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企業の縦串(2):内部統制と大規模ERP導入

2007/03/23 02:07
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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とある内部統制プロジェクトの状況を専門家の方と意見交換をしていて、どうも話している内容が何かに似ているという感じがしたためあれこれと探っていると、大規模システム開発、特にERPシステムの導入プロジェクトと構図が似ているという話に行き着いた。
 
経営課題として位置づけを考えるとコーポレートガバナンスと近いところがあるので、どうもいっしょくたに考えてしまうことがあるが、両者はむしろ遠いものと考えた方が組織導入をするには話が早いのかもしれない。
 
大和総研のレポートでその名もずばりそのままの「コーポレートガバナンスと内部統制」(PDF)という資料がある。冒頭で二つのキーワードはこのように関係定義されている。

コーポレートガバナンスと内部統制はいずれも、企業が経営目標に向かって、業務を遂行していくうえでなくてはならない体制、仕組みである。コーポレートガバナンスは株式会社の実質的な所有者である株主に代わって、取締役会が経営者の業務執行を監督することである。経営者が株主利益の最大化を目指し、経営目標に向けて責任を果たすよう監督するための仕組みといえる。他方、内部統制は、経営者が責任を持って行う業務が経営目標に向けて効率的に且つ適法に遂行されるように、社内のマネジメントシステムに組み込まれ、経営者により運用される体制及びプロセスで、その目的は業務の効率化と、事故や不祥事を未然に防ぐリスク管理である。

やや乱暴だが簡単にまとめてしまうと、両方とも、対外アカウンタビリティも含めて業務の健全さを維持する制度であり、経営陣を対象とするとコーポレートガバナンス、現場を対象にすると内部統制という表現になる。
 
制度目的が一緒であれば、同じスタッフ、同じ外部支援業者という組み合わせでプロジェクトを組みたくなるのが心情というものだろう。しかし、冒頭に書いたようにプロジェクトのパターンが違うのなら、面子や動かし方、プロジェクト設計の方法も変わってくると考えた方が自然となる。
 
上場企業を中心にコンプライアンス重視と内部統制システムの整備は会社法改正もあり逃げられないところとなっている。

日本においても2006年5月から施行となった会社法では取締役/取締役会に内部統制システム構築の義務を課している。2005年8月には経済産業省が、「コーポレートガバナンス及びリスク管理・内部統制に関する開示・評価の枠組みについての指針」を公表。企業が自主的に内部統制システムの構築に取り組むための指針で、リクス管理の概念を盛り込んでいる。(資料リンク

構築運用状況の開示は有価証券報告書とセットになっており、記載内容については代表者の宣誓がセットとなっている。つまり、出来てませんでした、やれませんでした、実はその実態はという話は、場合によっては有価証券報告書の虚偽記載や上場廃止に繋がっていくことになる。
 
待ったなしの状況にあるということは、現場で話を聞いていても良く分かる。大手を中心に、何も着手してませんという会社はごく稀という状況になってきていることだろう。
 
しかし、「どうにも大変です」、「なんだか上手く行ってません」という声を頻繁に耳にする。どこで躓いているのか小骨が引っかかり続けていたのだが、導入プロジェクトの設計方針を再考してみるというのがひとつアプローチ方法なのかもしれない。
  
幸いなことに日本でのERP導入のパターンと傾向、こうすれば上手くいきやすい(あるいは失敗する)というケーススタディはある程度溜まってきている。応用出来ればラッキーというくらいでもう少しあたってみようかというところである。
 
もうひとつ。少し大きな視座で。内部統制の典型的な導入パターン(とされるもの)が実際には上手く嵌らないという原因を探るには、メインバンク制も絡めて、「システムとしての日本企業」を振り返ることになるのではないか。合わせてついでに、グループ経営の日本型モデル。
 
時々目の前に現れる、ニッポンの会社とは?というテーマにやっぱりぶつかるものなのかもしれない。
 
各種ヒアリングのサマライズ結果はメソッド化についてはいずれ実務現場で、ということでこのあたりで筆を。
 

 
書いているうちに前回のエントリとテーマは同じようなものというのを思い出したので、タイトルを「企業の縦串」と共通化。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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