仕事上のアイデンティティの説明をする場面に日々出くわす。誰か新しい人に会ったとき、人前で何かをするとき、所属と職種が何かを説明するのが慣例になっている。
先日、UIEの中島さんを囲んで語らっていたときも自己申告でご本人よりBlogが仕事ですという話があった。当時はまだ、なぜBlogが仕事になるのかという理由とロジックを周囲も一緒に考えていた記憶がある。仕事になっていることはもう事実としてそこにあるのだが、それはなぜなのか。
などという説明は、古川さんを囲む会(ご本人のエントリ)では既に問われなくなっていた。会場には自分自身とBlogを拠点に動いている人が他にも何人かいたこともあったこともあってだろうか。
当日までの経緯は古川さんによるとこの通り。
先週の金曜日(10月13日)は、赤坂の曼荼羅屋にてブロガーの皆さんと「ちゃんこ鍋」パーティ...2ヶ月ほど前に、「Life Is Beautiful」の中島聡さんの紹介で何人かのブロガーとお会いする機会があったのだけれど...その時お会いした「いちる」さん、ブログ「小鳥ピヨピヨ」、ギズモード・ジャパンのゲスト編集長などで活動されているアルファブロガーですが、実はニフティの社員時代にココログの立ち上げをした人ね...背景はこちらに..
いちるさんが、中島聡さんとの食事会に古川享が乱入してきて、とても面白かったという話をアルファブロガーの中でしたら、「それはズルイ」..「次回、チャンスがあれば参加したい」という話になって...では、私が場所探しとスポンサーになって飲み会をしましょう....という話になったのでありました。集まった色濃いブロガーの方々は15名+私の友人、総勢20数名...
飲み会といえば飲み会であるが、単なる飲み会ではなく、もう少し何か新しく面白いものに繋がる予感のする集まり。同じような感覚の集いはこのところ多い。
古川さんが何者かを語る必要はおそらくこの場ではないかと思われるのでこの場では割愛(最近の動向も含めると例えばこちらをどうぞ)。リンク先にあるように、テクノロジーの現場と最先端に今でも勝手に首を突っ込み、世界中を駆け巡る元気で愛らしいおじさまという表現がしっくりくる。20年後30年後にこういう姿になっているときっと面白いのだろう。
アクティブな行動の根っこはどこなのだろうと考えながら過去の関連記事を読んでいると糸井さんとの対談でふとこのような発言が。
ライフスタイルを追及したり、
いつも新しいものを提案したい、というような
「自分自身の生き方を持っている人」に
Macは似合うと思うんです。
こうして日々書き続ける作業はどこかで生き方というところに繋がっているのだろうと度々考えている。どうやったらBlogを続けられますかというような質疑をネットのあちこちを見るが、本来的に無理に続けるものではないし、商売上のツールとして使っているときはともかくとして、個人として触れている時に不自然な形になってまで続けなきゃならないというものでもない。
マイクロソフトという舞台での役割を終え、個人古川享というものに立ち戻った今新しい水を得たのだろう。同時に、周囲に向けてのアウトプットツールが揃うタイミングにも合致した。
技術と変わり続ける世の中を楽しみ続ける人とその周囲に似た感性で集う人たち。Blogの括りでみて、長い人だといい加減2年から3年間こうして何かを綴っていることになる。
もうひとつ、長くなるが引用を。ほぼ日での糸井さんとの対談記事より。
僕らは(当時)90周年にあたるまで、
制服を着せられて、
教育者は僕たち全員を管理しようとした。
新しく、ルールでもなかったものがルールとして
押し付けられるのは、僕らはゴメンだと反発したんです。
そのころは、あらゆる中学や高校が
“制服を脱いで自由にしたい”
という運動をやっていたんです。
僕らは財政的に豊かではないけれど、
「制服を着るも着ないにしても僕らに任せてよ」
と言ってたんですね。
今は制服がなくなっちゃったんで、
標準服と呼んで制服を着ている生徒もいれば、
茶髪にTシャツで
耳に3つくらいピアスをしている生徒もいる。人間は弾力性が非常にあるから、
一定のルールの下で組織に帰属して
昔からの伝統、慣習にのっとった形で
そのルールにしたがって生きている人もいるけれども、
そのとなりでTシャツにジーパン、茶髪の人間も
一緒の箱に入れて同じ授業を受けても
クラブ活動をしても違和感ない、という状態を
90年の伝統がある中学のなかで
初めて作ったんですよね。ある人たちは
「全てのルールは自分たちが作る。
過去のルールは全て排除して制服は廃止した」
という形をとったけれど、
僕たちは違ったんです。
「こっちの方がかっこいいじゃない」
