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    インド経済次の十年と新興国の情報化投資の行方

    2008-06-24 13:08:32

    プロフィール

    渡辺聡

    インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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    たまにはさくさくっと書いてみるの巻(テーマが重層なのでならないかもしれないが)。

    ポイントを書くとこんな感じとなる。
    1)一部新興国で情報化投資が伸びている。例えばERP導入のような。
    2)競争のポイントが単純なコスト競争からシフトしている可能性がある。
    3)となると、この先伸びる企業と国はどこになるのか。(ここはやや投資家視点)
    では、順番に。
     
     
    新興国の情報化投資需要
     
    KPI、指数としてどれを取ってくるのが良いのかは少々迷うが、概ねの流れとして離陸の早かった新興国では大手を中心に情報化投資が進んできている。ちょうど、SAPの中堅市場向けの試みをまとめた記事があったが、この辺の感じが意外と近くなるのだろうか。
     
    背景として考えられるのが、まずは当然お金持ちになってきて、投資余力が出てきたこと。また、一部は為替が強くなってきたから外貨建てでの購買力が高まってきているというのもあるだろう。特に、このところドルは弱いので、強い先進国通貨を軸に考えてドルベース決済をすると、数年前に比べると格段に良い条件で取引出来るようになっている。
     
    支払い費用として妥当なら、市場競争を有利にしようと試みるのは個々の経営行動としてごくごく自然となる。そして、適切な情報化投資が貢献できることは経験的に示されている。
     
    というところから、大手ベンダーの方なんかと、ソフトウェア、情報サービス需要が新興国でどう伸びるか、どのような企業が恩恵を受けるものかという議論をちらちらしている。後段でも少し触れるが、シンプルにグローバル企業がやはりアプローチとして分かりやすい。
     
     
    情報化により起きる競争構図の変化
     
    流通生産周りは特に、投資が進むとなると、グローバルな商流の中に組み込まれていくようになっていく。国内経済の成長により為替と人件費が高くなってくると単純なコスト競争はしづらくなる。中国が直面しつつある問題であり、インドが如何に超えるべきか思案しているポイントとなる。
     
    例えば、小売の有名どころで、ウォルマートのリテイルリンクという調達ネットワークがある。ざっくり雑に言うと、ウォルマートと取引するにはこのシステムに対応するのが条件となる。つまり、システム投資が出来ないサプライヤーはウォルマートの商流に乗れない。同様に、自動車でも、世界規模で調達生産ネットワークを組んでいるのが一般的であり、必ずしもシステム連動は必須ではないものの、あるレベル以上にいくには必然求められるようになっている。
     
    成長カーブの角度が強い時は、需要が強いので多少の在庫ムラも少し待てば掃けてしまう。ざっくり経営でもそう心配しなくて良い。典型的なのが日本の高度成長期となる。しかし、成長がゆっくりになり、且つ経済動向も循環的サイクリックになってくると、余計な在庫はそのまま死活問題となる。サプライチェーン全体を丁寧に管理しないとカツカツの経営になってしまう。
     
    BRICsを中心とした新興国はまだそこまで追い詰められた状況には無いが、この勢いでキャッチアップが進むと、いずれ日本や韓国が、その前は米国や欧州が向き合った問題にぶつかることになる。スムーズ且つ無駄の無い力任せではない経営、これを支える業務システムと組織。オペレーショナルエクセレンスの世界が近づいてくることになり、実現できない企業(と国)はある時点で成長出来なくなる。
     
    某ベンダーの友人は、「久しぶりにベタはSCMが最近個人的にホット」と口にしていた。
     
     
    振り分けされる(かもしれない)新興国
     
    となると、先進国追随型の成長シナリオを描いてる国(と企業)の場合、いずれは同じような土俵で真っ向勝負をしなきゃならなくなるということになる。そして、需要サイドを考えると、今の勢いで全員が残るだけの椅子の数がどうも無さそうである。
     
    つまり、なんらかの形でセレクションされていくと考えるのが自然となる。
     
    長期的に為替レートがフラットに近づいていく、双方の購買力が近づいていくものと緩やかに仮定すると、任意の2国、あるいは任意の2企業の差を分けるのは、付加価値とマージンの源泉をどれくらい保持維持できるかというところに行き着く。
     
    マージンの源泉はでもどこにあっても良いが、一般的な類型に乗ると、ブランド、技術、業務効率といったところに落ち着く。要は総合力、という身も蓋も無い一言に集約されてしまうのだが、ひとつの参考指標として情報化投資の進み具合はどれくらい使えるのかという冒頭の問いに戻ることになる。
     
    そこで、モデルとして少し考えてみたいのが、インドはこれからどこに行くという問いになる。まさにちょうどこんな本をAmazonから薦められたばかりでもある。
     
     
    これからのインドと新興国
     
    インドはソフトウェア、情報化関連とR&Dの強さで知られている。つまり、(経済全体では別のセクターももちろんあるが)良く知られたとおり一面として技術力の国である。
     
    オフショアのアウトソーシングについても、単純な価格差別性が少なくなっていることから、タタグループの動きなどを見ていても、R&D領域を中心に付加価値の高いハイエンド領域に随分と手を出し、着々と成果を出している。動きとして単純なアウトソーシングではなく、提案と課題解決能力を前面に出しているあたりが面白い。
     
    おそらく、インドのスタイルが唯一とは言わないが、世界経済の中である程度以上のポジションを得ようと思ったら、このような感覚の動きを取って行かないとならないのだろう。
     
    上記の仮説を概ね正しいと見るのなら、新興国投資、これは実業での投資や進出でも純粋な金融投資においても、上記のような競争条件の変化から各国の成長シナリオがどう分かれてくるのかを見直して考えないとならないことになる。
     
    となると、何をどう調べて判断していくのが良いのか。過去数年の見方と変わってくる可能性があるので、新興国投資をしている方々とも議論し始めているところとなる。

    こちらで投資サイドの話を若干追記。

     

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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