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大型買収二件:オラクルとシーベル

2005/09/13 10:05
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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二件あった大型買収を順に。eBayとSkypeはあとにして、まずはオラクルとシーベル。典型的な業界成熟過程のM&Aと言えます。

ピープルの買収を終えて落ち着いたところで、他社に買収されて戦略オプションを失う前にすばやく次の手を打つことにより地歩を確かなものにしたいとの意図が分かりやすいくらい見えてきます。

シーベルにしても、下からセールスフォースに攻められ、顧客はワンストップやサービスを望みということでポジションが取りにくくなっていたことから一つの選択でしょう。組み合わせとしては悪くないです。

New York Timesの「Oracle to Acquire Siebel Systems for $5.85 Billion」に業界関係者の声が幾つか出ているので引きながら。

リスクとしては、ピープルとシーベルとのアプリケーション統合を合わせて進めるところに尽きます。

Charles Di Bona, an analyst with Bernstein & Sons, said he thought the merger would be far more difficult than Oracle is saying, and that incorporating yet another major product line into Oracle's development process is going to be a huge challenge. In the end, he said, Oracle's strategy could backfire as some customers may decide to flee for competitive products, such as SAP.

ユーザーサイドで稼動しているものをサポートしつつ、順次入れ替えを進めていくことになるので、5年以上の仕事になってもおかしくなく、その間は上手くしないとSAPと比較すると見劣りがしてしまう可能性は十分に出てきます。R&D側での作業とセールス側での作業、丁寧な移行プランを示しておかないと、基幹採用では不利です。

SAPの反応。

William Wall, a spokesman for SAP AG, said the acquisition won't cause SAP to change its strategy, but rather thinks it could benefit from the confusion the acquisition will cause both inside Oracle and in the marketplace. "We always anticipated that in order for Oracle to try to catch up with SAP they would take this step." Mr. Wall said. "We have the benefit of several years and we intend to leverage that."

特に何も変わらず、戦略変更は行わないと。

競合との相対ポジションから3Cを考えて戦略を云々というよりも顧客と自社の関係を突き詰めていくこと、技術の変化を如何に受けとめていくかの方が課題としては重いこと、元々それぞれの会社とはばらばらに戦っていたため新しく加わる要素がそう多くないことからも短期では動かないとのアナウンスが出てくるのは妥当です。

Salesforce.com。

But another company affected by the deal is likely to be Salesforce.com, whose chief executive, Marc Benioff, was a longtime protégé of Mr. Ellison. Salesforce has grown considerably by providing customer relations management software through a subscription service rather than a discreet product, a strategy that many large customers have come to prefer. Siebel has in recent years begun moving toward a similar model, and analysts say Oracle is clearly trying to move in that direction with this merger.

引用中でサマライズされていますが、1)ASP、サブスクリプションモデルにオラクルもシーベルも出つつあること、2)CRM領域単体でなく、ERP全体に拡大て1)の方針が今後採られる可能性があることから、ハイエンドASPの市場がフルラインを望み始めた場合、影響が出てくると考えられます。

総括すると、

Once the Siebel deal is completed in early 2006, Oracle says, the company plans to promote Siebel's customer relationship management program over similar software developed by both Oracle and PeopleSoft. With Siebel, Oracle adds 4,00 customers in some of the largest corporations, amounting to roughly 3.4 million individual users.

ということで、顧客基盤を得られたことが一番大きい資産かもしれません。

それにしても、この10年あまりでエンタープライズアプリの市場はすっかり様変わりしてしまいました。猫も杓子もERPとばかりに動いていたのがつい先日というのは冷静に振り返ると少し驚きです。

少し前のエントリですが、エンタープライズ市場については「大型M&Aから読むエンタープライズ市場の変化」、同2、「IT投資の質的変化(1)」、同2と触れています。ご参考まで。

追記:
セールスフォースのトップインタビューがZDNetで掲載されています。参考まで。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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