最終更新時刻:2009年7月11日(土) 10時00分
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Linuxが引き起こす地殻変動

公開日時:
2007/11/20 13:57
著者:
まつもと

Eee PCの人気が爆発するのを見てきて、「これは欲しい!」とか「これでデスクトップLinuxのユーザーが増えるぞ!」「いよいよLinuxがシェア1%を突破確実だ」なんてことを思ってきたが、それが思わぬ地殻変動を引き起こしつつあるのには気づかなかった。それは、Linuxマシン以外のパソコンの低価格化だ。もうちょっと正確にいうなら、低価格パソコンと高性能パソコンの二分化だ。ユーザーニーズが二分化していることは以前のエントリーでも書いたが、その低スペック指向の部分を掬い上げるのはLinux等の非Windowsマシンで、既存の製品群はあまり関係ないだろうと思っていた。けれど、Windowsマシンでもこの動きが起こり始めている。どういうことか。

アメリカでは、Dellがビジネス向けノートパソコンのVostro 1000を399ドルで売り出したらしい。(追記:このリンクは、既に切れている。おそらくキャンペーンが終わったのだろう)。これはDellのトップページからたどっても出てこない(出てくるのは429ドルのモデル)から、何か特別キャンペーンでもあるのだろう(Dellはそういう戦略が好きだから)。 もちろんDellの日本の販売サイトならもっと普通の値段(59,980円)。だから、この特別キャンペーンは、はっきりとEee PCへの対抗策だということがわかる。低価格で話題になっているのなら、同じ値札ならどうだ、というわけだろう。

一方、こちらはまだ噂に過ぎないのだが、Walmartの200ドルパソコンで一気に話題になったEverexは、その注目のなか、300ドル程度のノートパソコンを来年に発売するといった。詳細は不明なのだが、実はこれは、さらに数か月前にEverexがライセンス販売することになったVIAのOEM製品NanoBook CE260のことではないかという推測が流れている。だとしたら、これは6月時点で600ドルといわれていたものだから、大幅値下げ。その理由は、より低価格のEee PCとの競争ということが大きいのではないか。

パソコンの低価格化は近年どんどん進んできているとはいえ、ここしばらくは劇的な変化はなかった。 ノート型の場合エントリーレベル7万円ぐらいをスタートにするというほぼ暗黙の了解のもと、パーツの価格が下がった分は性能を上げることで各メーカーがしのぎを削ってきた感がある。Vistaの登場も、はっきりとその方向性を後押しした。Vistaを搭載するならスペックは上げなければならない。低価格パソコンといえども価格競争ではなくスペック競争にならざるを得ないわけだ。

ところが、399ドルのEee PCの人気が様相を変えた。まずは価格で対抗しないと勝負にならない。「あれはスペックが低いから」「7インチのモニタで何ができるんだい」なんて言っていたのでは、あっという間に顧客を攫われてしまうだろう。

もうひとつ、ひょっとしたらこれには、Microsoftの戦略が関係しているのかもしれない。というのは、Dellの399ドルキャンペーンのページでは、OSにVistaが選択できなくなっているからだ。以前のエントリーで、Microsoftが「限界利益」をとりにXPの投げ売りを始めているのではないかと書いたが、399ドルなんて極端な値引きは、メーカーだけの努力ではなかなかできないだろう。Microsoftが自社シェア確保の戦略からXP限定でこのキャンペーン向けに極端な値引きに応じたのではなかろうか。憶測に過ぎないが、しかし、パーツの仕入れ総合計だけでもノートパソコン1台組み立てようと思ったらそうそう安くはない。OSに正規の値段(Dellの場合60ドル程度ではないかといわれている)を上乗せしたら、もう利益は出ないのではなかろうか。

Eee PCに代表されるような低価格・低スペック・それでも充分タイプのLinuxパソコンは、単にLinuxの普及を拡大するに止まらないインパクトをPC市場に及ぼすことになるようだ。さて、日本ではどんなことが起こるのか。ますます発売が楽しみになってきた。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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