

この記事のトピック
こんにちは。“時代の3歩先をねらうWeb屋さん”ミキ・オキタです。
このブログ「WebClip ウェブデザインのニュース」では、Webデザイン・Webマーケティングの話題をお届けしています。
今回はWebアクセシビリティの話題。Web担当者なら必ず頭を悩ます音声ブラウザのシェアについて。
以前の記事でも書いたが、アクセシビリティはSEOではない。Web標準とも異なる(アクセシビリティはもっと広範囲にわたる)。かといって、結果の見えづらい「社会貢献」扱いでは、現場のモチベーションが保ちづらい。
企業がなぜアクセシビリティに取り組むのか、その動機づけははっきりさせておかなければならない。
上のことを踏まえてだが、アクセシビリティに企業が取り組もうとすると「ある問題」が、けっこう議論になる。
企業の財力は無限ではない。アクセシビリティに取り組むといっても、悲しいかな、現実問題として、あらゆる障がい者を想定してチェックとテストを繰り返すことはできない。
スコープを絞る必要が出る。そこで、多くの企業が、多くのWeb担当者が壁にぶつかる。
「音声ブラウザって何だ?」
多くのWeb担当者は音声ブラウザ(または読み上げソフト)には触れたこともない。
実際、音声ブラウザはInternet ExplorerやFirefox、Safariなど「いわゆる意味での」ブラウザに比べ、固有の特性があり、それを理解した上でないと正しいアクセシビリティは実現できない。
音声ブラウザには複数の種類がある。シェアの大きいところでは、IBMのIBM ホームページ・リーダー(通称HPR)や、高知システム開発のPC-Talkerや、Freedom ScientificのJAWS(ジョーズと読む)などだ。 (※この記事ではわかりやすく説明するため並列にしたが、ホームページ・リーダーは音声ブラウザ、PC-Talkerはスクリーンリーダーで、厳密には別用途)
ここで「ある問題」にあたる。果たして、いったいどの音声ブラウザを対象にして、Webサイトを作成すればいいのだろうか。
Internet ExplorerやFirefoxなら、ある程度のシェアはGoogleやインターネット白書を調べればわかるかもしれない。しかし、音声ブラウザのシェアに関する情報は非常に希少だ。
僕自身も、この点には大変悩まされた。
悲しいかな、基本的にアクセシビリティは現場にも管理側にとっても「面倒くさい」と思われていると思ったほうがいい。社会貢献という看板があるので正面から批判はしづらいが、できれば関わりたくないと思っている人が大半だ(実際、自分が取り組むまでは、僕がその最たるものだった)。
まさに冒頭の動機づけの部分だが、アクセシビリティの実現にはWeb担当者、制作会社、決裁権者など、関係者のコンセンサスがきちんととれていないと実現は難しい。コンセンサスを取る上で「どこまでやればよいかわからない」ものなど、最初に無視される。
客観的で明確な根拠(データ)がないと、関係者の合意を得ることができない。
さて、アクセシビリティに取り組む上で当たるこの「問題」だが、なんと、その回答にあたる調査が今年の夏に実施された。Web担当者が感涙にむせぶこの調査。報告会が12月2日(日)に実施されたので、拝聴してきた。
調査は「視覚障害者のパソコン・インターネット・携帯電話利用状況調査2007」というもので、国立特別支援教育総合研究所の渡辺哲也氏らが実施したものだ。
視覚障がい者のICT(パソコンや携帯電話、インターネットなど)の利用状況を調査したものだが、ここではとくに視覚障がい者のインターネット利用についての発表箇所をピックアップする。
現時点でのシェアは、ホームページ・リーダーとPC-Talkerが圧倒的と言ってよさそうだ(「現時点での」と枕詞をつけたのは、ホームページ・リーダーはVISTAに「対応しない」ことを宣言しているため、今後はPC-Talkerや他の音声ブラウザへ移動する可能性がある)。
さらに、Web担当者として興味深いのは、障がい者の生の声として、使いづらいウェブサイトの課題がまとめられていたことだ。以下に僕が会場でメモした内容を掲載する。
これらはWeb担当者が目にすることが難しい、視覚障がい者からの生の意見。非常に貴重だ。
なお、報告会のサマリーは、以下のURLに掲示されている。統計データも掲載されている。まさにWeb担当者感涙。ぜひ参考にして、関係者のコンセンサス獲得をしていただきたい。
視覚障害者のパソコン・インターネット・携帯電話利用状況調査2007
※追記 2007年12月29日 Yasuharu OISHIさんよりご指摘いただき、JAWSの開発元をIBMからFreedomScientificへ変更
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
kino-p on 2007/12/31
木下です。
Geeklogのコミュニティでもアクセシビリティ対応のテンプレートを公開されたかたが居られて私も興味を持ち色々と検討してみました。
現在、多くのCMSが携帯対応になっていて携帯からアクセスすれば携帯用のテンプレートに切り替わって携帯で見やすいレイアウトになります。
同様に読み上げブラウザでアクセスすれば読み上げブラウザで読み上げ易いレイアウトにしたページを送れるようにすることはCMSの機能的には可能です。
読み上げブラウザがサイトにアクセスする時に他のブラウザとは違うということを判別できる情報を送ってくれさえすれば…
そしてCMSの標準機能としてアクセシビリティ対応テンプレートへの自動切換えを同梱してくれれば。
読み上げブラウザの開発側 と CMS作成側が、ほんの少し協力するだけで、視覚障害を持たれている方にとって可也改善されたWeb環境が実現すると思います。
kino-p on 2007/12/31
記事を読ませていただいた、一視覚障害者です。
開発者の方々もいろいろご苦労されていらっしゃるのですね。
