前回記事「リードユーザーイノベーションを越えて」の続きとなる。
予めお断りしておきたいが、タイトルのリードユーザーコミュニティという言葉は世間一般にはない。塊で検索すると、執筆時点で0件、リードユーザー・コミュニティ、と点を入れてもダイレクトでは出てこない。
概念的には、ヒッペルの定義するイノベーション・コミュニティの概念に近いところにあるだろう。厳密な定義整理は終わってないのだが、おそらく氏の想定しているモデルでは情報の集積点のイメージが前面に出ているが、必ずしも定まった形ではなく、間主観な、P2Pの広がりを遠めで見たようなイメージで捉えている。
さて、定義はともかく何を言いたいのかが大事なのは言うまでもないので、本題に入りたい。
リードユーザー群の判断
リードユーザーに該当するだろう層の話を聞いていると、あるトレンドやサービスについてマスの意見とまったく違う方向に向くことがしばしばある。もしくは、まったく違う切り口で評価をしていたり、全然違う現象を追いかけていることも珍しくない。
これだけだとたいした話ではないが、しばしば、リードユーザー群の中で細かい差はともかく、概ねの評価意見が綺麗に揃うことがある。そして、「なぜ?どうしてそう考えるのか?」というシンプルな問いを投げかけると、実に説得力のある回答が返って来ることが多い。
もちろん、日常的には相互に交流が無く、全体に共通のコミュニケーション基盤があるのではない(Blogも含めると、似たようなものを読んでいるケースは少なくないのでコンテクストは一部共有されているが)。しかし、揃うときは綺麗に揃う。
前回記事で簡単に、
技術がコモデタイズしているという仮定を加えると、技術を理解したギークの手からではなく、イノベーターもしくはアーリーアダプターに属するユーザーがイノベーションを生むという構図が出てくる。
とまとめた箇所の背景にはこの感覚がある。単なるイノベーターやアーリアダプターといった一報的な消費者としての分類ではなく、半分生産側に回って考えたときに、これからの本質的な動きを示している層がある、ちょっとしたイノベーション論ではなく、マーケティングの裏概念としてもうちょっと大きなテーマイメージで捉えた方がいいのでは仮説を立てたくなる。
そして、おそらく、この感覚の差はヒッペル本人が分析モデルとしてクリステンセンのイノベーション論との違い、クリステンセンから受けたモデル評価に対してつけたコメントのエッセンス部分と近いのではないかと思っている(著作の10章参照)。
social computing
整理用の支援フレームとしてForresterのsocial computingを簡単に繋げておきたい。背景的なところは
Forrester defines social computing as "A social structure in which technology puts power in communities, not institutions." We also believe that three tenets define social computing:
このような感じとなっており、定義三行は、
1) innovation will shift from top-down to bottom-up;
2) value will shift from ownership to experience; and
3) power will shift from institutions to communities?
ざっとポイントのみ日本語にすると1)ボトムアップのイノベーション、2)所有から経験への価値シフト、3)コミュニティへのパワーシフト、となる。
このコミュニティというものの核、及びイノベーションを引き上げるものを定義するとリードユーザーになるのであるが、業界やテーマを越えて、これらリードユーザーは示し合わせたかのように似たような動きを示すことがある。
非常に生煮え段階の議論ではあるのだが、資本もコモデティ化していること(金余りの傾向が強いこと)などを合わせても、いろんなところに繋がるキー概念になる可能性も少し感じている。
◇
そして、最近周囲で出ている言葉が以前も触れたが、サーチという表現がどうも不都合になってきているという話である。いろいろ考慮すると、キーポイントの一つになるだろう。アーキテクチャーの変化可能性や現時点ボトルネックになっているポイントとその理由を詰めていると、且つサーチ周辺技術が達成しようと目論んでいることを考えると、非常にしっくりと来る議論となっている。
その辺りも含めて、明日22日に講演の機会を頂けている。エンタープライズサーチのテーマは(一個予定が合わなかったが)、あちこちから依頼が入っており、盛り上がる前夜の気配を感じている。
長い時間人前で話す機会もそう度々ある訳ではないので、まとまった話を聞いてみたいという方、いま少し席の余裕がある様子なので、宜しければどうぞ。
◇
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