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サーチ全盛時代のメディア企業戦略

2005/03/12 02:04
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ライブドアとニッポン放送の報道が連日メディアを埋め尽くしている。ファイナンス、M&A、堀江社長のキャラクターに強く焦点が当たっているが、個人的にはメディアビジネスがどのように変化していくかの先行ケースのひとつとして見ている。

比べているのは米国でNew York TimesがAbout.comを買収し、Washington PostがSlateをMicrosoftから買収しているなど古参のメディア企業がインターネット企業を買っている動きである。

土足で踏み込まれた感覚を受けているであろうニッポン放送の反応と米国メディアの動きを同列で並べるのは正しい比較ではない。しかし、表面的な違いとはいえ、インターネットに対して距離を置く姿勢と積極的に取り込む動きは状況の違いを端的に表している。海外の広告業界カンファレンスでこの半年明確に聞かれている、テレビCMは主役の座を下りつつあるというメッセージを重ねるとより違いは鮮明になる。

未来が今までの延長上にあると考えているか、そうでないかの違いとも言える。

※念のため補足になるが、進んでいる遅れているという意味ではない。
 
 
米国メディア企業のインターネット戦略
 
CNETの記事「ニュースサイトを買い漁る大手新聞社」でも米国メディア企業の買収事例が幾つか示されている。

Dow JonesによるMarketwatchの買収は、コンテンツとユーザーの獲得なため、素直に理解出来る。しかし、New York TimesがAbout.comを買収したのは、少し雰囲気が違う。コンテンツとブランドが随分と異なることから何を欲したのか考えていたのだが、Searchblogで良い指摘があった。シェアと規模をただ求めるのとは異なる意図が読み取れる。「About The New York Times: Deep Into Web 2.0 Now」より。

要約すると、この一文。

What's interesting is why the Times wanted About in the first place, and the role search - and the long tail - plays in the deal.

ウェブ上でサーチの存在感が増したことによるユーザー導線の変化と「the long tail」の言葉にまとめられつつある収益ポイントの変化に対応するためだと。インターネット上でメディアビジネスを展開するにあたり、彼らが勝ちパターンに必要と考えたのがAboutを獲得することであった。
 
 
サーチエンジンへの適応
 
何を評価したのかは、Aboutが試みてきたことを振り返ると分かる。

In the past few years, About.com has remade itself through paid search - the site was massively optimized to rank well in search engines, Google in particular. The reason was pretty simple - About's revenue is driven by AdSense, and the more optimized it was, the better the clickthrough. I have seen research reports comparing major search sites to About, and the result is pretty stunning - on average, 10-15% of clicks on search sites are paid. But on About, it's over 20%. That's a pretty big difference.

About.comはサーチエンジン広告からの収入が最大化されるようにサイトの作り変えを行ってきていた。いわゆるSEOである。結果、通常15%弱のクリック率が20%まで向上した。

サーチからのトラフィックを上手く活用し、如何に収益に結びつけるかはコマースサイトではもはや常識と言えるが、メディアサイトでも重要度は増している。New York Timesが欲したのは、このノウハウとなる。

About provides the Times a platform to explore microcontent without having to - necessarily - extend the Times' brand to everything. And as I've told anyone who will listen to me, I think microcontent is key to winning in the Web 2.0 publishing world. When publishing folks from mainstream newspapers tell me that blogging is far too small to possibly impact their businesses, I often ask this question: Would you rather have scores of microsites with a combined revenue of $15 million, profits of $3-5 million, and a double digit growth rate, or a newspaper group with revenues of $50 million, profits of $5 million, but declining growth?

既にキーのひとつとなるコンテンツ、一次情報と品質の良いコラム記事群は保有している。同時に、広告媒体として優れたブランドもある。tailとheadのうち、headは保有している。あとは、tail=aboutと外から得られたトラフィックを上手く捌くサイトの作りを手に入れれば良い。

サイト自体をどのように作り変えていくのか、具体的な描写がメディア・パブの「NY Timesが4月にサイトを衣替え,新たな収益源を求めて」にまとめられている。有料版と無料版の違いを残しつつ、サーチからのトラフィックを生かす方法としては悪くないパッケージだと思える。合わせて参照頂きたい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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