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モバイル広告市場の健全化を目指して:サーチテリア中橋社長インタビュー(1)

2005/07/21 07:07
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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New Industry Leaders Summit 2005 Summerで幾つか持ち帰れたことがあるが、ひとつはモバイル市場は真面目に見ておかないとそのうち全体で何が起きているのか分からなくなっていくだろうということだった。モバイル強化月間(といっても今月だけで終わるわけではないが)として意識的に追う機会を作ろうとしている。

皮切りとして速報エントリで「是非またお話を伺いたい」と締めたサーチテリアの中橋社長に改めて時間を頂いてオフィスにお邪魔してきた。モバイルのサーチ広告でなかなか面白いポジションについているベンチャー企業である。


 
--まず、会社の設立の経緯からお願いします。

会社の設立は2004年1月になります。設立当時、携帯電話が「通話手段」としてではなく「インターネットにつながった道具」として使われる点において、日本がもっとも先進的なマーケットであることは明らかでした。DoCoMoさんのiモードを引き金に、携帯向けのサイトを企業、個人問わず立ち上げていくという流れを生み出されていました。

モバイルビジネスはビジネスモデルにおいて三つに分けて考えることができます。

モデル1.
着メロなどのダウンロードが典型的な形のキャリア公式メニューにおける課金ビジネスモデル。

モデル2.
キャリア公式メニュー外でのモバイルメディアサイトの広告ビジネスモデルです。これらは勝手サイトや、非公式サイトなどと呼ばれていますね。

モデル3.
モバイルコマースによるビジネスモデル。

弊社が注目したのは、1と3のモデルの発展によるモバイル広告ニーズの高まりと、2のモデルの媒体価値の高まりでした。これらをマッチングさせることは社会的に意義があるのではないかと考えたのです。
 
 
--当時、広告市場をどのように捉えていましたか。
 
当時のモバイル広告はキャリア公式メニュー内のレップが扱う広告と、いわゆる勝手サイトの広告メニュー、メール広告が主流でした。PCのネット広告と比較して明確な相違点は、広告サービスの内容ではなく、広告主に偏りがあることでした。キャリア公式メニュー内はコンテンツプロバイダーなどの広告主が中心で、勝手サイトについては消費者金融、出会いサービス業者、エステ、健康食品などの広告主が中心でした。

つまり、コマースサイトの広告主やナショナルクライアントが幅広く広告を出すという状況には程遠く、広義のオンライン広告として俯瞰すればモバイル広告市場はニッチなマーケットといわざるを得ない状況でした。

なぜ広告主が偏ったニッチマーケットに状況になっていたかといえば、ターゲティングという手法がほとんど取り込まれていなかったため、単純に広告費を多く払えるクライアントの広告ばかりを掲載してしまうという媒体側の理論が働いていたことが原因ではないかと推測しています。

この悪循環を取り除きPCネット広告と肩を並べる健全な市場にするために、「ターゲティングした広告手法」がキーになると考えたわけです。
 
 
一方PCのネット広告の現状を見れば、最も成長している広告手法は検索連動型広告/SEM(Search Engine Marketing)広告/Listing広告と呼ばれるサービスでした。検索結果(または文脈)に連動、つまりターゲティングしたテキスト広告です。課金方法はクリック課金で、かつそのクリック課金を高く出せば検索結果の上位に表示されるという、非常に先進的な仕組みでした。具体的にはYahoo! Search Marketing Solution(旧Overture)のスポンサードサーチ/コンテンツマッチおよびGoogleのAdWords/AdSenseが圧倒的な市場シェアを持っています。

アメリカの市場がリードしていたサービスですが、日本でも2004年の時点で予想通りの成長をしており、近いうちにネット広告の主流に躍り出ることは間違いないと考えられました。弊社がそう考えることに意味があるのではなく、市場、つまり広告主、広告代理店、媒体社がそれを理解できる状況ができつつあったということが重要なポイントでした。

そして、そのSEM/Listing広告はモバイル広告市場にはなかったわけです。これはチャンスですよね(笑

 
--チャンスですよね(笑 では、事業の全体概要をお願いします。

一言で言ってしまえば、携帯電話向けの検索連動型広告サービスです。

とはいっても、検索連動型広告は特許でがんじがらめに守られた聖域のようなサービスなので、モバイルに展開すればいいという単純なものではなく、既存サービスの特許に抵触しない進歩的な仕組みを生み出す必要がありました。

