社員の教育は企業にとって大きな課題だと思います。社員教育の方法に関しては、企業ごとにそれぞれ独自のノウハウや、考え方などが反映されると思いますので、「これが正解」といった単純な話にはならないとは思いますが、今回は、その社員教育の一環として「ブログ」を活用してみることのメリットを紹介してみようと思います。
社員教育といっても、業務の習得から、対内外交渉力の向上や、業務に必要な知識の向上など、その対象となる部分は色々あるとは思いますが、今回ブログを活用できるケースとして、「業務に必要とされる基礎的な知識を吸収させること」、及び「対外的な情報伝達能力の向上」という 2点に絞って解説していきたいと思います。
継続的なインプットを行うために
業務に必要とされる知識の習得には、単純な話、その分野の書籍や資料などを読んで勉強すれば良いのかもしれませんが、例えば新入社員の方に、「本を読んで勉強しておいてください」と伝えても、そこから先は本人の意識任せとなりがちです。本当にその書籍を読んで勉強しているか、定期的にテストでもすれば検証できるかもしれませんが、それもなかなか手間がかかります。個々人の差も出てくるでしょう。
そこで、例えば新入社員の方には業務に関連したブログを毎週決まった回数更新してもらうといったルールを適用してみるのはいかがでしょうか。「最低週2回更新」などといった感じに、ブログの更新を業務として義務付けるわけです。
通常、「インプットの質と量」と「アウトプットの質と量」は比例するものだと思いますので、ブログを書くこと、つまりアウトプットを定期的に行うには、それに数倍する量と質のインプット(つまり勉強)を行わなければいけないと考えられます。定期的なブログの更新を義務付けることで、そのアウトプットのために自然と関連知識の吸収が習慣化する方向に持っていくことが可能になるのではないでしょうか。
そのためにはブログを書くことに対する動機付けが重要
社員のインプットを習慣化するためにブログを活用する場合、最も大切なのは、そもそもブログを書くことに対する社員の皆さんの動機付けです。人間誰しも辛いことや退屈なことには熱中できるものではありません。嫌々ブログを書かされるのでは、そのためのインプットも苦痛に感じてしまい、なかなか効果を出すことはできないでしょう。
ブログを書くことに対する動機付けをいかに行うかには議論の余地があるかと思いますが、ひとつの例として、社員が書いたブログを会社として評価してあげるといったことも有効かと思います。評価の基準としては、アクセス数などといった数値的に明確な物の方が公平だと思いますが、社員としては、自分の書いたブログが評価の対象になれば、それがモチベーションに繋がる可能性も高いのではないでしょうか。
ブログを書くことが楽しくなれば、どんどんアウトプットしたいという欲求が高まるでしょう。同時にそのためのインプットも習慣化し、自然と知識の幅が広がっているといったプラスのスパイラルを作り上げることが可能になるのです。
インプットした知識を理解して吐き出すことが大切
ブログを書かなくても、インプットはできます。しかし、インプットした知識というのは、それを自分なりに噛み砕いて、その内容を他の人に伝えることで、より一層深い知識となって身に付くとも考えられます。つまり、インプットしたものを自分なりの言葉でアウトプットすることに意味があるということです。皆様の中でも、人に教えることでその事柄に対する理解がより一層深まったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分が得た知識を第三者に向けてアウトプットする。しかも、第三者に対してきちんと内容を伝えなければいけないということは、中途半端に知識を得ただけではなかなか難しいと思います。しかし、このことがその知識への深い理解と、他人に向けて説明する能力、「情報伝達能力」を鍛える重要なプロセスとなるわけです。
その他のメリット
ブログにはインプットとアウトプットのプロセスが自然に行えるというメリット以外にもいくつかの特徴があります。そのひとつが、コメントやトラックバックといったブログの特徴的な機能による第三者からのレスポンスにあります。
知識を得て、それを外部に発信する、それに対して自分の知識に抜けていた部分をコメントやトラックバックによって言及されることで、知識の補完ができるというわけです。外部に公開したブログであれば、社内の限られた人だけでなく、より多くの人からフィードバックを得ることができます。さらに、不特定多数に向けて書くことで、記事に対する責任感が生まれ、その質に気を使うようになりますので、それが社員の知識向上にプラスに作用するといったケースも考えられるでしょう。
また、ブログに書くということは、自分がアウトプットしたことや、それに対して受けたフィードバックなどをデータの形でストックできるということです。これにより、後からの振り返りも容易になります。「インプット → アウトプット → フィードバック → ストック」という一連のプロセスが、簡単に実現できるところもブログを活用するメリットといえるでしょう。
いかがでしょうか、社員教育にブログを活用するメリットをご理解頂けましたでしょうか。
当然、企業によっては独自の教育プログラムをお持ちで、それを利用することが一番効率的という場合や、業種、業態によっては実態にそぐわない場合もあるでしょう。今回紹介したのは、ひとつの考え方としてご参考頂ければと思いますが、使い方によってはかなりの効果を期待できると思います。
さて、一方で社員にブログを書いてもらう場合の企業側のリスクというのも懸念点として出てくると思いますが、次回はそのあたりに関して触れてみたいと思います。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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