先日の総選挙に関わって、総選挙はてなを予測市場のケースとして取り上げたいと考えていたのだが、頭の中を整理しているうちに今日に至ってしまった。
という前置きはさておき、H-Yamaguchi.netの山口さんが「「市場」というゲーム」というエントリでMMOG(多人数参加型ゲーム)と予測市場の類似性について指摘している。触発される形でまとめてみたい。予測市場も含めて、情報資本主義というテーマでしばしば意見交換の相手をさせて頂いている。
本来は一度”そもそも予測市場とは?”というところから入る方が綺麗ではあるが、また追々。
予測市場のゲーム性
詳しくはお読み頂きたいが、
使われる通貨単位は仮想のもので、なんらかの意味で実体的な価値を持つものもあるが、直接現実通貨とはつながっていない。したがって参加者のうちの少なからぬ部分は、一般的な意味での利益動機ではなく、どちらかというと「楽しみ」のために参加する。つまりゲームだ。
多人数の参加者が集まってどんどん取引が行われている状況があると、参加者はより参加しやすくなるし、また参加したくなるものだ。人だかりがあれば「何だろう?」と思う、そんな感じだろうか。
との二点が簡単なポイントだろうか。
当てる要素があり、リターンがあり、市場と商品設計によるが参加メンバー間でゲーム的に競争することも出来るということで、主張は素直に理解出来る。
予測市場は現在、実務利用が可能かを検証している応用研究、事業化のフィージビリティ段階にあるが、この先様々な利用バリエーションが増えるに従って一部が産業としてのゲームに取り入れられてもおかしくない。例えば、ファイナルファンタジーシリーズにおまけのゲームがついているように(ex 10のブリッツボール)オンラインゲームの一部にモジュールとして組み込まれるといったことはあってもおかしくない。
更には、オンラインゲームのベンダーに対して予測市場のエンジンを提供する専門のベンダーが現れても・・・とここまでは考えすぎの領域に入ってしまうが、理屈の上ではすんなりとイメージ出来る。
コミュニティ/ソーシャルサーチ/ブックマーク
さて。こちらが本題になるのだが、予測市場のアウトプットは何で決まってしまうのか。
細かい要素を省くと
1)取引市場設計(評価軸の設定含む)
2)参加者の顔ぶれ、コミュニティの質
の二点になるだろう。
1,2ともに広い概念になるが、要するに設計だけで決まるのではなく、参加者により出てくるものは大きく変わる。同じ仕組みでも支えるコミュニティ次第で似て非なるものになる。先行事例としては、株式市場を指摘すれば十分だろう。同じ市場で、会計制度も上場ルールも基本同じであっても会社によってパターンは相当異なる。
(更に拡張すると株主構成や商品ユーザーコミュニティ、政党政治などに似たところがある)
そもそも、あらゆるプロダクトはユーザーに支えられているという見方もあるが、そこまでは振らないとして、予測市場は生産過程にユーザーが深く入り込んでいる。工場設備と素材は貸し出しているがラインはユーザーが自由に使って生産しているようなものになる。この辺はソーシャルサーチ/ブックマークと同じだろう。
例えば、ゲームの事業設計でもどういうユーザーをターゲットにするか考えるのは当たり前のことである。長期間続いているシリーズものだと、どのようなユーザーコミュニティに対して応えていくのかという視点は資料を眺めていても良く出てくる。ドラクエとFFをプレイする人は重なってるけどちょっと違う、なんて会話は専門家でなくとも交わした経験をお持ちの方は少なくないのではなかろうか(あるいは、もっと簡単に「どっちが好き?」)。
しかし、ユーザーからのフィードバックがプロダクトに組み込まれているとなると、話の次元が少し変わる。ターゲット想定、参加のしやすさの設定etcは製品の売り方といったものではなく、製品そのものとなる。受ける受けないにより、製品の品質が変わる。極端に言えば誰も使わなかったらアウトプットは存在しない。
このように考えを進めていくと、サービス事業として予測市場を設計して成立させ、アウトプット品質を評価の上全体を管理していくのは意外と難しい課題となる。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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