最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

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企業の縦串

公開日時:
2007/02/16 19:34
著者:
渡辺聡

隣でBlogを書き始めたクロサカさんのところに案件の問い合わせがあったそうである(どうもBlog経由の様子)。開始して3エントリでの反応ということで紹介した当人といえ予想以上の速度感で驚いている。メディアが変わったというのはもしかしたらこういうところに顕れているのかもしれない。
 
最近、7割がたの案件で一緒に動いており相当量の意見交換を繰り返しているが、コンセンサスとして日々認識を強化しているのが情報通信からメディアコンテンツ産業まで幅広くでなにがしかの構造変化の時期に入っているということ。どのセクター、サブセクターを見ても政策から技術、産業動向から資本市場との絡みまで、いずれかあるいは複数で動きが出ている。ややこしくも、見方によっては面白い状況になってきている。
 
これともうひとつ、会計管理の周りでは狭義にはSOX法関連、広げると内部統制周りの対応が企業の存続基本条件として整備されつつある。会計報告と監査を通すことは当然上場か否かというところに繋がっていくため資本市場へのアクセスが必要な企業(大手から中堅ほとんど該当する)は、必須で対応をしなければならなくなる。

このあたり、イチから、あるいはゼロから事業設計に関わる機会が多くなっていることもあり、起きていることを根っこから考え直している。
 
 
環境変化とストラテジー
 
制度か技術、いずれに端を発するにしても、企業からは競争環境が非連続で変わるということになる。つまり、明日はともかくとして、数年後には違うルールで業界が動いていくことになる。
 
当たり前の話であるが、こうなると、今年の延長線上で来年を捉えて考えているとそのうち立ち行かなくなる。断層がどこにどの程度眠っているのか、且つ本当に顕在化するのかを読みながらリアルオプション的に選択肢を組んでいくというのが動き方の基本になっていくことになる。
 
では、何が起こるのかある程度認識出来たら大丈夫かというともちろん足りない。仮に、競争の要素を1)環境認識、2)KPIの発見と自社実装、3)運用とオペレーション、と三つに分解して整理すると、2つまでは揃っているが3つ綺麗には揃ってないという企業はあちこちで見かける。つまり、勝率が落ちていることになる。
 
1)〜3)は整合性を持って動かさないと要素だけあっても、成果に結びつかない。実際に現場で動いている方であれば実感されているかと思うが、1)と2)を揃えられても3が少し手薄になる、あるいは2)と3)はいいところまであっても1)が弱いためにサービスラインがいまひとつ響かないものになっているというパターンが多い。更に、既存事業がある場合は、事業転換や組織転換も加わってくるために難易度は更に上がることになる。
 
業界の縦横が動いているところに、この縦串を通すことが要求されている。
 
 
コーポレートガバナンスとコンプライアンス
 
もう一本の串。会社法の改正、SOX法の整備など複数の話題の入り口があるが、これも一本筋を通すのが必要となる。
 
テクノロジー業界に限らず、一般事業会社の各所に根を張っている方と状況整理をしていると、こちらも状況は似たようなものになる。コンプライアンス(あるいは内部統制)の話をテーマとして認識しているところはあっても、ビジネスオペレーションと繋がりがいまひとつ持ちきれてなくて、付加業務のようになっているところ、あるいは、ガバナンス設計とズレが出ているためにどうしても構造的に無理が出ているパターン。
 
コーポレートガバナンスひとつをとっても、一通りの議論の後に実際に企業で実務運用が始まってからそう年月が経っていないため、紆余曲折がどうしても起きている。また、コンプライアンス周辺については、先進とされる米国でも反動や揺れ戻しがあちこちで出ており安定するまではしばらくかかる見通しになっている。
 
よって、急には動きは揃えられないというのが現実的なところなのだろう。とはいえ、資本管理の層と実務オペレーションの動きが共通の基盤に乗ってないとあちこちでぎくしゃくしてしまい、これまら良い結果に繋がらない。
 
 
技術経営
 
古くて新しいところ、少し古い表現を借りるとビジネスとITというテーマ。日本版SOX法の重要要素として項目に混じってるからというのではなく、インターネットが広まったからとかいうだけでもないが、相変わらずこのテーマは淡々と根深い問題になっており、オペレーション設計とテクノロジーの利用をどう調和させるかは、行く先々で課題の山に出会う。
 
テクノロジーとオペレーションの統合後が高まってるのでCIO機能と思われていたものをCOOに一部割きなおした方が良いのではないか、いやいや、そもそもCEOの果たすべき役目から再検討ではないのか。ここ何年も議論が尽きないところであるが、やはり相変わらずである。
  
 
更に縦に
 
そして、更に上記で挙げた3項目を、ひとつの事業体である限りは、ある程度の整合性を持って事業設計に落とし込んで運用管理していかないとならない。
 
そしてまた、繰り返しになるが、ひとつの事業体のなかで意図の異なるオペレーションが複数走っているというのは健全ではない。調和させていく必要がある。
 
 
これらの認識が十全に正しいとするのなら、裏返して事業機会は多いという解釈も出来る。大変ではあるものの、やっぱり状況としては面白くなっているというので良いのだろう。
 

 
企業の縦串(2):内部統制と大規模ERP導入

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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