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オラクルオープンワールド:7年ぶりのラリー・エリソン氏来日とサーチサービスの発表

2006/03/02 09:46
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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オープンワールド開催に合わせて、久方ぶりにエリソン氏が来日している。今回、関係者からの質問を会場関係者から受け付けるとのことで、ご招待頂けた。

現在のオラクルに対して問いかけたいことはたくさんある。アーキテクチャーの定義まで変えてしまいそうなくらい伸び続けるインターネット、中核で動いているGoogleなどの新種のプレイヤー、オープンソースからの挑戦、ここしばらくのM&Aなどの核に何をイメージしているのか。

ここ何年かはネット系の集まりに良く参加しているが会場に入ってすぐ感じる違いはスーツの着用率の高さと年齢層の高さ。また、アナリスト専用席が設けられていたり、サイズの大きいビジネスの現場と直結していることが肌で感じられる。近づく二つの世界は今後どう混ざり合っていくのか。
 
  
エリソン氏の講演より
 
グリッドへの取り組み、データベースやERPを核とした実績の説明など、固いところを淡々と説明するという形で昔のような暴れん坊の印象はさほど感じられず、落ち着いた説明だった。サプライズは無かったかもしれないが、個人的にはこれはこれで良いのではないかと思える。

ハイライトはサーチサービスの紹介。セキュリティを考慮して企業内プライベートのデータをどう取り扱うかというテーマはこれから主戦場になる。既に参戦を表明しているマイクロソフトも加えて、データを貯める、ストアするところから利用する方への注目が高まっていく流れは強い。

説明口調ともうひとつ、もう業界コンセンサスという感じでもいいのかもしれないが、アンチマイクロソフトの流れも無く、「マイクロソフト」という声も目立って出ることは無かった。普通に競合、もしくはパートナーとして扱われていた。その代わり、ハイライトとの兼ね合いもあってか良く出てきたのはGoogle。時代は移り変わるのか。
 
 
アプリケーション統合・オープンソース
 
オラクルの将来を占うのにまず問わなければならないのは、主要プロダクトであるビジネスアプリケーションとデータベースの分野の動向。それぞれ、市場の寡占化とオープンソース化という局面に入っている(経過動向についてはいずれもZDNetでの飯田さんのBlogに詳しい)。

まず、ERP、CRMなどの大規模ビジネスアプリケーションについて。当然やらければならないのは統合作業となるが、急に出来るものではない。会場でも、ブランドの扱いからまだ定まっていない様子であり、組織ともどもまだまだ道半ばという印象を受けた。

その代わりというのではないが、進んでいる感じだったのがSOA。おそらく、グリッドと合わせるとオラクルはSOAを回答として示そうとしているのではないかというのが会場を回って得た結論となる。この方針はデータベースのコモデティ化への対応にもなるため、オープンソース対抗策にもなる。ローエンドのデータベース製品を無償化させたのは、防御戦略としての意味も当然ながら、「そこは主戦場ではない」という前向きなメッセージと解することは読み取りすぎになるだろうか。
 
 
SOAプラットフォーム
 
SOAという言葉は非常に曖昧になるが、オラクル版は概ねこんなところだろう。
 1)ハードウェア(サーバー)を意識しない
 2)アプリケーションの違いを意識しない
このための環境提供、ミドルウェア部分の強化となる。この時点で思い出したのがエリソンの講演。軽く聞き逃していたが、ミドルウェア領域の話とIBMの業界ポジションについて時間を割いていた。

まず、1)のハードウェアについて。実装されるのは、主に10g。オラクルのサポートしている環境範囲でという制約は当然つくものの、アプリケーションからデータベースまで、ハードに依存しないサービスモデルの提供が為されている。実際のサービス例としては、日本テレコムのULTINA On Demand Platformがあり、先のリンク先サイトにも掲載されているように、ユーティリティ課金で利用することが出来る。

2)についてはまだプロダクト群という段階であり、ぱっとみて分かる形になっていない。コアになるところを幾つか並べてみる。まず、一連の流れとしても掲載されているがESB(エンタープライズ・サービス・バス)(と、細かく書くとData Hub)。Webサービスを含めた標準的なプロトコル対応とデータマッピングを提供することで、APIさえ準備されていれば、特定アプリケーションに依存することなく、データ統合が行える。

アプリケーションレベルの統合はOracle BPEL Process Managerにて提供されている。これは一言で書いてしまうと、サービス単位でのプロセス設計、ワークフロー設計を行うもの、サービスの組み合わせを行う際の開発管理ツールとなる。

これらは全て、モジュールやハードウェア一個という細かい単位ではなく、もう少し大きなサービスを単位として基盤を再定義している。先々ネックになるはずのID管理の統合もさりげなく入っていたりする。
 
 
ミドルウェアへの注力
 
今はその段階、という見方もあるだろう。しかし、ミドルウェアに注力していることは素直に見て取れる。データベースにしても、グリッド化させたことで、以前までのハードウェア単位で一個というモデルは一つのモジュールとして脇に追いやられている。真ん中を押さえた上で、上下のアプリケーションとデータベースに広げていくモデルが今後やりたいことであり、且つやりたいことを実現させる真ん中の普及を支えるのが今のアプリケーションとデータベースのシェアという流れを見て取った。

とはいえ、戦略として見えて来ているが、メッセージとしてはまだクリアに読み取れない。SOAという説明の仕方は割とどこででもしているものでもあり、お客さんにも違いを示しつつ説明するのは難しい。買収した製品から社内で新しく出つつある製品群まで、内だけ見ていても済まず、お客さんの実態と現状を見ないと上手く説明しづらいものを如何に自分たちのものとして表現するか。ビジネスのフェーズとして重要になっていくのはマーケティングではないだろうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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