トラックバックで振り返る最終回 - (page 2)

山岸広太郎(CNET Japan編集部)2004年06月28日 10時00分

5月17日 第2回
日本人は検索が苦手?国内市場の独自性に迫る

 第2回では国内市場の独自性についてネットレイティングス 代表取締役の萩原雅之氏とビデオリサーチ インタラクティブの営業企画本部長 荻野欣之氏に視聴率調査の面からお話をうかがった。

 日本市場の特異性としてよく語られるYahooの強さに関して、[eN] 日本人は検索が苦手?国内市場の独自性に迫るでは、ビデオリサーチ インタラクティブの荻野氏の「日本ではYahooのトラフィックが他のポータルサイトと比較しても非常に大きいから、というのが検索も使われている理由であって、深い戦略やトリックがあったり、検索エンジンの違いから差が付いているのではないと私は思います」というコメントを引用して

「確かに露出も多いし機能的に他のポータルと大きく違うかというと、そうでもないような気がします。しかし、なぜぼくは検索以外はYahoo!を使うのか?

と、考えたときに、ポータルのサービスはYahoo! から始まるからではないか、と思いました。分かりやすく普通に書くと、新しいサービスを導入して切りひらいてきたのはいつもYahoo! だったのではないかと。新しい物好きでもありますし、一度のユーザ登録で多くの機能が利用できた方が良い、という判断かと思います。Yahoo! だったら、とりあえず一通り網羅されているでしょう。

で、どうして検索はGoogleでするかと言えば、一番使える検索エンジンであり、検索エンジンの変革が始まるとすればGoogleから、という予感があるからかと思いました。」

「ポータル=Yahoo」「検索=Google」という認識がユーザー側にあるのが大きいという見解を示している。

 しろしろ: 検索エンジンvsURL直接入力では、日本ではYahooのディレクトリが他の国よりよく利用されていることについて、ネットレイティングスの萩原氏の「また、日本人はアルファベットを常用している欧米人と比較して、URLを直接入力することが少ない。欧米では企業名やサービス名などに『.com』『.net』などを付ければ目当てのサイトに行けることがほとんどですが、日本ではそうでないパターンが多々あります。ですから、使用頻度の高いメージャーなサイトでもいちいち検索サイトからというケースも多いのではないでしょうか」というコメントに対して、

「これはなんとなく分かる。私はある程度URL分かっていても企業名やブランド名で検索エンジンをサーチしてからそのHPにいくことが圧倒的に多い。長いURLを打ち間違えないですむし、検索結果からの発見も多い。gooでは、企業の公式ホームページが登録されていればそれを最初に区別して表示するサービスもあって、重宝している。多分、日本語URLとか出来てもそうすると思います。

ただね、URLっていう「形式」も、かなり人間に不親切だと思う。だって一文字間違えてもOUTなんだよ。すごい冷たいよね。(でもこの前のベリサインの騒ぎ見たいなのはやりすぎ)

アメリカ、ヨーロッパの人だってたぶんURL直打ちってしたくないんだろうけど、日本では日本語っていう言語ドメインがフィルターになっていて、余計な検索結果が上位にこないっていうのもポイントなんでは?どうだろう。」

と、日本語自体の特殊性を指摘する意見をいただいた。

 ::: CASA de TOM ::: | [CNET]日本人は検索が苦手?国内市場の独自性に迫るでは、「国内におけるYahooの強さは圧倒的でGoogleの認知度が低い」「ディレクトリ検索使用率が非常に高い」という点について

「えっ!そうなの?と思いました。
確かにインターネットを始めた頃(9年前?)は好奇心で、Yahooのディレクトリを辿ってネットサーフィンをしていたけど、それから1,2年後くらいにGoogleを知ってからはYahooを使用することはなくなりました。

ディレクトリを辿るのがめんどくさいというのもあるし、Googleの方が便利。。。キーワードでどんどん絞っていけば、大抵辿り着くので。」

とYahooの利用が多いこと自体に驚いているという意見をいただいたが、Googleを使う人とそうでない人の認識の違いが大きいことを裏付けている。

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5月24日 第3回
Yahooが検索エンジンを自社開発した理由