私はPCを始めてから半年ほどなのですが、最初はスクリーンリーダーがあれば何でもできると思っていました。
しかし、現実はそうでなくて、スクリーンリーダーやブラウザを複数インストールして
ケースバイケースであれこれ使い分けないといけないという面倒くさいことをやっています。
PC環境やウェブページは千差万別なのでそこまでしても完全に対応出来るわけではありません。
見えていればワンクリックすれば解決することが出来ずにいらいらすることもよくあります。
でも、ミキ・オキタ〉さんのような熱心な方がいらっしゃって心強いです。
今後とも積極的にウェブアクセシビリティに取り組んで頂きたいです。
blues_guitar on 2007/12/31
ミキ・オキタ on 2007/12/29
WEBアクセシビリティに取組む現場の本音に、WEBアクセシビリティ推進にあたっての課題が如実に顕われていて、興味深く拝読させて頂きました。
JAWS for Windowsについて補足です。「IBMの」と紹介していらっしゃいますが、厳密には「FreedomScientificの」が正確かと思われます。日本語環境移植がIBM(Ver.4.5以前)からEXTRA(Ver.6.2以降)へと引き継がれています(2005.7)。
開発元では、9.0 Public Betaがアナウンスされています(2007.10)。
http://www-06.ibm.com/jp/accessibility/solution_offerings/jaws/
http://www.extra.co.jp/product_11.html
http://www.freedomscientific.com/fs_products/software_jaws90fea_beta.asp
Yasuharu OISHI on 2007/12/26
ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。
この記事に対するTrackBackのURL:
無料の「Oracle Database XE」で高速バッチ処理:実装のポイント
原宿で野宿を含む15時間 - iPhone行列完全ドキュメント
「失われた10年」からの回復は、どういう課題を残したか?
iPhoneの影で馬鹿売れしているみたい
動画配信の影響なのかインターネット部門が「終了」
Googleというネットの巨大なメディアに支配される脅威
コレクティブストアというマーケットプレース
iPhone対応サイトについて思うこと
全国健康保険協会の会計(意見募集)
体力消耗戦に突入、携帯電話業界
「Parallels Desktop 4.0 for Mac」は「Mac OS X Server 10.5 Leopard」をゲストOSとしてサポートへみんなのお題では、ブロガー同士で質問を出し合いそれに対する回答や意見を集めています。今日はどんな話題が盛り上がっているでしょう?
DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」CNET Japan ブログネットワークは、元はCNET Japanの一読者であった読者ブロガーと、編集部の依頼により執筆されているアルファブロガーたちが、ブログを通じてオンタイムに批評や意見を発信する場である「オピニオンプレイス」、また、オピニオンを交換するブロガーたちが集うソサエティです。
広い視野と鋭い目を持ったブロガーたちが、今日のIT業界や製品に対するビジョンや見解について日々熱く語っています。
CNET Japanやその他サイトが提供するITニュースやコンテンツへの意見や分析、 ビジネスやテクノロジーに対するビジョンや見解について語っていただける方を 募集しています。ご応募はこちらから
ブログの投稿はこちらから(※ブロガー専用)
今年最も活躍したブロガーを表彰します。詳細はこちらから
これは、CNET Japan 編集部の依頼に基づいて執筆されているCNET Japan アルファブロガーによるブログの印です。
CNET Japan ブログネットワーク内で拍手の代わりに使用する機能です。ブログを読んで、感激した・役に立ったなど、うれしいと思ったときにクリックしてください。多くGood!を獲得した記事は、より多くの人に読まれるように表示されます。
[レビュー]高い信頼性を普通に使う地球に優しい電源ユニット--Antec EarthWattsシリーズ EA-650
オンリーワンの個性を極めた超薄型テレビ--日立 Wooo UTシリーズ
[レビュー]“この手があったか”と思わせるパワーユーザーも納得のPCオンデマンド--「VALUESTAR G タイプR Luiモデル」+「Lui RN」詳細レビュー
[レビュー]テレビを持ち歩ける最強ツール--ソニー、Blu-rayレコーダー「BDZ-A70」
今週の新製品総チェック:ソニー「VAIO」が新キーワードを発表、ビクターからはYouTube対応ビデオカメラ
[レビュー]ネットワーク対応の高機能デジタルフォトフレーム--ソニー「Canvas Online CP1」
15時間の行列で手に入れたiPhone 3Gファーストインプレッション--ソフトバンクモバイル「iPhone 3G」
今週の新製品総チェック:まさにiPhone一色の1週間、ついに店頭発売へ
北京を見逃すな!--2008年夏、今買うべき「薄型テレビ」
木下です。
問題は現在、スクリーンリーダーを使っている割合が増えていて
サーバーとのやり取りは単にブラウザを立ち上げて行うので
「サーバー側からは、そのユーザーがスクリーンリーダーを立ち上げ読上げソフト対応のテンプレートを提供すべきかどうかが判らない」ということにあります。
この点はスクリーンリーダーの作成者側とMicrosoft等 ブラウザの作成側で協力してもらい
「スクリーンリーダを起動している」
という情報をサーバーに送ってくれれば解決できるのですが…
解決法は判っているんです。
後は
それぞれの作成者側が多少協力してくれさえすれば実現できるんです。