VoToLが搭載する機能の中でもっともユニークなのが、「Transpeech」だろう。これは、ユーザーがVoToLに向かってしゃべった日本語を英語に機械翻訳し、合成音声で読み上げてくれる日英翻訳ツール。認識精度は高く、実際にいくつかの文章で試してみたが、多くの場合意図した通りの翻訳結果が得られた。
とくに、海外旅行や日常会話などで使われる表現は認識されやすい。英語から日本語への翻訳も可能だが、英語音声の認識基準がネイティブスピーカーに合わせてあるようで、こちらはなかなか意図通りの結果を得ることができなかった。英語に自信のある人は、一度試してみるとおもしろい。なお、音声認識および翻訳の精度を高めるには、あらかじめ自分の声のパターンを登録しておくといい。また、できるだけ簡潔にはっきりと発声することもポイントだ。
このほか、VoToLには標準でSDメモリーカードスロットが搭載されており、SDメモリーカード内に保存されたコンテンツをそのままVoToL上で再生したり、写真であれば内蔵HDDに転送したりすることができる。出先でデータを受け取ったり、デジタルカメラで撮影したデータをバックアップするのに最適だが、VoToL上ではカード内のファイルは削除できないなど、一定の制限もある。また、カード内のデジタルカメラの撮影データも基本的にVoToL上では再生できない(640×480ピクセルまでの画像は表示できる)。「Transpeech」チャンネルの画面。OKボタンを押しながらVoToLに向かって日本語でしゃべると、音声を自動認識してくれる。
細かいことをいえば、VoToL Capをひねって「Movie」や「Music」などの機能を切り替える際に若干時間がかかったり、SDカードで取り扱えるデータは静止画のみなど、いくつかの難点はある。しかし、対応ファイル形式が幅広く転送の際に変換の手間がかからなかったり、競合機にはない音声翻訳機能を搭載しているなど、VoToLならではの個性的な機能も数多い。これまでのモバイルプレイヤーに飽き足りない向きには、とくに目を向けてもらいたい製品だ。全体の完成度は高くモノとしての質感もよいので、所有する満足感も十分に得られるはずである。
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