内蔵HDDでの録画機能もHR9000シリーズの特徴である。ダブル録画には対応していないが、デジタルチューナーを2基搭載し、裏録画が可能だ。やはり録画はできた方がベターだろう。HDD録画によりタイムシフト視聴も可能になり、テレビにかじりつかずに済む点はとても重宝する。録画操作は同社のレコーダーとほぼ同じで、EPGやレコーダーが使える人なら難なく操作できるだろう。
日立GST社製のHDDを採用し、HDD容量は前モデルの160Gバイトから250Gバイトへアップされている。さらにカナダViXS社製のAV変換LSI「XcodeHD(R)」を新採用することで、ハイビジョン画質での長時間録画を実現した。「XcodeHD」は、ハイビジョン画質(MPEG2ストリーム記録)のまま圧縮率を上げてレート変換する回路だ。解像度をSD(標準画質)へと落とさずにデータを圧縮している点が新しい。録画の際に、このLSIを使った高圧縮なTSE録画モードが選べる。このモードでは約半分の記録レートでハイビジョン録画が可能で、本機の250GバイトHDDを実質500Gバイト相当として使える計算になる。
「XcodeHD」によって高圧縮された映像を見ると、ハイビジョンの細やかさは失われていない。ただし、高圧縮であるため、動きの激しい映像では圧縮ノイズが出やすくなる。コンサートなど派手な映像は、ちょっと苦しいが、トークやバラエティ番組などの録画には使えそうだ。500Gバイト以上のHDDを搭載すれば、高画質で長時間録れるはずだが、プラズマテレビの売れ筋価格をキープしつつ実使用に耐える録画機能を内蔵するには、高圧縮録画モードの採用は非常に現実的といえる。
また、i.LINK(TS)出力端子で、同社のデジタルレコーダーDV-DH1000D、DV-DH500Dと接続すれば、本機で録画したデジタル放送をレコーダーにムーブ(移動)も可能だ。XcodeHDで圧縮したデータもムーブでき、レコーダーでの再生やDVDへのダウンコンバート保存が可能になる。
従来日立のプラズマテレビは、どちらかと言うと防戦気味だったが、本機には攻めの姿勢が感じられる。ほかの42型と同じ価格帯で、ワンランク上の映像が手に入るコストパフォーマンスの高さがウリで、録画機能も魅力的だ。画質&機能ともに、お楽しみの多いプラズマテレビといえるだろう。
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