前回、3D系技術のところに触れたことに対し、とある方から「なぜ急にあのテーマを?」との問いかけがあった。ご本人にも直接回答を差し上げたが、個人的には急に気になったから取り上げたというのではない。元々サプライチェーン周りの仕事に関わっており、そこからメディアインターネット周辺にも関わるようになったことから、うっすらと視野には入れての状態は個々何年も続いていた。特に取り上げていなかった、というのが理由となる。
とはいえ、それはそれで取り上げるトリガーがあったのでは、というところになる。
3D系の話の場合、大括りでは放送を含めたネットワークサービスがデジタル化していること、業務環境の情報化が進み、特にフロントエンド側でのビジネス状況が変わってきていることに尽きる。「サプライチェーン関連のデータで、製品設計系のデータもそろそろ基幹とフロントが繋がるかも」というのが単なる仮説から実質検証のしやすい状況になっている。
例えば、比較すると、ATMというのはお金周りの勘定系のトランザクション機能の一部をユーザーに開放していることになる。元は、銀行内の業務システムであり、行員のみの使う端末だった。それがいまや綺麗にラップされ、セキュリティの問題など諸所課題はありつつも、携帯でも使えるまでに至っている。
他、航空券やJRの切符で進んでいるチケットサービス、電子マネーでもう一段変わる気配の出ている認証形(チケットもここに含まれていく流れは出てきている)などなど、元はメインフレームで動き奥の院で鎮座していたのような業務処理のサービスがそのまんまユーザー側のフロントまで出されているというのは枚挙に暇がない。
通信系サービスの利用メニュー変更や各種問い合わせなども、オンラインの会員サイトで随分なところまでが可能になっている。オンライン証券にしても、書類証明の必要ないところについては、電子配布(PDFが多い)や電子認証でかなり済ませられるようになってきた。
・上流で作られたデータの使いまわし
・サービスインターフェースを綺麗にすることで、顧客に提示してのセルフサービス化
を大きな傾向として捉え、流通条件が揃い、ビジネスメリットがあるところから適時実現されるという経営の原則を踏まえると、製品開発製造の上流で生まれたデータを販売からサポート周りでどう使いまわして業務効率を上げられるか、あるいはサービス品質を高められるかというのは小さな波として今後検討がされると考えるのが自然となる。
(ただし、大きな波になる保障は必ずしも無いというのは前回触れた通りとなる)
2000年の前後3年くらいで、企業のシステムインフラとしてERP適用の大きな流れがあった。会計から生産販売まで、入るところには一式大手のパッケージが導入されている。この後のコンフィギュレーターや分析ツール系の需要がどれくらいのタイムスパンのずれを持って世の中に出てきたかというのを踏まえると、そろそろ環境が整い始めていると読んで良い。ネットワーク環境の整備もこの傾向を後押ししている。
また、”デジタルコンテンツの流通がまた新しいパターンで起き始めるかも”という環境変化と受け止めると、これはこれでコンテンツ流通の課題にぶつかる。そして、現行あちこちで語られている著作権云々の議論が、今回気にしているテーマとどこでどうぶつかるのかについては、まとまって議論されているのは見たことが無い。
理由は、両方ともフレームがかっちり決まっているように見られ、別々の事象として捉えられているからだろう。しかし、実際の処理プロセスで考えると、すぐ隣のデータベースのテーブルにあったり、ラックの一個上のマシンにコンテンツがいたりしてもおかしくない。流れによっては一緒くらになる近しい事象と見ても良い。単純に、今のセクターの切り方や組織の切り方だと拾いにくいというだけになる。
以上が、(敢えて書くなら)取り上げた理由となる。また、こういった、特に書いてはいないが気にはして時々見ているという類のテーマは他にも幾つあり、常時複数のテーマを意識して業界各所を回ったりしている。
次回か次々回にでも書ければと思っているが、コーポレートファンド、新規事業ファイナンスという領域についても随分前から折を見ては追っていた領域のひとつとなる。資本市場やファイナンス周りが動き始めた昨今、そろそろ触れておいて良い。
若干の補助線と端休めをたまには。しばらく、この手の産業テーマ設定を不定期に挟んでいく予定でいる。
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