこず、ずいぶんと寸詰まりの音になってしまっている。聴きやすいといえば聴きやすいのだが、電車で聴いたときのほうがバランスがよいようだ。

 ボーカルの中域の音は、とてもよく再現するのだが、他の部分は出てこない。バスドラム、ベースに関してはきびしい。ノイズも含めて音楽という、ロック的な曲には向いていないのかもしれない。

 ならば、ゆるやかで心地良い音楽が得意のだろうと思いハービーハンコックの「リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ」から「リヴァー feat. コリーヌ・ベイリー・レイ / River」を聴く。こちらの情報量はとても豊富。若干こもって聞こえるが、とても気持ちよくまとめていて快適だ。リファレンスモニタの様にすべての情報を拾い上げるワケではないのだが、あるべき音を残らず伝えてくれる感じがする。

 目の前に迫ってくるような迫力はないが、ピアノもギターのアルペシオもウッドベースの鳴りも、よく聞こえてまとまっている。女性ボーカルものは気持ちよく聴かせてくれるはずだ。

 では、最後にクラシックに挑戦。「交響曲第5番運命/カルロス・クライバー指揮〜ウィーンフィルハーモニー管弦楽団」を聴く。やっぱり、音がこもりがちで、ホール感はなくなってしまう。エネルギーをもった交響曲やロックのパワーというのは出にくいのかもしれない。

 軽めのBGM的に流せる音楽についてはいいのだが、交響曲のようにBGMとして成立しない、真剣に向かいあって聴く音楽には向いていないようだ。どうしてもスケール感が不足してしまうのだ。高域と低域があるところぶっつりと切れてしまっている感じがする。ただ、それでも決して不愉快な音というわけではない。心地よく聴かせることを重視していて、迫力を出すということを意識していないのだと思う。

 やっぱり、ジャック・ジョンソンなどのスローライフを代表する緩やかな音楽が合うんだろうなと思って再生したら、バッチリとあった。部分、部分に顕微鏡をあてて聴くというよりは、緩やかに流れに身を任せているように音楽を聴くのに向いている。正直こういう音が好きな人も多いと思うので、リラックスしながら軽めに音楽を聴きたいという人は良いと思う。

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