最終更新時刻:2009年1月9日(金) 23時48分

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ブログの功罪

公開日時:
2008/09/01 12:13
著者:
なかのひと

ブログって何だ?

と、あちこちで言われてる。
語源が、Web+logという言葉から、Webの記録、という意味にあることは、多少ネットをやってる人だったら知ってる人も多いだろう。もともとは、あちこちのWebサイトにある記事のうち、気に入ったもの、気になるものをまとめておくためのツールとしての使い方が一般的だった。そこに日記的な記事を書く人があらわれ、気づけばamebaブログあたりが火をつけて、芸能人ブログといったものまで出てきた。

そこで本題。
Webの仕事をしていると、
「日記サイトと、ブログは違うのか?」

と、聞かれることが少なくない。

一般の方の認識だと、両者はイコールであるようだ。
僕が、サイトのリニューアルに関して

「今回のリニューアルは、ブログ形式でやろうかと思うんですけど、いかがですかね?」

と言うと、かなりの数のお客さんが、キョトンとした。多くの人が思い浮かべているのが『ブログ=日記サイト』であるのは一目瞭然だ。

両者の違いは、正直のところ答えにくい。
結論から言うと『ブログ=日記サイト』ではない
日記サイトは『サイトの内容的な分類』であり、ブログは『サイトの形式的な分類』である。この業界の人間が形式的な分類として『ブログ』という言葉を出しているつもりなのに、お客様からすれば、ブログというのは内容の分類である、という理解があるため、話が噛み合わない。

ここでちょっと話が逸れるが・・・言葉の使われ方は時代とともに変わる。たとえば『ホームページ』という言葉。ホームページは、Webブラウザが最初に表示するページのことをいう。Webブラウザにとってホームポジションなページのことだ。ところが、多くの利用者は、個人で作るサイトをホームページと呼んだ。マスコミさえ、その言い方を否定しなかった。IT業界の人間は、その流れに抗う人も少なくなかったが、僕個人からいえば、業界の言葉を優先させるよりも一般の方が慣れ親しんだ使い方をするべきだ、と思っている。ただでさえ、この業界は一般の人に奇異な目でみられているというのに・・・

さて、話を戻そう。そういう考えだから、『ブログ=日記サイト』では無いが、そのような用法がまかり通るのも仕方ないと思う。ただ、そうなると、『サイトの形式的な分類であるブログ』を何と呼べばいいのだろう?ということだ。

形式的な分類、というのはどういうことを言っているのか、ここで簡単に説明したいと思う。

今までのWebサイトは、ホームページ編集ソフトを使ってHTML形式に従ったファイルを作り、サーバコンピュータ(第一回目の記事参照)にファイルを転送していた。こういった形で作られたページを『静的サイト』と呼ぶ。それに対して、掲示板でみかけるような、ユーザがWebブラウザ上で必要事項を記入し『送信ボタン』を押したらページが更新される仕組み・・・いわゆるCGI(サーバ上でのプログラム)をつかっているサイトを『動的なサイト』という。そして、掲示板の仕組みをちょっと複雑にして、管理ページを用意し、許可された管理ユーザがIDとパスワードを入力し、新規ページ作成のページでタイトルや内容を書くとページが追加されるシステムをコンテンツマネージメントシステム(CMS)という。このCMS、というのは様々な種類のシステムが作られている。それぞれ個性があり、CMS毎に得意とされる機能や、必要な環境(言語やデータベースのバージョンなど)が異なる。

ブログは、そういったCMSの一つの形なのである。

沢山あるCMSの中で、僕がお客様にブログを勧める理由の一つは、簡単だから、である。サイトは生き物だ、とよく言われる。更新頻度が低いと閲覧者も激減する。常に更新を求められるし、その情報を吟味する苦労は簡単なものじゃない。この業界にいて、いろんな個人・法人のサイトを作ってきたが、どれに対してもいえるのが、『更新されないページは閲覧者が伸びず淘汰されていく』ということだ。
だから頻繁に更新すべきだし、その更新の手順はなるべくシンプルな方がいい。それでブログ形式を提案するわけだ。

ところが、お客さんの頭の中には、ブログは日記ページ、という認識と、画面が2分割(ないし3分割)になってて、サイドにカレンダーがあって、記事にコメントつけられて・・・というイメージが根強くあるので
「やっぱり、Webサイトはちゃんとトップページがあって、それぞれのコンテンツ毎に見せ方も変わってくると思うのでブログだとちょっと・・・」

というお客さんが多い。その言葉の裏側には、多くの個人ブログ(日記サイト)のデザインが強く印象ついていることが非常によくわかる。正直、その印象をどう拭えばいいのか、こちらも悩む。こちらもプロなので、パッと見てブログと気づかないサイトを作ろうとするし、実際、デザイン案を見せると
「これって、ブログなんですか?」

という言葉が返ってきて

「えぇ、ブログ形式なだけで、『ブログはこのデザインじゃなきゃダメ!』という決まりはないですからね」

と、苦笑いしながら答えたりする。法人の方に説明する場合は、『ビジネスブログ』という言葉を使ったりするのだが・・・、下記のようなブログは、一見ブログサイトに見えないだろう。

MovavleType 2007コンテスト

上記サイトは、ブログシステムの一つであるMovableType(MT)を使ったサイトのコンテストのページなのだが、いろんなサイトがブログのシステムで作られていることがわかる。どうして、こんなに面倒な説明が必要になったかといえば、B社やR社、Y社などの一般向けブログサービスが、先に書いたような『ブログ=日記サイト』というイメージを固めてしまったからともいえる。

ブログの普及によって、インターネットでのページ作成が便利になったという『功』はとても大きい。しかし、現場では、『ブログ=日記』以外のイメージをどのように伝えたらいいものか、と悩まされている現状があるのである。

情報発信者の敷居が低くなったが・・・

蛇足かもしれないが、もう1点。

ブログはその性質からページ更新の告知が簡単である(トラックバック機能、PING、RSS配信などの機能を有するため)。そのため、多くの業者サイトでもブログによるページ作成が行われている。悪質なネットビジネスもその例に漏れず、そのためテーマに関係のない記事であってもユーザが興味のある言葉を書くことでアクセス数をあげようとするケースが少なくない。

先日、とある映画に関する記事を探していたのだが、自称映画評論家のサイトでタイトルとgoo映画からの引用だけのサイトが検索の上位にあがってきていた。そのサイトは、自身の紹介する本やDVDを売って収益を上げることだけを目的にしたサイトのようだった。
また、ブログは簡単に更新できるため、「あの映画が見たいな〜」という1行だけの日記サイトにひっかかったりもする。

情報を配信する側は、ほとんど規制を受けない。国内法に抵触することは運営側から削除対象になったりするが、その程度である。サイトの乱立は『不毛な情報の中から必要な情報を分別する』という手間を閲覧ユーザに与えてしまう事に繋がってしまう。
情報発信する側は、自分の更新する情報が、多くのユーザの目にとまる可能性があることを念頭にいれてサイト運営を行ってほしいものだと切に願う。

とはいえ、自分の発信している情報は、ユーザにとって益のあるものであるかイマイチ自信は無いが・・・それでも、その事を常に考えるように気をつけていたいと思っている。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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