最終更新時刻:2009年11月10日(火) 8時31分
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先のことを考えられないネット社会の行く末は?

公開日時:
2008/09/22 02:30
著者:
なかのひと

cnet読者ブログmugendai氏のエントリーに『先のことを考えられない人たち』というものがあり、このエントリーでは『リーマンブラザーズ』と『汚染米騒動』の話を軸に、自分の利益しか考えてない人の問題点が書かれていて、大変興味読ませていただきました。

長年、ウェブ業界を見てきて「ここ数年何かおかしい」と思っていたのですが、先日この事で友人と話をし、今まで思っていた事が2つのポイントにまとまってきたので記事にさせていただきたいと思います。
ポイントになったのは、『巨大掲示板の登場』と、『アフィリエイトの普及』の2点です。

パソコン通信からインターネット。巨大掲示板の登場

パソコン通信からインターネット

インターネットが注目される以前、パソコン通信(以下パソ通と略)というのがありました。インターネットとの違いは、多々あるが『会員のみが利用できるため発言者の特定が容易である点』が大きく異なっていたと思います。
フォーラム、電子掲示板、チャットといったサービスが用意されており、会員はそこで自由に発言することができました。しかし、発言は全てユーザIDと連動していた為、無責任な発言を行う事はパソ通内で死活問題でした。
筆者も『NIFTY SERVE』内のBBS #8というところで発言してきました。宗教・政治問題は特にヒートアップすることが多くありましたが、それでも相手がいることを念頭に発言する土壌が培われていたと思います。当時まだ20代前半だった筆者は今よりさらに浅学で無知でしたが、様々なことを多くのユーザ諸氏から教えていただくことができました。

そしてインターネットの登場

そして95年以降、インターネットが注目されるようになり、従量課金で文字だけのパソ通と異なり定額料金プランの多かったインターネットが普及していきました。なかには、パソ通にこだわる人も少なくありませんでしたが運営者が相次いでサービスを撤退した為、利用者はインターネットに活動の場所を求めました。
パソ通からスタートした彼らには、パソ通時代のルールが当たり前のように染み付いていました。それは、まず挨拶であり、『画面の向こうに人がいる』感覚をもつことです。インターネットが徐々に規模が大きくなってもその意識は続いていたと思います。

アンダーグラウンドな世界

一方、世の中には表があれば裏もあります。当時アングラサイトと言われた日の当たらない情報をやりとりするサイトでは健全な空気とは一線を画すものがありました。『ぁゃιぃわーるど』では、表側では出てこない情報がやり取りされていました。記事内容の性格上、匿名性をもっていましたが、有意義な情報も多く、筆者もそれらの掲示板で様々な勉強をする機会を得ることができました。その頃すでに掲示板が荒れるという状況も少なくありませんでしたが、パソ通で培われた意識はまだ根付いていたように思います。

巨大掲示板の登場

これらアングラサイトが、あめぞう、にちゃんねる、と巨大掲示板の設立で一般向けに開かれていったのですが、この頃、新しく参加したユーザはパソ通を経験しておらず『インターネットは無条件で自由に表現できる場』、と考えている者も少なくなかったように思います。
そのことの是非をここで書くのは控えたいと思いますが、筆者が考えるに『自由は、無条件ではなく一定のルールの中で成立する』ものだと思います。サッカーにおいてキーパー以外が手をつかえたらもはやそれはサッカーと呼べないし、それはサッカーとして楽しむことは出来ないのです(ラグビーとしては楽しめそうですが)。自由と無秩序は違うものだと思います。しかしインターネットのルールというのは特に定まっているものでなく(決め付けられても困ってしまいますが)、自由と無秩序が分からない利用年齢層の低い掲示板では見るに耐えない誹謗・中傷が繰り広げられているところも多数見受けられます。

もし、これからあまりに誹謗・中傷が酷く、これ以上社会問題となったら、各掲示板運営者はその運営を中止せざるを得ないかもしれません。もしくは、行政が有識者会議(!)を開き、その結果、厳しい監視を行うようになるかもしれません。そうなってから自由を取り戻そうとしても遅いと思うのです。

尚、誤解を招きたくないのですが、巨大掲示板の多くが健全で有益な情報を提供しています。一部マスコミが言うようにこれら掲示板が『悪の巣窟』ばかりでは無いことを付け加えておきます。

アフィリエイトの普及

アフィリエイトとは?

