藤本京子(CNET Japan編集部)
2004/06/07 10:00
--Orkutのようなサービスを検索と組み合わせ、新たなサービスを作ることは考えていらっしゃいますか。
可能性はありますが、具体的な計画は今のところありません。Orkutに関して言うと、Orkutのメンバーとよく相談した上で、Orkut上にある情報をどう有効に使うべきか、慎重に考えていかなくてはならないと思っています。
--では、現在ベータ版で提供されているウェブ上の無料メールサービス、Gmailはいかがでしょう。これも予期せぬサービスだったのでしょうか。
いえ、これは検索とメールサービスをどう組み合わせて利用できるのかを考え、戦略的に提供しているものなので、予期せぬサービスではありません。もちろん最初はひとつのアイデアに過ぎませんでしたが、慎重に検討した結果、このサービスはGoogleの将来にとって重要なサービスのひとつになると考えたのです。今後も多くのリソースをこのプロジェクトにつぎ込む予定です。
Gmailでは、サーチエンジンをメールに適応させ、過去のメールやアーカイブを素早く探し出すことができます。メールをフォルダで管理する手間も省けますし、容量も1G用意しているので、サーバからメールを削除する必要もありません。とはいえ、メールを完全に削除できないのでは、との誤解も一時ありましたが、そういうわけではありません。ちゃんと削除もできます。
--現在何名くらいのGmailユーザーがいるのですか?
正確な人数はわれわれも把握していませんが、だいたい1万人程度で、徐々に増加しています。これは現在招待状を受け取った人だけがユーザー登録できるようになっています。
--ところで、競合企業について聞かせてください。Googleの技術が他の競合企業と違う点は何なのでしょう。
各サーチエンジン企業は独自のエンジンをゼロから作るため、インデックス機能やウェブ巡回機能などそれぞれ違ったシステムを使っています。街角のコンピュータショップでサーチエンジンソフトウェアが販売されているわけではないですからね。Googleのエンジンももちろん独自のものです。他社より優れている点をあげるとすれば、サイトの評価がわかるページランク機能を提供していることなどがあげられます。それにGoogleは、他のシステムよりも多くのページを検索していますしね。
しかし本当の強さは、Googleのエンジニアチームが常に機能強化のためにソフトウェアを書き直し、改善を加えている点だと思います。Googleのエンジニアは、100%満足できるサーチエンジンを追求し、常に改善を加えるべく努力を続けているのです。インターネット上にはまだ(Googleが到達できていない)多くの情報が詰まっており、それをよりよい方法でユーザーに届けることがGoogleの使命ですから。そして、Googleの検索結果は非常に新しいものだとされていますが、さらに新鮮な情報を届けたいと考えています。まだまだ検索についてはやるべきことが多いですね。
--コンテキストセンシティブ(文脈依存)検索というのも、サーチエンジンをよくするためのものなのでしょうか。詳しく教えてください。
これは未来のサーチエンジンについてのことなのですが、現在すでに提供している同義語検索技術(現在英語版での提供のみ)を次のステップに進めたものといえるでしょう。コンテキストセンシティブ検索では、サーチエンジンが質問の意味まで理解できるようになるのです。例えば、ユーザーが「Coach」という言葉を検索したとします。その際エンジンは、ユーザーがバスケットボールのコーチについて検索したいのか、革製品ブランドのCoachを検索したいのかを見分けることができるというものです。バスケットボールのコーチについてであれば、コーチングという言葉も正しい検索結果といえますしね。
ただ、これはすぐに提供開始するサービスではなく、Googleの将来の方向性として考えてください。そして、20年ほど先になるかもしれませんが、最終的には質問をそのまま文章にして検索すると、正しい答えが結果として出てくるといったことも考えられるでしょう。
--では将来的には、「Coachのバッグを買いたい」と入力して検索すれば、Coachの店舗への道順などが検索結果として出てくるかもしれないということですか。
その通りです。近くで安価にバッグが手に入る店へと導くことも可能になるでしょう。コンテキストセンシティブ検索とは、エンジンが言葉と文脈の意味を理解し、そのうえで検索するということですから。
ユーザーがどういったデータを望んでいるのか、意味論で分析して、より正確なデータを出す、これがGoogleのめざしている方向です。そのためにわれわれが考えている方法をひとつお話ししましょう。例えば現状ではニュース記事を検索したければGoogle Newsのページから検索し、商品の購入を考えている場合はFroogleから検索するといったように、どこから検索するかを自分で決めなくてはなりません。それを発展させ、検索する方法をユーザーが決めるのではなく、検索エンジン自体が決め、さらには多次元的に検索結果を提供できるようにしたいと考えているのです。
また将来は、パーソナライゼーション機能が充実し、ユーザーがニュース検索を中心に行う人物であれば、検索結果もニュース記事を中心に提供するといったこともできるようになるでしょう。今でもGoogle Newsから検索すればニュース記事の検索ができますが、Google Newsから検索しなくともそのような結果が出るようになるのです。
--パーソナライゼーション機能は、検索における次のキラーアプリケーションとなるのでしょうか。
キラーアプリケーションとまでは行かなくとも、大変便利なものであることは間違いないですね。
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