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アップルは何ビジネスを営んでいるのか

2005/08/15 14:00
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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現時点のアップルは何ビジネスを営んでいるのか、平たく言うと何屋さんなのか。話題に載せやすい、話のネタにしやすいということもあり、iPod/iTuneの出てきた頃から、場所場所でこの議論が出てきていた。これからも形を変えてやり取りされる話であるが、幾つかを。
 
 
レンタルビジネス、コンテンツ配信

iTMS日本版がリリースされてからは、mp3プレイヤーの製造メーカーよりも、ツタヤ(CCC)など既存レンタルビジネスとどうぶつかっていくのかが話題に出てくる。

ディスクのの大容量化と低価格化、ゆっくりとであるがテレビ、映画のコンテンツがデジタル配信されている動きを合わせると、音楽も映像もいずれネットワーク配信が一般化していくと考えるのが自然となる。プレイヤーと直結している利便性と、iTuneという使い勝手の良いデータ管理兼、販売チャネルを押さえているアップルはユーザーの一番手元に近いところで便利なサービスとコンテンツをセットで揃えたことになる。

また、カラー化や端末の機能の進化方向、ミュージックビデオの配信対象として加えているプランなどどの要素も音楽から映像分野に範囲を広げていこうとしていることを示している。2時間の映画をiPodで見るのが日常の風景になるかは微妙なところだが、ニュースくらいの短いコンテンツ群であれば十分に取り扱い可能だろう。

当初から語られていることだが、この話だけで既にハードメーカーでも、単なるコンピューター企業でもなくなっている。

国内の自動車メーカーからもカーステレオへのiPodサポートを発表されている。リビングと車を繋ぐネットワークの橋渡し機能で重要な役割をアップルが担っていくことになる。

こうなってくると、携帯電話が単なる電話ツールでなくなってしまったのと同じように単なる音楽プレイヤーとは言い難い。車とPC(もしくはホームネットワーク)とのやり取りを行い、かつ単体でも持ち歩けるパーソナルストレージとなってくる。人によっては、音楽再生機能はおまけとなる。
 
 
コンピューティング・プラットホーム

使い勝手の良い標準的なデバイスとして普及すると、周辺ソフト/サービスが成長する。アクセサリは当然として、近いところで面白いのが、IBMがPCの作業環境を持ち歩く機能をiPodなど小型のデバイスと連動させて実現させようと技術開発を進めている。シンクライアントの技術は以前からあるため、完全に新規ではなく、新たなアプローチとはなるが、既に一般普及しているデバイスに載せられるとなると普及にハードルは低くなる。

また、海外の利用事例を紐解いていると、病院内での回診時に持ち歩く機器としてiPodを用いている事例にぶつかったりする。これはもう単純にPDAの代替用途なのだが、ストレージ容量単価の効率は良い。

ホームネットワークとネットワーク端末としての車。どちらも随分長い間、PCの次と言われて久しいマーケットだった。如何にしてデファクトを作るのか、デファクトに関わるのかというソフトに近いアーキテクチャーを押さえるアプローチを取っている事業者は少なくなかった。

しかし、当初は別用途でも普及してしまったものが「実は他にも使える」という形でプラットホーム化しつつあるのがiPodとその周辺になるのではないか。全体を押さえるにはまだ力不足であり、今のプロダクトライン全部を眺めても必要になるはずの要素が幾つも足りない。足りないのだが、iPod/iTuneをベースに必要な橋頭堡は築いてしまったのでは、とつい思ってしまう。あとは刈り取る方法を如何にして、などと考えを巡らせているのだろうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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