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「ソフトバンク × ボーダフォン」イベントを終えて

2006/04/01 00:34
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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グロービスに会場をお借りして、共同企画として進めたタイトルイベントを先ほど無事に終えた。取り扱いの面倒なテーマでパネラーを快く引き受けていただいた森さん、降旗さん、塩川さんはもちろん、年度末のややこしい時期に時間を割いて頂いた参加者の方にももちろん、お礼を申し上げたい。

冒頭から会場の温度と反応を見ながらどのレベルに調整しようかを測っていた。冒頭、森さんが妥協が無いトーンで切り出したため、どうハンドリングしたらいいかと思案していたが、会場から全てを吸収するように微動だにせず受け取っている気配と、ポイントポイントで頷いている気配が感じられた。どうやら大丈夫なのだということが掴めたので、そのままギアを落とさずに最後まで進めることとした(故に、第三部の行政系の話はすっぱり方向性が出たので切り落とした)。これは参加された方のご協力があって初めて出来ることであり、提供側が頑張ってどうなるものではない。話し手と聞き手の双方が揃って出来る共作であることため出た成果については共有財産としてお持ち帰り頂ければと思う。

内容については、参加頂いたメディアやBloggerの方に基本的にお任せするとして、諸々の設計上収まらなかった話を少しこの場で補足して個人的総括としたい。
 
 
話さなかったこと
 
時間の都合上途中退席された大学関係の方から「本当はファイナンスの数値評価を絡めて話をすると面白いんですよね」という言葉を頂いていた。

来て下さった方はお分かりと思うが、奇をてらった話は基本的にしていない。省庁かビジネスかユーザーかなどの切り口の違いはあれ、全てそれぞれの現場の話に基づいて組み立てている。むしろ数値情報が無い分、個別テーマへの切り込みは概略レベルに留まっている。

しかし、現場レベルで起きていることは足し引き何も無くこういう話だということも当事者の方は、わざわざ確認するまでもなくお分かり頂いていることではないかと。
 
  
取り上げなかったこと
 
今日は情報通信の範囲を主テーマとしたが、本当は放送、コンテンツ、メーカー(主に端末製造からチップデバイス)までが波及範囲となる。

日本の産業の作りを考えると製造業のハイエンドが引っ張っていることは確認するまでもなく、国際競争力でいうと自動車やコアデバイスが筆頭に上がってくる。キャリアから端末に引き継がれる商流は技術開発でもソフトからハードからかなりの投資と実験が繰り返されているところであり、辛いなりに技術力の何かを引っ張っているところでもある。その梯子が一本外れるとしたらどうなるのか。

会場でも端末調達がノキアやサムソンに移るリスクをどう評価するかという話が出ていた。短期的な売上減はともなく、メーカー側のR&Dのサイズが小さくなってしまったら事態はどう推移するのか。メーカーの競争力にどれくらい影響が出るのか(もしくは出ないのか)。

最後にメーカーの方の声を少しでも聞きたいと思い、質疑の時間で専用の時間を設けてみた。どう問いかけていいか難しいという声を終わってから何人かの方からお話を頂いたが、それでも、問いかけをしなければならないところだろう。製造業は専門としていないが、今後間違い無く絡んでくるところなため、今回はせめてテーマ設定だけでも。
 
 
お届けしたかったこと
 
もしかしたらこういう問いかけが残っているかもしれない。

「今日の結論はなんですか?」

ありません。

パネルの方は、省庁での政策動向や、実務の現場(降旗さんもお父上の関係もあり、制作現場は育った環境みたいなものである)、国際展開の突端で陣を張っている方ばかりとなる。世の中全てを理解していることはもちろんないが、それでも、それぞれのフィールドで日々活動されている方である。

特別話せないことは別として、現場経験を積み重ねた上で「ここから先は良く分かりません」。

業界の動向にしても、先行きどうなっていくのかはっきりとはしていない。それでも何か手を打ち、且つ結果の責任も負っていかないとならない。このような次元に世の中に入っている上で、出来る範囲考えを詰めた上で結果、「分かりません」という言葉が出てくる。

休憩時間や終わった後、森さんとユニバース、思考空間をどう設定して戦略検討をするかについて少し意見交換をさせて頂いていた。あちこちと繋がり相互依存する産業モデルになると、考慮すべき範囲は広くなる。且つ、取引ルール、産業規制も変わっていく最中となると、身の置き所は輪をかけて分からなくなる。広範囲に考えると、オプションが多くなりすぎて検討の精度が落ちる。

こうなると実務的に大事になるのは、どの範囲で整理をしたらいいのかの範囲設定となる。どのテーマを切り捨てて考えないか。なお、狭めても内部構造ははっきりと定義しきれない。リアルオプションが多重化した中で複雑なシナリオを解かないとビジネスリスクは押さえ切れない。もちろん、全ては押さえられない。

「簡単な答えが欲しい人はマッキンゼーやボストンコンサルティングに億積んでコンサルティングサービスを受けてください」。ストレート過ぎる意見かもしれないが、塩川さんのこの一言には強く賛同したい。もちろん、単なる金額の問題ではなく、現場で力と知力を振り絞って仕事に向き合っている先達のひとりとして。他でもない自分のビジネスの正否は検索して出てくるものでもないはず。
 
 
積み残し
  
企画段階の当初より、単品ケースとしてはともなく、テーマとしては1回数時間こなして終わるような話ではないのはよく分かっていた。例えば、B2Bの話にしてもほとんど触れていない。実務に目を戻すと、KDDIにしても法人ユーザーへのサービス拡充に注力し始めているのはご存知の通りである。ソフトウェアの話も十分に扱っていない。チップの話も出ていない(TIやクアルコム、インテルは今後どう動くのか)。このあたり、どういう形になるかは決まっていないが随時取り扱って行きたい。

そして、直接間接力をお借りしているEmerging Technology研究会の常連の方々にも。

追記:

参加された方何人かとやり取りしていたら、『「まとめ」があるとしたら、3人の最初のひとことたちだったような気がします』いうコメントを頂いた。その先は確定された見栄えの良いサマリではなく、現在進行形の諸問題整理ということになるのではないか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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