詳細を語るとプロジェクトX的に長くなりそうなので割愛しますが、アメリカのネット広告のシェア半分を抑える広告サービスが事実上2社で独占されている理由はこの特許によるものであり、これを回避するためにまったく違う発想が必要であったことはご理解いただければと思います。

事業状況を紹介すると、2004年8月末にサービス開始し、現時点で配信媒体は40サイト、取り扱い広告代理店は25社、ご利用広告主数は数百社を超えるレベルになっております。おかげさまで日々契約は増えており順調な展開と考えています。

企業理念としては

独自の発想とノウハウを武器にマーケティングソリューションプロバイダーのリーディングカンパニーを目指す。「情報を求めている人と、価値ある情報を、適切なタイミングでマッチングさせる」ことが使命。

と定義しています。

これを説明すると「モバイルを事業ドメインにしてないのですね?」と質問されることが多いのですが、会社としてはモバイルに絞った事業展開をするつもりはありません。現在、「国内においてモバイル広告のマーケティングの問題点を解決するために、モバイルSEMにフォーカスしている」といったほうがわかりやすいかもしれません。また短期的な展開では国内かつモバイルで足場を固めていく方向ではありますが、PCインターネットのサービス会社とのアライアンスなども同時に進めています。

弊社の経営はこの枠組みの中でゴーイング・コンサーンを意識して展開していく、ということになります。

既にSEM以外にも携帯電話だけで完結するソーシャルネットワークサービス「ktst.jp」というSNSも展開しています。これはパーソナライズドマッチング広告の実験の場として取り組んでいるサービスですが、人と人とマッチングさせつつ広告もマッチングしたらどうだろうというソリューションにつなげたいという意味があります。

また、企業理念とはちょっと違う意味になりますが、弊社は「世界初・日本発」というキャッチフレーズを好んで使っています。日本から世界へ、新しいサービスを発信したいという思いです。マーケティングソリューションプロバイダーとして「リーディングカンパニー」になりたいのだから当然なのですが。
 
 
--モバイル、モバイル広告業界の中でどのような役割を果たして行きたいと考えていますか。

弊社サーチテリア広告は「モバイル業界全体」(広告主・代理店・媒体社・利用者など利害関係者すべて)にメリットを与えられる事業でなければならないと考えています。逆に、ここをクリアーすれば普及するに違いない!と思ったわけです。

広告主・広告代理店に対して
広告主・代理店に対して、確度の高い見込み客を獲得できるマーケティングのお手伝いができます。今までのモバイル広告と違って情報を探している人にターゲティングする仕組みになりますので、ここは評価いただいている点だと思います。

また、予算が少なくても大丈夫であること、クリック金額は自由に設定できることで費用対効果を実現しやすい、複数の媒体社に掲載依頼を出す手間がかからないなどのメリットもあります。

媒体社に対して
PCのポータルサイトの収益源としてもっとも影響の大きくなっているSEMの収益をモバイルサイトでも享受できるというのが最大のメリットだと思います。なぜ収益が高いかといえば、高いクリック率と高いクリック単価の組み合わせの相乗効果です。また広告管理リソースの削減や収益の安定化、機会損失の減少などのメリットもあります。

利用者に対して
興味に即した広告は、利用者にとって有意義な情報として価値を生み出します。専門雑誌における広告は、情報として価値があるだろうという理論と同じですね。また、広告モデルで媒体運営が健全化すれば、利用者は無料でコンテンツを享受できることになりますので、これは大きなメリットだと考えています。

業界全体に対して
現在サーチテリア広告が配信される媒体社は検索サービスが中心となっていますが、弊社を通して検索サービスで利益を出してもらうことで、検索サービスがマネタイズできるということが立証され、その結果、検索への開発リソース・マーケティングリソースに力を入れてもらえるのではないかというのも業界に対して期待していることです。そうすれば、良質な検索サービスが育ち、検索結果に表示されるモバイルサイトの媒体価値も向上すると信じています。
 

この後商品の話、経営方針の話と続いていくのだが本日はここまでにて。 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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