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この記事のトピック
- “DITA”は何を解決するのか

- “DITA”の設計思想『ミニマリズム』

- “CMS”導入担当者の本音、CMS導入に重要なのは機能ではない

- 時には、古いコンテンツを思い切って捨てることも

- 『TechCraunch Japan』『Tokyo-camp』開始

こんにちは。“時代の3歩先をねらうWeb屋さん”ミキ・オキタです。
このブログ「WebClip ウェブデザインのニュース」では、Webデザイン・Webマーケティングの話題をお届けしています。
今回は、8月27日(木)〜28日(金)開催のDESIGN IT! Forum 2009に参加した感想を。
DESIGN IT! Forum 2009の内容は、1日目は主に“DITA (The Darwin Information Typing Architecture)”を、2日目は“CMS”を中心とした内容だった。
“DITA”は何を解決するのか
前回の記事では、初心者なりに“DITA”の概要を理解することを試みた。
今回はDESIGN IT! Forum 2009で、僕が新たに興味を持った点を紹介する。
“DITA”という規格を採用することで、文章そのものも、ユーザにとってわかりやすい文章が書けるようになる、という話があった。
これはどういうことか。専門のライターのような文章を、開発部門の担当者が書けるようになるのであれば、魅力的な話だ。
僕の知り合いに、ソフトウェア開発会社のWeb担当者がいる。
ソフトウェアのバグ修正などのたび、サポート情報をWebサイトに掲載する。サポート情報の原文は開発部門が作成する。
しかし、困ったことに、開発部門の担当者は文章作成が苦手だ。
「ユーザにわかるように書いてくれ」と依頼しても、どうしても技術者向けの文章表現になってしまったり、掲載すべき情報が漏れている文章を書いてしまう。
そのため、開発部門が書いた原稿を、いったんWeb制作部門の人間が受け取り、ユーザにわかる表現に逐一改めている。
かなりの手間がかかる。
また、公開直前になっても頻繁に追加・修正が入る。そのたびにWeb制作部門の人間が手を入れなければならない。
このようなケースでも“DITA”は効果を発揮するだろうか。
回答としては、“DITA”で、開発部門の担当者は、“これまでよりは”まともな文章が書けるようになる可能性が高い、ようだ。
“DITA”自体が、文章の雛型としての機能を持つからだ。
例えば、マニュアルには、最低限、概要と手順と参考情報を掲載する、とか、ここは作業手順を記述する部分だからそれを意識して書く、といった具合だ。文書にどんな情報を盛り込むべきか、“DITA”には雛型として盛り込まれている。
雛型に沿って書くことで、雛型なしに書くよりは、まともな文章になる可能性は高いだろう。
「技術者向けの文章表現でユーザが読める文章にならない」という点はどうだろう。
回答としては、この「技術者向けの文章表現」は“DITA”では解決しづらいようだ。
単純に雛型を適用するだけでは、言葉の選び方までは抑止しづらい。
(もちろん、業務フローや役割の見直し、教育など、中長期に徹底していくことで、対応は可能かもしれない)
“DITA”の考え方としては、この場合はむしろ、再利用できるしっかりとした情報を作成するため、例えば、文章を書き直すライターを業務フローに含める、ということになる。
また、“DITA”を導入する、というと、社内のすべてのデータを“DITA”化する印象を受けるが、すべてに“DITA”を適用する必要はない、という。
“DITA”にも向き不向きがある。適用することでコスト削減と効率化が見込めるところは適用すればいいし、そうでないところまで無理に適用する必要はない。
プロモーション資料や、技術文書であっても文脈と切り離すことのできない部分などは、“DITA”にするメリットは薄いかもしれない、ということだった。
“DITA”の設計思想『ミニマリズム』
講演のなかに、時間を使う対象を、どう変えていくか、という話があった。
“DITA”の思想の土台にあるミニマリズムという概念が説明されていたので、紹介する。
一度作ったコンテンツはあらゆる場面で再利用したい。
コンテンツはたくさん作成することが良いとは限らず、作成するほど管理にコストが発生する。
そのため、目的を達成できる最適な量にし、過剰なコンテンツを作成しない。
コンテンツは極力再利用できるように作成しておくことが望ましい。
コンテンツ量を、過不足なく用意するには、次の4つのポイントに気を配る。ミニマリズムの4原則という。
