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M&Aとネットデューデリジェンス

2007/12/01 13:00
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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そう度々、毎日毎日や毎週毎週という訳ではないが、M&Aに若干絡んだ相談が時々私たちのところに持ち込まれることがある。

とはいえ、いわゆるM&Aの投資銀行業務をやってるかと問われると少し違う。M&Aにおける投資銀行の役割は、煎じ詰めれば事業価値算定、「このビジネスは幾ら?」というところに集約されるが、私たちの請け負っているのは幾ら?というところではなく、ビジネスモデルや体制設計として、取引前に整備しないとディールにならない条件設計や戦略の再設計といったところになる。つまり、大型のM&A案件でコンサルティングファームが同時に入る際の役割に似ている。

また、投資案件でのデューデリジェンスのお手伝いをすることも時折ある。

過去案件の傾向を感覚でサマリすると、

 

  • デューデリ案件については、リスクファクターや業界事情とのフィット/アンフィットを追加的に見つけることが多いため、評価は辛めに触れやすい(見送り判断や条件付判断を伝えることの方が多い気がする)。
  • 戦略設計に入る場合、ファイナンスサイドからの資産算定や現状評価では見つけられないビジネスバリュー、いわゆるディープバリューに踏み込んでの検討になることが多いため、若干のアップサイドリスクを見つけられることがある。あるいは、そのままではディールにならないところを、第三者を加えてビジネスプロセスの再設計を一度経由することで、案件として動き始めるということもある。

という役割分担が多い。厳密にはやはり、いわゆるところの投資銀行業務ではない。

なんでまたそういう話を頂いてるのかと問われると、傾向としては2つの事情がかみ合っていることと想定している。

  1. ビジネスプロセス、ビジネスモデルにテクノロジー(コンピューター及びインターネット)の絡む場面が増えているため、ビジネス設計、戦略設計そのものアプローチが変わっている場面がある。技術や事業環境の動向を踏まえて、クライアントの経営陣や事業責任者と議論を重ねながら事業モデルに組み込んでいく算段をつけていっている。特にネット系の事業では顕著となるが、技術の取り扱いがそのままビジネスリスクになりうる場合は、技術で出来ること出来ないことを慎重に切り分けないと、そもそも商売として成り立たないという場合もある。
  2. 独立第三者であり、中立の立場から動ける。もちろん、関わりを持って動いている会社さんもちらほらあるので、その時々ではポジションを持っているが基本としては中立で動いていることの方が日常であり、当人たちも中立性の維持には気を払っているつもりでいる。案件の取りまとめを行う場合、いずれかの企業のエージェントの立場で動く場合でも、半歩離れたところから純粋に事業設計に関わることがし易いために、利益調整のハブとして機能しやすい。(ただし、もちろん関係者の個別事情の方が勝ってしまった場合は動きにも限界は出てしまう)

案件によっては純金融のプレイヤーでないことも若干影響している様子である。

通常のM&A案件の状況を眺めていても、最近は財務法務、ビジネスのデューデリに加えて、ITや環境といった要素でのデューデリがキーポイントとして意識される傾向が出ている。不慣れな業界でない限り、ITデューデリについても、2桁億くらいの企業であれば、チーム組んで概ね対応出来る状況にはある。

テクノロジー基盤については、BSで固定資産としてプラス評価がされて価値算定されてる表面とは異なり、実態としてはマージ出来ないのが本質だったりすることが珍しくなく、実際には引き受け手の視点ではプラスどころかマイナスの資産としてみた方が妥当な場合もある。事業価値のぶれが出るのならまだともかく、買ったはいいがビジネスとして機能しないという展開になれば、いくら安かろうがたいした意味はない。

今後、業態によってはネット系の資産がブランド価値の一部として考慮されるというのが出て来るだろう。その場合、継続性やネットブランド(?)を支えている実態資産が何かというところに踏み込むようなところになれば、またひとつ既存の評価方法では捉えられない価値評価の領域が出て来ることになる。

そのあたりもニーズが出てくれば、あるいは相談を頂ければ追い追い対応を進めて行きたい。及び、このテーマについても時折状況整理も含めてまとめていきたい。

最近の仕事シリーズ:

M&Aとネットデューデリジェンス

3次元CG技術とビジネス利用は今

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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