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CNET Japan ブログ

高成長ベンチャーの経営(1)

2005/03/13 22:50
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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最近、スタートアップ段階でのビジネスプランの相談を頂く機会が増えてきた。

アプリでもインターネットサービスでも、会社の方針や戦略を見させていただくと、テクノロジー産業の経験を積み、勘所を押さえてプランを立てているかは大抵分かる。一見すると方向性が整理され、収支もきっちり計算されているように見えてもハイテク産業での基本ルールとなる、根幹となるポイントがすっぽり抜けていることは珍しくない。

例えば、シードの段階で方向性がずれたまま開発を進めてしまうと、いざ開発が終わってこれから売ろうという段階になって初めて、戦いにくい状況になっていることに気づくケースがある。

こうなると致命傷で、今更プロダクトを変える訳にもいかず、マーケットも攻めづらいということで、にっちもさっちも行かなくなってしまう。更に、外部資本を入れていると、非確定短期での成長を求められるが、この場合は、力技で伸ばしていくしか道を選択する以外なくなる。

先日、アントレプレナー・オブザイヤー推薦部会委員も勤められているスユア伊藤博さんとお会いしてやりとりしている際に、シード段階での企業サポートがもっと必要なのではという話題になった。上場前の企業になると、監査法人からIPO支援までサービス提供者は多彩だが、一番最初のこれから飛び立とうという段階のサポートは以外と耳にしない。VCにしても仕事の範囲を超えるため、ひとつのひとつのプランにアドバイスをするところまでは手が回せない。

反面、ほんの少しのサポートをすれば良くなるところもあるため、何か良い解決法ないか、何名かの方々とやりとりしている。
 
 
急成長による企業の歪み
 
今回取り上げたいのはRoss Mayfieldの「Managing Hypergrowth」。急成長時期の会社をどう切り盛りするのかというのがテーマ。

飛び立った後、上手く行っているケースで発生する、贅沢な悩みであるが、バブルの頃は外から企業を観察していも頻発していた。当時前線で仕事をされていた方にお話を伺うと、やはり内部組織や仕事の進め方がてんでばらばらになっていってしまって、その後のバブル崩壊後に一緒に会社もズタズタになっていったという話を耳にしている。

インターネットビジネスは再評価に時期にある。このあたりでもう一度見直しても良いテーマであることから取り上げてみたい。

内容はWorld Financial Symposiumでのパネルディスカッションの内容メモ。高成長を過去に経験したCEOが自らの体験から語る流れになっている。
 
 
Salesのボトルネック:三者三様のケース
 
三事例のうち、まずKabira TechnologiesのCEO、Paul Suttonの箇所を。成長率は1550%とソフトウェア産業でもそうしょっちゅうは見ない数値が出ている。

Salesに限らず、専門技能と一定期間の習熟の必要な業務は、足りなくなってから補充していては既に遅い。

When things are going well, its an indication to start thinking about what to change. When things go well, its because of decisions 9-12 months ago. Comes back to his gut about who can take them to the next step.

良い状態と感じているときは既に次の手を打つべきタイミングであり、施策の効果は9〜12ヶ月経って顕れる。四半期サイクルで三期もしくは四期分後まで影響の出る計算となる。

サイクルが上手く回らなくなった際に、Paul Suttonが行ったのは一旦成長を諦めることだった。

I actually personally give away the upside and internalize the failure. You think about if you should exit, but you should also try to learn how to scale yourself and your company.

詳細は語られていないが、一旦足を止めて内部プロセスを立て直したのだろう。最近皮膚感覚で掴めつつあるが、組織自体がスケールさせられるようになっていないと、頭数だけ揃えて無理しても上手くいかない。
 
 
Network Clarity, Inc.のTony Naughtin。

ひとつめのケースのPaul Suttonも一文触れていたが、自分が経営するに適切でないと感じたら退く選択肢が出てくる。日本だと、プロの経営者に任せるという習慣がないため一般的ではないが、ごく普通に語られているのが面白い。

Knowing when to stop leading. When you grow something beyond your ability to manage it.

自分が得意なのはこのサイズの企業、と経営者候補の側が公言しているのも普通に見かける。同じく日本ではあまり見聞きしない印象。
 
 
PaymentOneのJoe Lynam。なんと9300%成長。

On the sales learning curve...They help merchants get their charges into the telecom bill. In the early stage it was a CEO/CTO selling the deals. At $31M we still dont have the renessance sales rep, partially because of the size of our deals. Recurring model, so they have a big infrastructure sale, then sell services on top

組織が小さい場合のセールスはトップに依存するというのは確かにそうだろう。アプリでもサービスでも製品が進化途中の場合は、今後どう進化させていくか、させたいかを考慮しながら売っていく必要があるので、専門のSalesを雇えば済むという話にならない。Joe Lynamの場合、販売を専門部隊に任せたのが$31Mと結構なサイズになってからだったという。

引っかかったところを抜いていったらSalesの話中心になってしまった。以前取り上げた「知識経済における経験曲線」も関連テーマとなるので合わせて是非。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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