最終更新時刻:2008年7月24日(木) 12時52分

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Newsweek国際版「Japan Too, YouTube?」の補足

公開日時:
2006/08/30 16:42
著者:
渡辺聡

タイトルの通り、珍しく国際版のNewsweekに取材頂いた。YouTubeが日本市場でどのように受け入れられてるかというテーマ的にも面白い切り口なので、簡単に補足してみたい。
 
記事自体は諸氏のインタビューを取りまとめた形となっている。二箇所でコメントを引いて頂いているが片方を引用すると、

"It's just baffling," says Internet consultant Satoshi Watanabe. "There's this whole collection of Japanese television shows on the Web, convenient to watch but not supposed to be there."

というところで、違法か適法かという判断は一旦脇に置くと、テレビを中心にユーザーが「これは面白い」と判断した映像データがアップされており大きなトラフィックを生んでいるという話の箇所になる。
 
まさに、中島さんの言葉ではないが、放送後に面白いと聞かされた番組を見るのに正規のストレージサービスは無く、録画している人を探してどうこうというのも手間がかかりすぎるとなると、必然この手の動画共有サービスに向かうこととなる。
 
ネットでちょこっと探す程度以上の手間をかけてまで見たいものはそう多くは無いが、手間がかからないのなら見てみたいというものは多い。この微妙な隙間に実は大きな需要があったというのを示したのがYouTubeに学べることのひとつと言える。
  
諸々耳にしている話、個別の事例から判断してもリスクは幾つか残るとはいえ、サービスとしてYouTubeそのもの、あるいはYouTube的なものがこれから広く使われていくのはまず間違いないところと言える。収益化のモデルがまだはっきりとしていないところはあるが、おそらくはたいした問題ではない。これだけユーザーが利用しており、メディアとしてプレゼンスを示しているということ、テレビとはまた違った映像の届け方が出来るということで、上手く並存していくと受け取るのが自然となる。
 
YouTubeを中心とした動画サービスについては、回線コストなどが莫大にかかっているという指摘もあるがむしろポイントは、
 1)法的リスク
 2)収益モデルの確定
の二点に向けられる。しかし、これら両者ともに中長期で考えると大きな問題になるとは考えにくい。
 
ネットの出現当初、ナップスター、ここ数年のソーシャル系サービスの普及進化などネット業界も周辺の産業も学習を進めている。ファイル共有のときよりも騒ぎ方がスムーズで使い方を探る動きも早い。敵対排除ではなく、取り込みを前提に動いているのは明らかと言える。
 
正規の著作者がおり、DVDなどで有償販売しているものを勝手にアップされるのが一般には問題というのは考えるまでもない。しかし、著作者がOKと言えば問題は無い。また、おそらく暗黙にOKを出しているだろう事例もポツポツと見られることと、音楽業界がプロモーション用にMySpaceなどにコンテンツを出し始めているなど、すぐ隣でフォローの流れも出つつある。
 
収益モデルは、近日中に黒字化という話も出ているが、外から見て分かるコンセンサスというところまでは至っていない。こちらも、短期的に出てくるものと、ゆっくり時間をかけて育ってくるものの二つ分かれるだろう(当たり前すぎる話だが)。パリスヒルトンをキャラクターにして展開開始された広告サービスにしても、SNS内に専用コミュニティを開設するなどの類似モデルの進化と合わせて使い方の勘所や効果のほどが検証され、それらしい価格設定に落ち着いていくことだろう。
 
コンテンツビジネスにしても、その後の流通の場面についても、関係者の間では「こういう形に落ち着いていくのでは」という予想がコンセンサスっぽくなって出てきている。YouTubeも当面はこんなところではという議論が揃い始めている。もちろん、100%当たるとの断言は出来ないが、話が似通って来ているため、あとは実際にそうなるかの検証といったところにある。
 

  
メディアの知人から教えて貰ったのだが、IIJの記者セミナーでIIJの日米回線の1/6をYoutubeのデータが占めていると、ネットワークサービス本部の木村和人氏がおっしゃってたとこのことである。一昔前にP2Pのファイル共有でトラフィックが圧迫を受けているという話があり、間を置いてただ乗り論といったところに展開しているが、実際かなりのユーザーがサービス利用しているというのが、ネットレイティングスの視聴率データや、こうした回線利用のデータからもフォローされている。
 
情報通信系の次世代戦略立案などの案件で良く出てくる話だが、サービスニーズや新しいモデルの種の多くはユーザー側から提示されるようになってきている。業界側がなんと言おうと、ユーザーの方が先に未来像を描いてしまっているパターンはこのところ多い。回線の利用シェアが高いということも、ユーザーの反応を如実に表している。
 
あとは、企業側が起きていることをどう理解して受け止めるかだろう。企業とユーザー、どっちが偉いとかではなく、どっちが欠けても新しいものは生み出せないので。
 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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