DellはUbuntuをプリインストールするパソコンを発売するにあたって「Windows搭載パソコンより安くします」というようなことをいっている
ようだが、大方の推測では、普通なら価格差はほとんどつかないのではないかとされている。Windowsの正規版の価格(2〜3万?)だけ安くなるはずが
ないのはもちろん、OEM版(Dellの場合、仕入れは6〜7千円程度か?)だけも安くはならないだろう。というのは、Windowsの場合、ゴミみたい
なバンドルソフトがOEMにくっついてくるのが普通で、この広告収入がWindowsのOS代のかなりの部分をカバーすると(ときにはオツリがくるとさ
え)いわれているからだ。メーカーにとっては、フリーのUbuntuに頼らなくとも、既にプリインストール版のOSは無料に近くなっているという話。
だから、Ubuntuパソコンは決して安くならないだろう。無料のOSをインストールしているのに有料のWindowsと似たような価格帯ということにな
れば、消費者に対する印象もよくない。だから今回のDellの動きは、営業上の判断というよりは、もっと大きな経営判断と見るべきだ。
すなわち、今後Ubuntuユーザーが一気に拡大するとすれば、かなりの既存のWindowsユーザーがハードウェアの更新時に乗り換えしてくることにな
る。このときDellがUbuntuパソコン販売の主要プレーヤーの地位を確立していれば、他社を圧倒できるだろう。Windows独占のパソコンハード
ウェア市場で首位から転落したDellが、Windows独占の崩れる機に乗じようという戦略だ。もちろん、Windowsの独占は崩れないかもしれな
い。けれど、だからといってささやかなUbuntuへの投資は大きな損失にはならないはずだ。ダメでもともとのチャンスを早期に押さえておくのは、なかな
か商売上手。
もちろん、UbuntuのようなフリーのOSであっても、バンドル商売をすることは可能だろう。Linuxの世界では重要なアプリケーションの多くは(特
に個人ユーザーの場合)OS同様にフリーだから、Windowsのようなソフトベンダーの広告はあまり期待できない。しかし、主戦場がWebサービスに移
行しつつある現状を見れば、特定のWebサイトに誘導するような広告をバンドルすることに意義を見出す広告主もいなくはないだろう。
しかし、Dellはそういったバンドルもおこなわず、配布されているそのままのUbuntuをインストールするということだ。これは、「Dellは
Linuxに手を加えて儲けようとしている」というマイナスの評判を恐れたものだろう。最終的にはWindowsからの乗り換えユーザーがなければ市場は
拡大しないとはいえ、当面の販売ターゲットは、まずは既存のLinuxユーザーなのだから。ここで評価を下げれば主導権を握れない。
こうしてみると、DellがつけようとしているWindowsプリインストール機とUbuntuプリインストール機との価格差は、実はDellの宣伝費と
いえるのではないだろうか。新たな市場でシェアを掴むために目先の儲けを多少圧縮することはよくある話だ。あるいはCanonicalが有料サポートの販
売額に応じていくらかを担うのか…?
私の作業に欠かせない存在であるGoogleをはじめ、いまでは多くのサービスが広告モデルによって無料で提供されている。広告のおかげで無料になったり
安価になるのはありがたいのだが、どこか奇妙な感覚が残る。どこかにツケが溜っているような気がするのだが、それが何だかわからない。ときどき背筋が寒く
なる。
(で、そのDellの話とは無関係に、私はDellの中古パソコンにUbuntuをインストールする予定になっているのだが、これが都合でまだ手につかない。予告がどんどん遅れてしまって……)
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>広告のおかげで無料になったり安価になるのはありがたいのだが、どこか奇妙な感覚が残る。どこかにツケが溜っているような気がするのだが、それが何だかわからない。ときどき背筋が寒くなる。
Google税を納めない連中は、見ない言わない訊かない。
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