 第3回ではCNET Japanの人気連載「英語で読むITトレンド」でおなじみの梅田望夫氏に米Yahooで検索エンジン開発を統括するVish Makhijani氏へのインタビューをお願いした。

 価格比較日記:Yahooが検索エンジンを自社開発した理由では、Googleはどんどん機械化をすすめ、Yahooは人間の手を加えて最適化するという点について

「YahooとGoogleの哲学的な違いについてはかなり納得。

 ヤフー(overture):検索結果に人を関与させ、最適化していく。google:検索結果を出来る限りロボット化し、最適化していく。ちなみにMSについてはどうだろう?たぶんgoogleと同じアプローチを取っていくはず。」

とYahooとGoogleの違いに同意をした上で、MicrosoftのアプローチはGoogleと同じではないかと推測している。

 PVO::Network: Google は単なるサーチエンジン企業ではないからは

「Google の最もユニークな点は検索エンジン技術やビジネスモデルではなく、それを可能にするハードウェアとシステム構築の技術だと思う。Yahoo の Vish 氏はそこをかなり意識しているようなのでけれど、インタビュアーの梅田氏にはもっと突っ込んで欲しかった。」

というご指摘をいただいたが、Googleの技術のユニークさについては、「公開資料からかいま見えるGoogleのコンピュータシステム」のように、梅田望夫氏の通常連載の方で重要なテーマとして何回か取り上げているので、そちらを参考にして頂きたい。

 また、このインタビューに関しても梅田望夫氏が特集を補完する記事を書かれているのでこちらもご覧下さい(「Yahooインタビュー解説(1)」「Yahooインタビュー解説(2) サーチエンジンの根幹」「Yahooインタビュー解説(3) GoogleとYahooの本質的な違い」)。

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5月31日 第4回
対談:日本における検索の未来
データセクション 橋本大也 vs ヤフー 志立正嗣

 第4回では、ヤフー リスティング事業部長の志立正嗣氏がデータセクションCEOの橋本大也氏との対談の中で、Yahoo! JAPANの検索エンジンをGoogleからYahoo Search Technologyに変更することを明らかにした。記事の掲載日から翌日にかけて切り換え作業が実施されたこともあり、特集記事とは別に掲載した検索エンジン切り替えを伝えるニュース記事には過去最高の51ものトラックバックをいただいた。

 橋本氏が運営するPassion For The Future: YAHOO!が独自の検索技術へエンジンの変更では、GoogleエンジンからYSTに乗り換えた結果、検索結果の順位がどう変化したのか、その違いを検証している。詳細は原文をご覧下さい。

 Yahoo! 新しい検索エンジンは如何に 【Boycott Street 221B】では

「なにより受けた印象は、ブログの扱いが低くなっていると言うことである。 大抵のブログ(というより、ブログツールを使って作られたサイト)はURLの規則性から判断つくわけだが、そこをざざっと見ていっただけでも上位にはかかりにくくなっていると思われた。確かに最近はブログブームで、その独特な仕組みから検索エンジン・・・特にGoogleエンジンに高評価を受けやすいブログは、薄い中身でも上位に来てしまうと言うことで見ようによっては厄介な代物だった。」

と検索結果に占めるBlogの比率がYSTで下がったことに注目しつつ

「かといって、その対策が施されたであろうこのYSTが救世主となるかというと、ちょっと微妙な気がする。

なんというか・・・安直にブログ系、或いはそれに似たサイトが排除され、数年前の主流だったシンプルな個人ページの様な物がやたら引っかかるのである・・・後はGoogle以上にショップサイト等かその中にはGoogle以上に中身の薄い物も少なくない、とてもじゃないがYahooの謳い文句にしているデータベースが生かされているとは言い難い気がしてならない。」

単純にBlogを結果から排除しても意味がないという問題提起をして

「とはいえ、猫も杓子もGoogleでは選択肢が狭すぎるのも事実。大手検索サイトのYahoo!が、新技術開発に力を入れだしたのは素直に評価するべきだろう。

結局これから二、三年の検索エンジン競争はブログ対策とデータベースの有効活用というのがキーワードになってくるような気がしている。はてさて、次の覇権はどこが握るのだろうか?」

Blogやデータベースコンテンツとの連動をどうするかが検索エンジンにとって重要だという見解を示している。

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