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モバイル広告市場の健全化を目指して:サーチテリア中橋社長インタビュー(2)

2005/07/23 01:58
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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前回に引き続いて、サーチテリア中橋社長のインタビューの第二回を。プロダクトと現時点の業界動向を中心に。
 
 
--主力商品になるサーチテリア広告の特徴はどのようなものでしょう。

弊社の特徴は「モバイルに特化しているSEM」であることなのですが、具体的には特許出願中の2つの仕組みを組み合わせて構成されています。

1点目: 広告の管理は、キーワード単位ではなく、カテゴリー単位で管理する

広告主がSEM広告を出す際、通常、数百のキーワードをまず考えて、その後、そのキーワード単位でURL設定、広告タイトル・説明文作成、クリック金額設定を行います。容易に想像できるかと思いますが、非常に大変な労働集約的作業なのです。弊社経営陣は私を含めオーバーチュアさんの出身が多く、当時現場で大変な作業にたずさわっていたのでここを何とか解決したいという思いが強くあったわけです。

そこで、弊社は「大量のキーワードをジャンル別にカテゴライズして、広告をカテゴリ単位で扱う」ことにしたのです。

広告主は希望カテゴリを選ぶだけで、弊社がマッピングした適切なキーワードが大量に選択・管理できるという仕組みになっています。カテゴリ単位でURL、クリエィティブ、クリック金額を管理すればいいので非常に楽になっています。楽なだけではなく、類似キーワードの見落としもなくなりますし、広告効果の測定の面で見ても非常に合理的です。

これがなぜモバイルに特化している理由になるのかといえば、モバイルは複数のキャリアを管理する必要があり、キーワード単位で3キャリアの広告を管理するのは現実的でないだろうと判断したからです。広告市場規模が1/10しかないモバイル広告で3倍の手間かけて広告を扱う広告主・代理店がどれほどいるでしょう? また、この仕組みはPCのSEM広告を扱っていなかったモバイル系の代理店・広告主様にも使いやすい仕組みであるということもポイントです。

なお、現在弊社の広告カテゴリは数百ジャンルあり、媒体社から送られる検索ワードのかなりの範囲をカバーできるマッチング状況となっています。日々マッチングしなかったキーワードは精査してカテゴリに追加しておりますので、急に検索需要が伸びたジャンルはカテゴリを新設するなど機動的な対応が可能になっています。流行の検索ワードのロングテール部分は弊社側でカテゴリにキーワードを追加することで十分に対応できていると考えています。

ちなみにカバーできていなキーワードがある程度の比率であるわけですが、これは「自殺」「ドラッグ」など広告としてありえないジャンルのキーワードになります。この比率は当面かわりそうにありませんね。

2点目: 広告掲載優先順位の決定プロセスに確率を使う

SEMが高収益を上げている仕組みの根幹は「検索に連動すること」ではなく、「クリック金額を入札させて、高い金額を出すクライアントほど上位表示される」という仕組みにあります。この部分なしに儲かるSEMはありえないのですが、先の特許の問題からオーバーチュアさん、グーグルさんとは違う仕組みを必要としていました。

そこで弊社は掲載順位を入札で競わせるという概念を捨てて、クリック単価を上げれば上げるほど露出シェアが増えるという仕組みとしました。

単純に言うと、10円のクリック金額のクライアントよりも100円のクライアントのほうが上位表示される確率が10倍高い、という考え方です。

クリック金額を入力すると、その金額で露出する割合が管理画面に表示されます。もっと露出割合を増やしたければクリック価格を上げてもらうことになります。ペイしない金額であれば低い金額でもかまわないのです。それでも一定のシェアで1位に表示される確率もあるので、非常にフェアな形になったと思います。

あくまで確率なので、露出割合が高くても1位をとることはできませんが、実際の効果として数千回、数万回露出があれば結果、クリック金額の順番で統計上並ぶことになります。しかし、一番低いクリック金額でも1位に表示される可能性はあるわけです。

この仕組みのどこがモバイル向きかといえば、媒体社からいただいたSEM広告露出枠が1枠しかないということが画面の狭いモバイル媒体においては多々あるわけですが、その場合においても、常に体力のあるクライアントが表示されて他のクライアントが広告を出してくれないという悪循環に陥らずにすむわけです。

また1位をキープするために広告主、広告代理店が管理画面にはりついていなければならない、ということもなくなります。新しいクライアントが入ってきてもいきなり露出がなくなることがなく、露出頻度が落ちるだけで済みますので、広告管理リソースを削減できるわけです。これも市場規模が小さいモバイルSEMにおいては重要なポイントだと考えています。

--SEMの市場動向、競争状況などを教えていただけますか。

米国のPCネット広告全体のうちSEMに35〜45%程度が割かれており、今後50%以上に成長すると期待されています。日本では20〜30%程度で米国に数年遅れで成長しているイメージです。

モバイルの広告市場はPCに比較して十分の一程度ですが、パケット料金の定額制、モバイルコマースの伸張などから今後の伸びが期待されています。簡単な仮定を置いて予測してみるとこんな感じになってしまいました。

(クリックすると拡大します)

モバイル広告市場の予測は野村證券金融経済研究所予測より頂いて、そのうちのモバイルSEM広告市場の予測はモバイル広告市場の中でシェアの伸びを2005年より毎年1%、5%、9%、14%と想定してまとめています。

もしかしたら日本初のデータかもしれないのですが、あくまで参考イメージということで(笑

競争状況についてですが、競合サービスというよりは、似たような広告を展開しているサービスを以下簡単に紹介します。
WEBサイトやニュースを見ただけなので詳しくはわからないことが多いのですが、モバイルSEM業界自体が盛り上がることを期待しています。
まずはパイを大きくすることが大事だと思いますので。

サーチテリア: サーチテリア広告
・クリック金額 最低入札価格20円から入札するモデル

オーバーチュア: スポンサードサーチ(テスト中)
・クリック金額 最低入札価格9円から入札するモデル

Jリスティング: Jアドリスティングモバイル
・クリック金額 固定金額。

CA MOBILE: SeafTyy ケータイプレミアムサーチ
・クリック金額 固定金額。

今後は、モバイル広告市場の成長が速まりつつあることから、拡大ペースに合わせて早めに人材採用を行うなど、なるべく先手を打っています。
 
 
--優位性はどこにありますか。

まず、クリック価格に競争があるモデルだからこそ、媒体社へのレベニューシェア(=金額支払)が大きくなります。また、資本的にも中立のポジションだからこそ幅広い会社と提携をしやすくなっています。

その他、海外システムの流用ではなく、独自でモバイルに最適化された形のシステムを作りこんでいることで細部まできめ細かく手の届いたサービスを目指しています。

それと直接の優位性とはつながらないかもしれませんが、モバイル検索連動型広告のプロフェッショナル・リーディングカンパニーとして、媒体社向けに定期的なSEM広告勉強会を主催して売上を上げるための施策を提案するなど、モバイル業界初のソリューションの啓蒙・普及活動にも注力しています。

サービスは実に上手いところを突いているという印象を受ける。大手二社が微妙に手が届かず、特許の問題をクリアしており且つ成長性も見込める市場を押さえにかかる。次回の内容になるが、組織も大きくなくアセットも少ない。よって小回りも十分効く。数と量の勝負を迫られると決断が必要だろうが、当面その感じも受けない。しばらくはこのまま行くのではないか。

 
 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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