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通信サービスIP化の途上で: エニーユーザー宮町代表インタビュー

2005/08/26 07:03
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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Skypeを代表として、IPネットワーク上で使えるソフトフォンが徐々に広がっている。昨日取り上げたGoogle Talkも音声チャット、というよりはソフトフォンの機能が加わっており、登録ユーザー間で話が出来る。外線発信や番号の取得が出来ないがこれは気が向いたら事業開発が進められることだろう。

ソフトフォン、IPフォン関連の中でも一社、USB一体型で持ち歩ける形に実装したエニーユーザーグローバルのアプローチを面白く見ている。

仕様が固まってきた後に安定化を図るためにハードウェアに実装することがネットワーク製品でしばしばある。今回は、使い勝手の向上を主に意図して複雑さを隠すためのハードウェア実装となる。慣れた人にとってはどうということのないソフトフォンのインストールと設定だが、PCに不慣れなユーザーだとやはりためらいを感じるところとなる。OS、アプリケーション、インストール、再起動という操作を少し難しく感じる人は決して少なくない。

以前から興味を持っていたのだが、ご紹介頂ける機会があったため、社長の宮町秀恒氏にお話を伺った。
   
 エニーユーザーグローバル 宮町社長
 
 
--母体は韓国と言うことですが、そもそもの経緯についてお願いします。

エニーユーザーグローバルはもともと法人向けのIP電話サービスを提供する通信キャリアです。法人向けにAnyTellというIP電話サービスの提供やゲートウェイの販売をしています。

韓国でIP電話の流れが出てきたのは98年くらいなのですが、100社くらいIP電話オペレーターが出てきました。その後、淘汰が進み5社程度になった1社が当社です。よく切れるなど通話音質の悪さが取りざたされるIP電話ですが、固定電話に近い音声品質を出せていたことが生き残った理由でしょう。

韓国で20万回線、市場規模が三分の一なので日本だと60万程度に該当するので、日本で言うフュージョンみたいな位置づけになるでしょうか。キャリアに属さない独立系では一番大きいポジションになっています。韓国のIP化率が15パーセントくらい。日本と大きく変わりません。
 
 
--日本法人設立の流れはどういったものでしたか。

海外進出の一環として日本法人は三年前に設立しています。日本での事業開始後、回線の速度が十分に達する去年くらいまでは、音声品質が安定しないところがありましたが、ADSLの急速な普及以降、徐々に安定してきたので固定電話に代わる代替商品として成立し始めてきました。去年の今頃、秋口くらいから引き合いも増えています。

 
--事業とサービスの概要について教えてください。

法人向けと個人向けに分かれます。個人向けはこれからで現状、9割方の売上は法人から得ています。
 
サービスの特長としては
 ・番号体系が同じもの(OABJ番号体系)を使える
 ・通話障害時に一般回線に切り替えを自動で行うことができる
 ・緊急電話、フリーダイヤルが可能
 ・FAX対応可能
という点です。

二つ目の障害時のバックアップは回線品質が良いと起きないが保険的な意味合いでの品質保証が可能となっていますが、最近はネットワーク状況がよくなったので使われることは少なくなっています。
 
 
--どのようなユーザーに好まれていますか。

AnyTellのターゲットユーザーは、中堅で拠点数が多いところです。社内通話が課金対象にならないので拠点間通信がそのままコストダウンになります。これはIP電話自体の特長です。ADSLの急速な普及以降、徐々に安定してきたので固定電話に代わる電話として去年の今頃、秋口くらいから引き合いも増えています。

好まれているユーザーとしては、中堅で拠点数が多いところです。社内通話が課金対象にならないので拠点間通信がそのままコストダウンになります。

大規模なネットワークの再構築がいらないことからも、中堅の方が導入が進んでおり、今後は近い将来に中小の2,3割がIP化に進んでいくのではという見通しを得ています。
 
 
--市場への導入パターンとしては無線LANの市場に近い感じですね。

近いかもしれません。
 
 
--コンシューマー向けのサービスであるアィムフォンを先日発表されてましたが、簡単に特徴をお願いします。

USBメモリにソフトと合わせて専用のチップを組み込んでおり、挿したら自動起動し、すぐに電話をかけられるようになっています。環境の認識や設定は自動で行われているので、ユーザーは挿すことと電話をかけること以外での設定は特に必要ありません。

立ち上がった後は携帯電話をイメージしたインターフェースのソフトフォンとなっています。
 
 
--ソフトフォンというとスカイプが思い浮かびますが、違いとしてはどういうものになりますか。

PCに依存せず持ち運べること、ダウンロード等手間のかかる設定がないこと、日本語のサポートを提供していること、キャリアでありサービス・プロバイダーが提供しているということでしょうか。スカイプはソフトウェア企業ですが、弊社は通信キャリアなため、通話自体への品質保証が手厚くなっています。
 
 
--とはいえ、PC持っていることが前提にはなってるかと思いますが、持っていない人へのアプローチは考えていますか。

先々の話にはなりますが、将来的には携帯の形に持っていければと考えています。現時点ではモバイル系の機器とは直接繋がってはいませんが、チップの小型化も含めて手を打っています。

音声通信ではなく、データ通信を使って音声通信を行うことになるので、海外ローミングに比較すると、コスト構造は圧倒的です。また、各地の通信事業者、制度に依存するところもありません。海外ローミングでのコスト比較は圧倒的です。
 
  
--その他展開はありますか。

マーケティングツールとして配布したいという要望が入ってきています。キャンペーンの景品にしたり、プレミアムグッズにしたり、キャラクター商品のラインナップに加えたりと当初予想もしなかった提案を頂いています。

また、配布したときに、通話料金や割引率の設定を個別に行うことも可能なので、新しいポイントサービスとしてマーケティングに取り入れたいという相談も出てきています。
 
その他、アプリケーション連動として、コールセンター、CRMシステムとの連動などが話は入ってきています。

 
--通話とポイントサービスを組み合わせて提供出来るのは面白いですね。

はい。ECやショッピングとの連動などの可能性があると思います。
 
 
--今後、IP電話はどういう方向に向かうとお考えですか?

ワイヤレスIP電話の番号ポータビリティが出てくるのがもしかして最終形態でしょうか。IPが普及しきった時には、IPという言葉が当たり前すぎて無くなってしまっているのでしょうが、IP化が進むことで”マルチメディア”がようやく実現するのではと思います。

業種としては通信業者になり、主要な売上も法人顧客の通信料金から得ている。しかし、設計を見ると、あと数歩で携帯端末に組み込むことが出来る。チップセットの小型化単純化も進められているので、例えば、iPodのような小型の機器でもデータ通信の機能さえ持っていれば組み込みは可能となる。

昔のPHSの普及のような流れで都市部での無線LANサービスが普及したらどうなるのか。携帯市場のローエンド層の取り込みくらいは行われても不思議ではない。

宮町社長、お忙しい中のご対応、誠にありがとうございました。

追記:
と、エントリをアップしている最中の朝のニュースで入ってきたのですが、iTuneのモバイル対応、着々と進んでいるようですね。(via:メディアパブ、モーニングサテライト)

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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