アフィリエイトというのは、ユーザが何らかの手段によって商品やサービスを紹介し、それを購入したりサービスを利用したユーザに対し一定金額の報酬が支払われる仕組みです。『アフィリエイトで儲けよう』とか『アフィリエイトでお小遣い稼ぎ』といった記事が雑誌でも紹介され本も多く出ており、主婦の副業やサラリーマンのサイドビジネスとして人気があるようです。

迷惑ブログが4割!

アフィリエイト利用者の多くが「いかに儲けるか?」を念頭にして動いており、その結果、全体が受ける影響を考えている者は少ないように思います。彼らは、サイトのアクセス数を増やすとか、検索エンジンでの検索結果を上位にあげる対策(SEO)に始終していて肝心の内容についてはあまり考えられていない…『インターネット上のスパム』と言われてもおかしくないような内容が多く見受けられます(例えば単なる商品の宣伝文句のコピーであったり、単なるニュースの転載であったりする)。その情報に独自性は乏しく、それらのブログが検索の上位にくると重要な情報が埋没していってしまいます。ネットで調べ物をする際に多くの迷惑ブログが上位にきてしまう為、なかなか探してる情報に辿り着けないという経験のある人も少なくないのではないでしょうか。
exciteニュースでも書かれていますが、ブログでかかれた記事の4割がこのような迷惑ブログによるもの、というデータもあります。

この記事に書かれてるように淘汰されるのを待つしかないのでしょう。ですが、検索エンジンやブログ提供の会社が努力を繰り返しても、抜け道を探し出して新たな『迷惑ブログ』が生まれてくることは想像に難くないです(そこで費やされる対策費や労働力はもっと前向きなことに使えば、もっと面白いことが生まれてくるかもしれないというのに!)。正直、アフィリエイトで稼ぐより、コンビニエンスストアでアルバイトした方がはるかに効率はいいと思うのですが、どうでしょうか(アフィリエイトが大した稼げないという話はココが参考になると思います)。
アフィリエイトで成功してます!という人は沢山います。けど、彼らが運営してる実際のサイトを見たことがありますか?(『アフィリエイトで成功してます』と、うたってるサイトは私も多々みてますけど)。そんなことない、確実に稼げる商材がある!というサイトも多くみかけますが、商材を売る人は儲かるでしょうね(商材の中身は自動巡回ツールやスパムメール、マルチポストツールなど、他者が迷惑と思うものが大半です)。

尚、この件も、誤解を招きたくないので補足しますが、健全にアフィリエイトを続けて一定の成果をあげてる人も少なくありません。そういう人は『まずコンテンツがあり多くのユーザの信頼を得て、そこから若干の収益をあげるモデル』を生み出しています。まず『コンテンツありき』だからこそ成立しているといえるでしょう。それだけの独自のコンテンツを作れる自信がありますか?ユーザが何度も見たい!と思うサイトを作るのは本当に至難なことです。

目先の利益を追うことだけでいいのか?

両者に共通して言えるのは、「楽しければいい」、「儲けられたらいい」という、自分本位な目先の利益を追求する姿勢だと思います。彼らの行動に公共の利益とか、他者への配慮という姿勢はあまり感じられないのです。

読者ブログmugendai氏のエントリーにみられるように、先のことを考えることを出来ない人が無責任に社会の足をひっぱっているように思いますし、それは本当に哀しい問題だと思います。
「楽しければいい」、「儲けられればいい」、という考え方は、(極論かもしれませんが、)中国の異物混入ミルクや、汚染米、サブプライムローンの崩壊、給食費未納問題…もう風化していますが、納豆健康法結果偽装、どこぞやの料亭の女将の発言と…多くの暗いニュースを生む土壌となっている気がしてならないのです。

どうしたらこの状況を打破できるのだろう、と自問自答しながら、このエントリーを書いてきました。

一人一人がしっかり意識をもって、その一人一人が周囲の人にきちんとした関係を築くように振舞うことができたら(それは理想論かもしれませんが)さらには、遠い他者さえも近く感じられるようになれば…これらの状況を解決する鍵になるかもしれません。それはユートピア的思想で決して現実のものになりえない状態かもしれませんが…それを意識することで現実社会の問題点が見えてくるように思うのです。

長文、失礼いたしました。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

1

「繁栄を極めた民主資本主義社会はかくして衰退し、地球環境の変化もあり、漸減した人類は長い黄昏時を送ることとなる」しかないのかな、と思ってますが、なかのひとさんのような方もまだいらっしゃるのは嬉しい限りです。

  nozyoo on 2008/09/22

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