と思った論理は、
伝統を重んじる人間の場合は、それを着ることに
アイデンティティを求めている場合もあるから、
「その人間の夢を壊しちゃいかん」
ということなんですね。
それに毎日私服で来たら
財政的にきつい人間もいるかもしれないので、
そういう人は週末だけ私服で来ようとかね。
その家庭と本人の意思で自由に選択すれば
いいわけですからね。なぜ今、その話から始めたかというと、
ある意味で制服みたいなものは、
“大型コンピュータから来た権威”なんです。
それをそのまま受け入れるもいいけれど、
僕らはパソコンの世界という私服な世界が
あったわけなんですよね。
あのころいろいろやってた人たちって、
“全てを否定して、新しいものが善である”
というやり方で制服を廃止してしまった。
そういうムーブメントもあったんだけれども、僕らは
「すでに存在しているものもそれもまたひとつの
一員として残しておくことに価値があるんじゃない?」
というふうに考えてたんですよね。こんど逆に、大型コンピュータの時代に行ったときに、
パソコンの創成期というのは、
「パソコンが全て世の中を変える。
だからメインフレームは悪だ」
という発想を持った人たちもいて、そのたびに
非常に攻撃的に、たとえばUNIXのある人たちなんかは
「自分たちは善で、その他の人たちは全て邪悪なもの」
として主張してるんですからね。
僕らは、周りにいる全然別のロジックで作り上げた
別のものも美しいものだし、
自分は自分で別の美しいものを作るから、
全然噛みあうところがないんだけれど、
相互にその存在を認めるっていうのが自然だと思ったから、
UNIXもメインフレームも、パソコンも
相互に存在してその各々が存在することの価値と
その必然性とその比率が徐々に変わって、
マスが広がっていくことに価値を見いだそう
という姿勢で僕はパソコンに賭けてみたのですよ。
この記事はWindowsとPCというテーマで語られているが、インターネットを入れようと何しようと古川享という人物のあり方を説明するのにおそらく凄く良い。単なるカウンターカルチャーでも新しいものであればなんでも良いというのではなく、ある軸に沿ってのフェアネスと変化を恐れずに楽しく受け入れて行く姿勢。元気すぎるエントリは元々の自分に戻ったというだけなのでしょう。
◇
さて、最後に少し。ご本人の締めと、
ブロガーの15人は、互いにお知り合い同士...そこに私と、私の色濃い友人が20数人パーティとなりその会話はザワザワではなく、ゴウゴウッとジェット機の騒音のごとくでありました。 これからの時代を担っていく若い人たちと会話をするのは、とても楽しいことです。オジさんも昔話をするのではなく、これからもっと面白い時代が来る...来るのではなく一緒に創ろうぜ!!と言いながら、若者を煽るのはワクワクするのであります。オジさんは、崖っぷちでお昼寝をしながら、若い子たちが崖から落ちそうになった時だけ、そっと手を差し伸べてあげる...そう、ホールデン少年の生き様を私は満喫しているのでありました。
受けての平田さんの一言。
わたしは今年で35歳になりました。最近は30歳以下の社長が率いる会社が話題になり、上場するところもでてきていますが、その世代に比べるといい歳です。しかし、わたしが以前にお世話になっていたような普通の会社であれば、まだまだ若者の部類にいれられてしまう歳です。稼がずにお昼寝して生きていけるほどカネモチではありませんが、あせらずにそこそこの生活はできるようになりました。煽り、煽られる年代とでもいいましょうか。微妙なお年頃です。この際なので、微妙さを活かして、積極的に煽り煽られてみたいと思います。
コンピューターもネットもまだまだ現在進行中の進化の最中です。「もっと面白い時代が来る...来るんじゃなくて一緒に創ろうぜ」とオジサンを煽るのはワクワクするのであります。若者だけに楽しませないでい一緒に楽しまないと損ですよ、古川さん!
自分自身、上の世代になるのか下の世代になるのかなんとも分からなくなりつつあるが、その集まりに行っても最年少だったのが最近そうでも無くなって来ているが、そんなことはさておき、自分は関われるところから関わって行きましょうということで。
サムさんこと古川さん、またご一緒する機会がありましたら是非。
◇
CNETで書いていると、何か意味のあること書かなければならないという感覚に襲われてしまうのですが、たまにはあまり気にせず所謂Blogとして。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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