- ユーザの目的を理解する。ユーザは何をしたいのか? に気を配る。
- ユーザがわかる言葉で話す。
- ユーザがWebサイトを訪問するのは、ユーザが問題やトラブルを抱えているからである。それを解決できる情報を提供する。
- ユーザが、情報を見つけられるようになっている。情報が存在しても、見つけられなければ意味がない。
“CMS”導入担当者の本音、CMS導入に重要なのは機能ではない
2日目は、Web業界でいうところのいわゆる“CMS”を中心とした内容だった。
個人的には、とくにアシスト 橋本氏と楽天 清水氏の講演は、導入担当者の本音が聞け、面白かった。
アシストの橋本氏の講演で、とくに興味を惹かれたのは、某大手企業でのエピソード。
多くの手間をかけて、大規模サイトにCMSを導入した。デザインを統一するため、Webページ単位のテンプレートを作成した。
しかし、いっこうにWebサイト制作の効率が上がらない。
クライアントと徹底的な議論の結果、手間がかかっている本当の原因が浮かび上がった。
それは、コンテンツの内容作成。この手間が大きかったという。
例えば、製品のWebページであれば「製品の特徴」「スペック」「価格」「サポート情報」「マニュアルのダウンロード」・・・など、どのような内容をサイトに掲載するか、Webサイト構造を考え、原稿や画像を用意する。
製品の担当部署ごとに、内容はまちまち。ある製品のWebページには「価格」の掲載はなく、ある製品のWebページには「サポート情報」が一切ない。これではユーザ目線のWebサイトにならない。
これを解決するため、この企業はCMSで『Webサイトの構造』ごとテンプレート化して配布することにした。
例えば、製品の『Webサイト』は、「製品の特徴」「スペック」「価格」「サポート情報」「マニュアルのダウンロード」を掲載する、というように、最低限掲載しておくべき情報とそのサイト構造までを含め、ひとつのテンプレートとした。
これは大きな効果があった。Webサイトの品質は大きく向上し、コストも低減した。
アシストの橋本氏の講演では、「CMSがどのような機能を持っているか」よりも「CMSによってどのように業務フローを変えるか」が重要であると語られた。
時には、古いコンテンツを思い切って捨てることも
楽天の清水氏の講演では、興味を惹かれたのは、グローバル企業において、Webサイトをきっかけに、社内の素材を集約した事例。
数年がかりで、膨大な情報の整理を手がけたという。語られたポイントとして、
- コンテンツの整理は時間がかかる。整理プロジェクト以降に新規で追加していくコンテンツはしっかり管理する。
過去のコンテンツについては、再利用できるものは再利用する。
一定の基準を設けて基準に満たないものは思い切って捨てていく。 - また、コンテンツに利用期限を設けることで、古いコンテンツが賞味期限切れで廃棄されるようにする。
- 集約しておくべきは、Webに乗せる原稿や画像だけではない。関連するファイルや企画書なども保存しておく。
例えば画像は元になった素材の権利関係がわからないと再利用してよいのか判断できない、など。
『TechCraunch Japan』『Tokyo-camp』開始
DESIGN IT! Forum 2009 終了後、プレス向けに記者発表が行われた。
まず、DESIGN IT! Forumの運営母体でもあるDESIGN IT!, LLC.社により、『TechCraunch Japan (テッククランチ・ジャパン)』の運営開始が正式に宣言された。
『TechCraunch』は海外の有名ニュースブログで、インターネット・ビジネスなど中心にベンチャーキャピタルの動向を詳しく追っている。今回発表されたのは、これの日本版だ。
また、過去には『TechCraunch』はGoogleのYouTube買収や、twitterへのハッキング事件をスクープしている。
また、スタートアップ企業の支援と交流を目的とした『Tokyo-camp (トーキョーキャンプ)』の開始が宣言された。
スタートアップ企業によるデモンストレーション「DemoPit」と、参加者同士の交流「Meetup」をしていく。
コンセプトは「シンプル&フラット」「みんなで楽しく!」「役に立つ」とのこと。
記者発表会場の外に設けられたデモブースでは、参加企業各社が、さっそく自社の技術を紹介していた。
【関連リンク】
DESIGN IT!
TechCrunch Japan
Tokyo-camp
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