小さいけど、想像以上に使える！--任天堂「ニンテンドーDSブラウザー」 - (page 3)

接続できる場所は？

　基本的にはDSでWi-Fi通信ができるところなら大丈夫だと考えていいだろう。筆者は所有していないため残念ながら試せなかったが、Wi-Fiアダプタ経由でも大丈夫のようだ。

　ちなみにフリースポットだけではなく、DSステーションでも問題なく接続できた。これで、おもちゃ屋さんの軒先などでDSを開いてウェブページを見ることができるようになったわけだ。残念ながら、すれちがい通信中継所では接続することができなかった。

画像の多いページはちょっと苦手？

　さまざまなページを見ていて、ちょっと気がついたのは、どんなページでも快適にさくさく閲覧できるというわけではないということ。どうしても画像の多いページでは「重い」と感じてしまう。

　これは処理能力がPCに比べて遅いということの他に、Nintendo DS本体の無線の規格にも原因がありそうだ。

　さてここで、興味のある人は興味のある話だが、興味のない人には多少退屈になってしまうかもしれない、無線LANのお話に少々お付き合いいただきたい。

　「ニンテンドーDSブラウザー」は、DS本体の無線LAN機能を使ってインターネットに接続してするが、DSの無線LAN機能はIEEE802.11という規格が採用されている。

　現在のPCなどで採用されている主な無線LANの規格はIEEE802.11b、IEEE802.11a、IEE802.11gなど。DSで採用されているIEEE802.11は、最近のPCで採用されている規格と若干異なるわけだ。

　これらの規格の違いは、周波数帯と通信速度にある。通信速度の理論値で言うとIEEE802.11bは11Mbps、IEEE802.11gとIEEE802.11aは54Mbpsなのに対して、IEEE802.11は2Mbpsだ。PSPで採用されているIEEE802.11bに比べても、5分の1ほどの通信速度なのだ。

　というわけで、ニンテンドーDSの無線LANはPCと比べて速度が遅い。いくら現在使用している無線LAN部分に早い回線を使っていたとしても、ニンテンドーDSがその早い回線に対応していないのだ。そのため、画像を多様しているページの表示は苦手になっている。画像オフボタンが表示されていて、すぐに画像をオフにできるのも、通信速度がやや遅いところに対する配慮だろう。もちろん、画像をオフにした状態では、ニュースサイトやSNSなどの文字中心のサイトは快適に閲覧できた。

　なお、IEEE802.11はIEEE802.11b/gと互換性がある規格だ。同じ周波数帯を使用しているので、IEEE802.11b/gに対応しているアクセスポイントに接続できるので、新たにIEEE802.11に対応のアクセスポイントを買わなければならないというわけではないので安心してほしい。