お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

Dan Gillmor、ジャーナリズムの将来を語る

2005/01/13 12:26
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

Dan Gillmorが新しい挑戦を始めるとの話を聞きつけたのが昨年も暮れかからんとする頃。何を始めるのか注視していたが、年明けて徐々に輪郭が浮き出始めている。彼の動きはメディアのありようの一つを語っていると考えている。話としてご紹介したい本論はメディア論である「Distributed Journalism's Future」だが、その前に彼自身の近況をごく簡単に触れたい。
 
 
転身の鍵
 
新しく建てたBlog、「Dan Gillmor on Grassroots Journalism, Etc.」の初期のエントリ、「New Year, New Role」にここしばらくの心象がまとめられている。

As many of you know I'm going to work hard on a project to inspire, enable and create what many have been calling a new kind of journalism. In the new world that I and many others believe is coming, the grassroots will have a fundamental and crucial role in the process -- a change that I tried to outline in my book, We the Media, which appeared in the second half of 2004.
 
For me, this departure is challenging and exciting. I've left what surely is one of the best jobs in mainstream journalism, and will miss my former colleagues immensely (not to mention the pay, benefits and freedom to say what I believed).

やりたいことがやれる喜びと共に語られているのは、変化を感じ取り、流れを作り出すべく動き出したということ、キーは「the grassroots」にあるということである。やりたいことは追い追い世に問うていくと前置いた上、

For the immediate future I plan to use this blog to ponder the present and future of grassroots journalism; to begin to figure out what we might do together in this new world; and, in general, to have the kind of conversation that this huge topic requires.

あり方も含めて議論をしていきたいと締めている。

彼の考える未来像の一端が示されているのが「Distributed Journalism's Future」となる。
 
 
草の根メディアの未来形
 
さらっと目を通すとBlog論のようなところがあるが、中身はもうちょっと深い。エッセンスを抜くとこの一文。

I think of distributed journalism as somewhat analogous to any project or problem that can be broken up into little pieces, where lots of people can work in parallel on small parts of the bigger question and collectively -- and relatively quickly -- bring to bear lots of individual knowledge and/or energy to the matter.

分散、脱中心化、周縁化。言葉としては適用領域に合わせてどれを当てはめてもよい。人によっては組織のプロジェクト化とフラット化を重ねる方もいらっしゃることだろう。個と組織とジョブ(もしくはプロジェクト)と、全体を統べる暗黙も含めた基本ルールの話である。

distributed journalismという概念自体は以前からあるものだと指摘した上でこう続ける。

The potential for distributed journalism to be a key part of tomorrow's news strikes me as immense. We in citizen journalism -- and, if we're smart, in professional journalism -- can focus the energy and knowledge of regular folks, and especially their willingness to do some small amount of legwork to help feed a larger whole, on all kinds of things.

話としては、ウェブのコンテンツと検索サービスの関係に近い。もしくは、Wikipedia。各人がちょっとずつ労力をかけて作り上げたものを上手くまとめると、巨大なアウトプットにつながる。「上手く」の部分が当然肝になってくるわけだが、最終的に到達できるレベルの高さとしては成功しているオープンソースのプロジェクトなどを見ると分かりやすい。

イメージとして政策決定過程との関わりの部分が語られている。

Suppose, for example, that we assemble a nationwide group of volunteers -- lawyers who are familiar with statutes -- and ask each of them to take a small section of one of those immense congressional bills that the members of Congress don't even read themselves. Suppose, further, that we could get this analysis posted before the House and Senate did their final votes. We might catch a lot of sleazy stuff before it became law. Today we're lucky if we know about any of it before it actually passes.

議会で審議にかけられている法案の意義を当該分野の専門の弁護士が解釈して、最終決議の前に公開されるのであれば、衆愚に陥らない限りは市民側からチェックが働く。こういったことが草の根のネットワークで行われていければというのが彼の進みたい方向の一つとなる。理屈は前からあったが思ったような実現レベルが出来る状況に達しつつあるというのが彼の環境認識だと読んでいる。

果たして上手く行くのか、どういうインフラの上に載せればよいのかなど問いは幾つもあるが、それは適時本人から語られてくるものになるのだろう。焦らず待ちたい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー

個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社