最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

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メディアとマーケティングの現在

公開日時:
2006/03/24 06:23
著者:
渡辺聡

最近、メディア論をテーマとした議論を良く交わしている。概ね分類してみると、1)そもそもメディアとは何なのかと脳や身体の働きも視野に入れて根っこを探る議論、2)技術の変化、デジタル化によりメディア産業の範囲や定義が変わりつつある産業論、3)企業マーケティングの変化、自社でメディアを事実上持てる現在に何が必要とされているのか、の三つに分かれる。

丁度、Googleのビジネスモデルについて整理した原稿をまとめ、月末のイベントの準備でソフトバンクとボーダフォンのディールが何を意味しているのかを整理し、並行して技術の進む方向を先日のセミナーに合わせてどう整理するのか筋が良いかをまとえていた。

本Blog上の流れだと「マーケティングツールを越えてウェブを眺めてみると」、「マスマーケティングのネットシフトの可能性」の続き的なところとなる。

上記2と3を若干広げてみたい。
 
 
メディア産業の置かれた位置
 
ややバイアスがかかった面もあるが、ひとつの見方としてGoogleのアナリスト向け資料(PDF)が事態を端的に示している。

資料の18ページをご覧頂くと、ダイレクトメールからテレビ、雑誌、インターネットまでがGoogleの潜在市場が平らに並べられている。完全にフラットにメディアが位置づけられることは無いとは思われるが、方向性としてはデジタル化が進むと同時に境界が曖昧になってきていることも確かではあろう。テレビはテレビというのではなく、デバイスとコンテンツと視聴スタイルといった変数に分解して隣のメディアとの役割分担を考え直してみることがやんわりと問われている。

業界内の役割分担、境界の定義が曖昧になっている。

Ad Innovatorにマードックの言葉、メディアはファーストフード化するという声が紹介されている。

「権力は我々の業界の古いエリートから、コンテンツを好きなときに好きな場所で好きなデバイスで消費したい新世代のメディア消費者がに移った」と語った。さらにデジタルによる未来について熱心に語り、「メディアはファーストフードのように、ニュースやスポーツ、映画をモバイルデバイスで移動しながら消費されることになる」とも語っている。

デバイスと情報機器が分散するに合わせて、ネットワークが有線無線張り巡らされるに並行して、メディアは特にデジタルメディアはカジュアルに接するものになっている。
 
 
メディア化する企業
 
産業内の構造変化も当事者にとっては大事ではあるが、企業がメディア化してしまうケースが増えてきており、動きとして注視している。先の話はメディア産業内で右か左かという話であるが、こちらはそもそもマーケティングの場面で企業が外部媒体を使わない可能性が出ているという話になる。

固有名は出せないが、「あまり、外部のメディアを利用せずともマーケティングの多くの部分は実際出来てしまう」という声、「メディアに投資するよりも、流通側にコストをかけて小売店頭での露出を増やす方が有効」という声もちらちら耳に入る。

もちろん、これらの企業は動きとして先端的な事例であり、世の中全体に波及するかは分からない。また、長期的に成立するモデルなのか、どの程度有効性があるのかもまだまだ検討検証の余地はある。しかし、明確な事例としても出てきていることもまた事実である。
 
 
重心移動
 
メディア企業の方、卒業生の方と上記のケースが何を意味しているのかを議論している。現時点の仮説として、
・企業は媒体間の効率を図るところから、自社でやるという選択肢を持ちつつある。
・結果、メディア選択の支援を外部の代理店が行いにくくなっている。
というところを導き出している。

まだお試し事例くらいになるが、Fordがアクセンチュアにメディアプランニングを依頼したのも同じ軸で捉えられる。

また、中間でメディアと呼べるくらい成長している大規模SNS、YouTubeのようなコンテンツ共有のサイトが着実に伸びている。CGMのお化けと括るのは簡単だか、今の勢いだと旧来のポータルのモデルを大手でさえPVで見ると抜いてしまうのは視野に入ってきている。見られているということを単純に評価するとしたらどちらが有力と言えるのか。
(逆に、大手もまた新しい状況に対応すべく手を打っている)

新聞やテレビが無くなるとは思えないが、誰の何のためにサービス提供されるのか、まだ一悶着あると考えるのが自然に思えてくる。

当面、ターゲティングメディア、ユーザー参加型のメディアは傾向として増えていることもあり戦国時代になるのではないか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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