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移動情報端末としての自動車:カーナビゲーションサービスの向かうところ

2006/08/20 22:07
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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トヨタ、ホンダと続けて見てきたので、「移動情報端末としての自動車」の続きを書いてみたい。
 
国内大手三社を回っての印象は
 
・ナビの開発は以前より(例えば10年前)と比べると格段に複雑になっている
・反面、多様な事業機会がありうることでもある
・事業者間の役割定義、インターフェース設計がひとつ肝
・キャリアと携帯メーカーの関係と比較すると面白い
・ファミリーカーでは車の家電化、リビング化は止まるところがない
 
といったところになる。
 
通信インフラがこの先10年ほどで変わるだろうこと、直接の影響は無いが放送事業者も5年から10年かけて大きく動くこと、当面はインターネットを中心とした情報サービスビジネスが伸びるだろうことを考えると、カーナビ企画開発は苦労は耐えない反面、非常にチャレンジングで面白い領域であり続けるだろう。
 
 
車とナビとのインターフェース
 
初期のナビは車との接点は、1)電源供給、2)設置の場所、の二つが最小だった。ラジカセを持ち込んで足元に置いてるのとさして変わらなかったかもしれない。

しかし、最近のナビを見ると、上記二つに加えて3)オーディオシステム(音響系)との統合、4)カメラとの統合(主にリアと左サイドコーナー)、5)ハンズフリー(携帯電話)、6)ETCサービスとの連動、7)オペレーターサービスと言ったあたりが中核機種では標準化している。その他、アンテナ系統の統一、iPod連動などで見られる操作パネルのナビゲーションへの集中化など表から見えるところでも増えている。また、後ほどもう少し触れるが操作パネルのインターフェース標準化を進めるなど携帯のメニュー画面がある程度メーカーが違ってもキャリア内では統一されているように、ソフトウェア面でも調整がされている。

自動車メーカーがナビメーカーに「この規格に合わせて作ってください」、あるいは、ナビメーカーから「こういうものを取り入れられるようにして欲しい」という要望が相互にあり、標準インターフェースが定められていってるだろうことが容易に予想がつく。同時に、検討範囲もここ10年で確実に増えて行っているだろう。違うメーカー同士が協力して統合度の高いものを作っていく作業は難しい。
 
 
ナビメーカーとの協力体制
 
今の状況は、ナビのサービス開発の中核はナビメーカーではなく、自動車会社の側にあると言ってしまって全く差し支えないだろう。前回取り上げた日産のカーウイングスホンダのインターナビトヨタのG-BOOKなどの各種情報サービス、ドライバー支援サービスはいずれも自動車メーカーが核となりと通信会社、情報サービス企業をとりまとめている。Google Earthとの連携でネット界隈でも話題を呼んだインターナビ・ラボの試みも同様になる。
 
単体ハードに蓄積したデータではなく、ほぼリアルタイムで天候情報や渋滞情報(一部予測値含む)をセンター側とやりとりしつつ運転サポートを行うのが、標準的なサービスレベルとなっている。ナビの標準オプションとなりつつあるETCも加えて、テレマティクスの世界は確実に実現普及しつつある。
 
とはいっても、ハードウェアから内部ソフトまで全てを自動車会社が開発提供している訳ではない。単体デバイスとして見ると、アルパインクラリオンなど車載機器専業メーカーの作るものも十分面白く、決して劣っているとは言いがたい。
 
自動車メーカーとカーナビメーカーの開発上の接点は多岐に渡る。初期のナビは車との接点は、1)電源供給、2)設置の場所、の二つが最小だった。ラジカセを持ち込んで足元に置いてるのとさして変わらなかったかもしれない。
 
しかし、最近は上記二つに加えて、3)オーディオシステム(音響系)との統合、4)カメラとの統合(主にリアと左サイドコーナー)、5)ハンズフリー(携帯電話)、6)ETCサービスとの連動、7)オペレーターサービスと言ったあたりが中核機種では標準化している。その他、アンテナ系統の統一、iPod連動などで見られる操作パネルのナビゲーションへの集中化など表から見えるところでも増えている。また、トヨタで少し進められているインターフェース標準化などを含めると、携帯キャリアと携帯メーカー並みに外装から内部ソフトまでインターフェース仕様の取り決めがまとまって行われていることになる。
 
いずれも、自動車本体や情報サービスとの統合度を高めた純正のナビを中心に、標準規格を各ナビメーカーに開放して作られた20前後の機種が標準品とされている。正規のカタログに載っているのもこのあたりとなる(おそらく、まとまって売れているのもこうして標準オプションとして掲載されている機種だろう)。
 
 
サービス開発の余地
 
情報サービス、オペレーターサービスの分野を考えると、これから面白くなるのは、モバイルサービス、ネットサービスとの統合と言える。既に、レストラン情報はぐるなびがさりげなく良いポジションを得ていたりと、ネットの側から考えても新規事業開発の余地がある。別々の市場ではなく、チャネルが多少異なるが地続きの市場と考えると、サービスの最適化の余地はまだまだ考えられる。
 
例えば今、新しいポジション争い、もしくは最適化が分かりやすい形で進められているのは音楽視聴になる。
 
音楽をハードに貯めるという選択は、カーナビの世界とデジタルオーディオの世界で似たようなタイミングで発生してきた。しかし、数百曲を超えたあたりから曲目リストを2箇所で管理するのは面倒になる。車とリビング(もしくはPC)が高速ネットワーク回線で結ばれない限り、ついでにDRMが綺麗に整備されない限り、ネットワーク的に両者を繋げてライブラリ管理する世界は来ない。となると、残る簡易で分かりやすい解決法はハードウェアストレージを小さくまとめて持ち歩き、それぞれに繋げて利用することになる。
 
どっちが主になるかというと、車は携帯に近い情報端末となることと、リビングのAV機器とPCが作り出す環境の方がやはりコンテンツ消費の軸であると考えると車側がマスターになることは無いだろう。何より、ナビは買い替えのごとに新しく変えてしまう。中の音楽データを吸い出して次買ったものに移行させるプロセスは考えにくい。ネットワーク化が進んだにしてもネットワークサーバーでの統合管理が基本になると考えられるため、やはり車は従だろう。ナビのオプションとして期待されていたサービス分野がデジタルミュージックプレイヤーの市場が出てくることで代替されていくことになる。
 
同様に、車の情報化が進むのなら、サービスの統一化が進むことも考えられる。ホンダトヨタとYahoo!が何かの市場を争う、ついでにDocomoも参戦するという構図はあってもおかしくない。
 
気になるのは、緩やかに市場統合が進むと仮定するなら、カーナビの開発者はどのような仕事の進め方をするのか、事業開発のプロセスを進めるのかというところである。例えば、Web2.0とは何か、どのようなサービス群が出て来ているのか自ら調べるのだろうか。上手くまとまってユーザーも満足の出来るアウトプットの出せる仕事の進め方はどういったものになるのだろうか。考えると面白いテーマである。

移動情報端末としての自動車
移動情報端末としての自動車:カーナビゲーションサービスの向かうところ

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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