第二の創業、セカンドベンチャーをサブテーマとして追えないか。
IPOや事業売却を行ったベンチャーは既に結構な数になり、創業メンバーや早い段階で参画して会社を支えてきた方の数もリストにするだけでも大変なくらいになってきている。この中から卒業して伸び盛りの新しい会社を手伝ったり、二度目の創業を果たすケースが見られるようになってきた。この人達がその後を追ってみると面白いのでは。そんな話がアライドアーキテクツの中村さんを訪ねている際に出てきた。
上場なりの経験を積んだ人達は新天地で何を生み出すのか。ある程度の数が揃ってきた現在、全体として見ると新しい動きに繋がっていくのか。二社目の創業に関わる人達が何を思い何をしようとしているのか。少しずつ追えればと考えている。
まずはサイバーエージェントの副社長からモバイルビジネスの会社、株式会社インタースパイアを興された早川社長を皮切りに。

--サイバーエージェントを卒業されて以降、現在までの経緯を簡単にお願いします。
創業メンバーではなく、出来て少し後からの参加だったのですが、サイバーエージェントの副社長を務めていました。急成長して人も次々と採用していたこともあり、上場直前の頃は、もしかしたらオフィスの家賃が払えないのではというような綱渡りの場面もありました。創業6年、入社5年で初めての黒字決算を達成した時に区切りをつける形で退社することとしました。
辞めたときは特に何をすると決めていた訳でもなく、区切りをつけてゆっくり考える時間をまず取るのが目的でした。一緒にやりませんかという声がけもありましたが、トップでやろうと考えていたので他社に移る選択はありませんでした。
大株主であるアミューズキャピタルの中山隼雄氏をたまたまご紹介頂く機会があり、最初は暇なので会ってみようというくらいでランチをご一緒したところから少し手伝いをすることになったのが今に繋がるきっかけとなります。当初は事業の中身はそんなに固めずまずまず会社の枠を作ったところからインタースパイアは始まりました。
--現在の事業概要はどのようなものとなるのでしょうか。何を事業機会として捉えていますか。
モバイルの広告は伸びていくと考えています。PCインターネット出身の人はモバイルの機種対応が細かく手間がかかるために、どうしても慣れた方に行ってしまいがちです。広告は土地勘があるので、以前でインターネット広告市場を作っていったのと同じようにモバイル広告の市場を育てて行こうと考えています。前職と直接ぶつからないというのは前提で置いていました。
ECは自前で育てていくのは手間のかかる事業なため、ある程度基盤のある会社を買収して始める予定です。
--PCの広告とモバイル広告市場の違いとはどのようなものでしょう。
ターゲティングがしにくいです。いまのところ出稿してみるしかないのと、効果検証についても十分な仕組みが作られていません。
--モバイルECに適合する商材とかありますでしょうか。
特定のカテゴリーや商品のみが売れるという感じは受けていません。例えば、売れるかどうかは未知数なところがありますが、車のマーケティング企画の依頼が出てきたりもしてます。誰でも知っているものが安値で買えるもしくは、地方で店にアクセスしにくいところでしょうか。
--(厳密には一社目は創業ではないですが)一回目の創業と二回目の違いはありますか。
やはり、経験則があるのでポイントポイントで何を気をつけるのか、何をしなければならないのかが分かっているために事業計画をしっかりと持って進められます。また、利害関係者との調整タイミングが分かるなど全体としてスムーズに進められます。
--最終的に作りたい事業ラインはどのようなものになりますか。
完全に固まってはないという前置きの上でですが。Yahooがなぜ成功しているのかに繋がるところがありますが、ユーザーの集まるプラットホーム、ポータルを作りたいです。グループの求人情報サイトであるビスコ、ゲーム配信を手がけるライブウェアとの連動やモバイルコマースなどを考えています。
PCのインターネットも大きなところはある程度勝負が見えてきた感じですが、モバイルも10年経ったらある程度パイは固まるでしょう。これから決まっていくものだと思います。
--ポータルやISPの事業は既に大きなプレイヤーがありモバイル事業への参入は各社力を入れているところです。立場としては後発になる面もありますが、モバイルポータル後追いのストラテジーはありますか。
まず、既存ユーザーを持っているところと手を組んでいきます。ユーザーは抱えているが収益につなげる方法がまだ足りないというところに広告ビジネスの知見、広告チャネルとの繋げ方を提供していく形を基本で考えています。
--ナンバーポータビリティ、フルブラウザと定額制などモバイル業界のルールが変わろうとしています。予想しうる変化への対応方針はどのようなものでしょう。
ナンバーポータビリティについては、メールアドレスを押さえるアプローチとして「1-mail(ワンメール)」という携帯電話専用のWebメールサービスを開始しました。番号は持ち運べるようになってもメールアドレスはキャリアごとに変えなければならない状況をフォローするためのサービスです。
定額制の開始以降、勝手サイトを利用するユーザーが増えています。モバイルのユーザー導線はニュースや天気などはポータルでカバーされつつも全てがポータルに集中するのではなく、ツールの特性、媒体特性として自分と相性の良いサイトがあればそこを使うようになるのではと考えています。
◇
二度目の創業というテーマは話は割とあっさり終わり、モバイルマーケット周りの話が中心となった。10年もしたらプレイヤーは固まっていくのではというくだりはインターネットビジネスがそうなって来ているように”歴史は繰り返す”のだろう。とはいえ、既に力を付けたポータルの参入などまったくの繰り返しにはならない。PCとモバイルの違いもあるが、置かれている環境とプレイヤーが異なっていることがどのような結果に至るのか考えてみるのも面白いかもしれない。
早川社長、お忙しいところをありがとうございました。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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