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移動情報端末としての自動車

2006/08/06 15:42
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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カーナビを中核として、車が数ある情報機器の中でも独自のポジションと存在感を示しているということは今更改めて言うことはないだろう。PCや携帯、家電で描かれるのとはまた少し違った世界がそこにはある。日産に車を見に行くのと合わせていろいろと聞かせて頂いたので、普段あまり触れないが情報機器としての車という話をたまには取り上げてみたい。
 
 
情報機能への支払い金額
 
メーカー純正か外付けのサードパーティ製品かに関わらず、カーナビをオプションで選択すると、ざっくり30万ほどかかる。ランクやオプションの選択によって上下5万から10万するが、概ね20万の後半以降というのがカーナビのオプション価格となる。

比較して、税や保険などを除いてハードウェアとしての車両価格は軽からセダン、ファミリーワゴンなどのボリュームゾーンの価格を見ると100万から250万程度となるため、支出のうち1〜2割は見て分かる情報デバイスに支払いをすることとなる(もちろん、実際には電装系から車自体も情報化されているので、実質としてはもう少し増えることになる)。つまり、車とバンドルされて提供するため、価格判断が単体で買うときと同じではないだろうが、それくらいの支払いをしても納得が行くものだというのが消費者側からも受け入れられていることとなる。

また、トヨタのG-BOOK、ホンダのインターナビ、日産のカーウイングスなど、自動車メーカーが着実にサービス開発を進めているのもナビを含めた情報サービス周辺である。
 
 
カーナビの事業開発オプション
 
最近のナビの作りを見ていてるとつくづく思うのがインターフェースが車両と一体化していること。インテリアデザインとして、ナビの操作機能が周辺のボードやハンドルに組み込まれているのは珍しくない。例えば今日見てきた日産のCARWINGSの場合、ウイングロードだとハンドル部分でオーディオのソース選択や音量、携帯のハンズフリーへのモード切替などが行え、ナビの画面下に操作用のパネルが配置されている。この作りは自動車メーカーでしか出来ない。また、オペレーターサービスを組み合わせやすいのもメーカーである。つまり、単体のナビメーカーと自動車会社ではナビ周辺のサービス開発で持っているオプションが全く異なる。選択肢があるという表現をとれば良いことだが、あちらを立てればこちらが立たずというトレードオフが起きている機能要件も多いので悩ましいところである。

モジュール化の対極にある、プロダクト統合の典型的事例として自動車は良く挙げられる。もちろん、適時の機能分担はされているが、モジュール間の擦り合わせが大事なため、単純に一個アーキテクチャーを決めて全員が乗ればよいという単純なものではないという意味である。

カーナビも当初はラジオ+カセットテープからCD搭載と続いてきたオーディオ機能の脇でひっそりと佇んでいるくらいだったが、この10年ほどで気がつけば標準サービスとして普通に提供されるものにまでなってきている。また、センターパネルのところにカートリッジをがちゃんと入れておしまいといった作りではなく、周辺機器、インターフェースと統合され、乗り手にとっての最適な運転環境、助手席と後ろの人には搭乗環境を提供するためのコアパーツとして試行錯誤が繰り返される対象となっている。つまり、擦り合わせの部分の検討がこれからも続けられることになるため、両方を触れるメーカーの方が打ち手としてはたくさん持てるので何か出てくる可能性は高い。

切れ目が明確になるまでは、デンソーのようなサードパーティの強いポジションは作りにくい傾向になるのではないか。
 
 
情報サービスの提供チャネルとしてのカーナビ
 
普及率が高まっていることと、運転中はユーザーのデバイス利用の制限が自宅や職場とはまた異なることから、メディアチャネルとしてカーナビはテレビやラジオ、PCインターネットなどとは違う市場を形成している。再びカーウイングスを事例にすると、交通情報は当然として、宿泊情報を楽天トラベルが、レストラン情報をぐるなびが提供して、上にオペレーターサービスを組み合わせる形でドライバー支援サービスとしてまとめられている。

販売店の方に利用動向を伺うと、実際にオペレーターサービスに慣れると、運転中の設定や調べる手間の分を支援して貰えるのでナビの操作回数は減っていくとのことである。また、おそらくは、携帯インターネットやPCインターネットのサービスとの競争も行われていることだろう。家でポータルサイトで調べ物をしてプリントした情報を持っていくのと、適時オペレーターの支援を受けて行きたいところに行き着くのと、どっちがユーザーにとって快適でコストバランスが良いかというところになる。あまり日常的にこの二つを比べて競争状況を整理する話は聞かないが(且つ、そんなに言うほどユーザーを奪い合っている訳でもないだろうが)、このまま車が進化し、サービス利用が定着していくのなら、今度は同じ体験を外の場面、車に乗って無いときにも求めるようになってくる。

ネットワークの統合が進み、シームレスなサービスを受けることが当然という風になっていくのなら、そのうちテーマになるところである。条件付で予言しておきたい。

また、車での音楽視聴というところでは、フォトレポートで近況報告されているように、米国市場で新車の7割がiPod対応になってるなど、また別の動きも出てきている。ナビをストレージシステムにしたいという狙いは各社あるのが当然だが、全体ユーザビリティとリッピングコストなどからiPodが着々と地位を確かなものにしている。
 

 
移動情報端末としての自動車
移動情報端末としての自動車:カーナビゲーションサービスの向かうところ

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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