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良く出来た普通のサイトの価値とは

2006/07/17 23:25
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ネットのマーケティングの世界に飛び込むと特に最近は決まって以下のような言葉にまず出くわす。
 ・SEOはどれくらい出来ているのか
 ・ディレクトリ登録はされているか
 ・RSSは出しているのか
などなど。

これらがもちろん、単体として間違っているとは言わないが、メディア過剰になりつつある状況で、ツール側のみ(先に断っておくがツールを通して、更にもう一歩先の問題解決にちゃんと携わっている方もいらっしゃるので、一方的な批判でないというのを触れておきたい)をいじることにどれくらい意味があるのだろうか。

先のエントリを受けて、IA Spectrumの、あるいはアンビエントファインダビリティ訳者の浅野さんよりコメント頂いたのを目を通して思ったことになる。
 
 
コンテンツか流通か
 
コンテンツビジネスを語る上で折を見て出てくるのが、コンテンツが強いのか流通販売が強いのかという話である。ハリウッドとケーブルどっちが強いのか、話を変えるとメーカーと流通のどっちが強いのかという議論とも一部重複する。

媒体やサービスの新しい試みが出てくるということは情報流通のイノベーションと簡単に捉えられる。シンプルすぎる捉え方ではあるが、スタートラインに置くには割と便利でもある。サービスのパターンや組み合わせ、アプローチ方法=供給側が増えていることに等しい。

反面、需要側は急に増える訳ではないので、供給側の競争が激しくなる。Web2.0という言葉と現象のいずれも、肯定も否定もするつもりはなく、この中から面白いものは出てくるが全てが無条件に真実ではない、という2000年前後の動きをその後の歴史的学習を基本として置いているが、基本の需給までは捻じ曲げられない。曲げるほどの強力な力はまだ見つけられない。
 
 
キーになるもの
 
浅野さんも引かれているがニールセンのAlartboxから少し引きたい。

騒がれていない実用本位のウェブサイト(お騒がせ度: Green)

もっとも重要なのは、これらのサイトが世間を騒がせることがほとんどないという点だ。顧客のニーズにあったシンプルなウェブサイトで、相当の事業価値を産んでいるものがどんどん増えてきている。何も目立ったことをしていないサイトこそが、最良のサイトだ。巷の流行を追いかけるよりも、正しいことを実行することに注力することこそが重要なのである。

この一文は世の真実全てではない。しかし、通用する場面は良く出会う。所在の知れない情報が数々流通していることを前提とすると、オフィシャルな情報の厚みがあると信頼担保の受け皿になりうる。

ニールセンといえばユーザビリティの大家であり、右か左か分からないが、真っ当なことを言いつつもややエッジにいる人と言えよう。とはいえ、企業のサイトに行って十分な情報を得られた感覚の無いまま周辺のサイトをうろうろしてしまうことが割とあることを考えると、多少は耳を傾けて良いところなのだろう。

コンテンツ、ツール、ユーザビリティと三点置いて競争ポイントになっているうち、競合差別化の可能なところはどこになるのかと問われると、投資対効果ではキャンペーンサイトなどの一過性ではなく、普通のコンテンツということは珍しくない。

供給方法が多様になり、一見すると、届ける技は多様に増えた。となると、問題となるのは先の通り、まずは変わらぬ需要をどう捉えるかというマーケティングの伝統的なところとなる。この点については、絶対的な魔法のような回答は恐らく無い。次に、そもそも届けたい情報の量と質が十分かというところになる。マスの市場は消え去ることはないので、なんらか残るが(但し、P&Gにしても流通販促にかなり割いていたりすることは指摘しておきたい)、

つまり、アニメのようなある程度セグメント化された世界では、マスマーケティングはほとんど意味がなくなり、送り手はその力を作るものに徹底的に注ぎ込むべきだということです。

さらに、アニメ以外の世界でも、以前のように大多数の欲求を満たすという様なものは少なくなりつつあり、マーケットサイズとは別の大きさを意識することになっていくでしょう。

YMOがデビューしたときに細野さんは「世界中の少数派のみなさんへ」ということを考えたそうです。最近、その言葉をよく噛み締めています。

反対側でこの言葉がリアリティを増していることもまた同時に噛み締めてみたい。

テクノロジーとメディア、サービスは一体化して捉えないと扱いにくくなっているが、それぞれの立場と都合に応じて、ひとつないしは二つ落とした形で物事を進めようとしている場面に良く出会う。10年20年単位で考えた際、その体制は事業リスクを十分に落とせているのだろうか。

先日耳にして、思わず正座してしまいそうになったのは、厳密に考えると100年ぶりに流通機構を定義したいという話であった。

流通とチャネル設計の基盤の作り方と事業サイクルの設計は、単純にマーケやプロモーションの発注先を変えれば済むのか否かというところが最近問うているところになる。答えは、(もちろん)幾つか条件は含むが否。相当予算を積まない限りは自分たちの動き方を変えないと割りに合わなくなる。社内の動き方を変えないと効率は上げようが無い。特に、単体モジュールの話ではなく、根っこに触る話となれば尚更。コアコンピタンスをアウトソースするという話は普通の経営の考え方からすると無い。

というところで、事業者側からみると、コンピタンスに触るかどうかというところがポイントであり、狭義の判別式はメディアの設計が基本的なところから変わってしまうとして影響を受けるか否かであろう。もうひとつアラートは隣を見て理解出来ないが上手く行っている気配を感じるかどうかとなる。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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