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Tivoラウンドアップ:テレビ番組もサーチされるようになるのか(2)

2004/11/16 11:30
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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二回前のエントリ、「テレビ番組もサーチされるようになるのか」の続きを。そのまま続きを書くのも芸がないので、Tivo関連で過去書いたものを幾つか振り返りながらまとめてみたい。

連載始まって二日目のエントリ、「全てはIPに乗って(2)」でTivoのことについて微かに触れている。コンテンツがIP化される、デジタルデータとして取り扱われてネットワーク上を流れるようになるとどうなるのかをまとめたエントリとなっているが、後半部分で動画について取り扱った。

Tivoやすご録(ソニーと書くべきだろうか。。)のようなハードディスクレコーダーをベースにしたモデルや、ポータル型ではないサーチモデル、RSS+RSSリーダーに含まれてしまうモデルなども考えられる。このあたりはそのうち取り上げる機会も出てくるだろうことから、欲張らずにこの辺で。

という終わり方でHDDレコーダーについてはさして触れていない。コンテンツ管理のアーキテクチャー、デファクトが決まっていないことから、DRMとcodecを中心に描いた。Tivoからすると周辺領域の話となる。大量のコンテンツの存在を前提として、「ナビゲーションをどこが握るのか?」という観点で捉えると、ソフトウェアをベースに基盤を作ろうとしているマイクロソフトと、ハードやサービスも含めたサービスパッケージとして提供しているTivoのやり方はもちろん違うが、競合関係にあると考えられる。市場の大外の定義はこの辺りだろう。
 
 
ウェブ化とメディアインパクト
 
というところで、もう何本か。Tivoがコンテンツのナビゲーターとして、受像機でも単なる録画マシンでもない動きを見せ始めているのを取り上げたのは「インターネットテレビに進化するTiVo」となる。インターネット経由でのテレビ番組配信を開始したというニュースに反応してまとめた。

ポイントとして引いたのはコンテンツの流通構造と付随する広告業界の話。後者は関係を指摘するに留まっているが、後の考察課題として明確化されたタイミングの一つとなった。既存の放送、ケーブルや衛星、地上波の流通量が減るかもしれないというところと、

また、時系列に順に並べられた番組表という概念も原理的には無くなる。バッチリストのようにコンテンツの更新予定は残るが、「ただいま**を放送しています」という考えは薄くなる。マーケティングの観点からは時間マッチングではなくコンテンツマッチングしか残らなくなってしまう。日本の感覚からすると広告業界も影響を受ける。

という、媒体価値が根本から変わってしまうというのがTivo(とサーチ)の生み出すインパクトとなる。

広告業界へのインパクトとしては、例えば、「来るべきメディアの未来:Ad Innovator織田氏インタビュー」が続きとなる。こちらのエントリはメディア、広告のリサーチやコンサルティングをなさっている織田さんに米国の現場の皮膚感も交えてお話頂いたものとなる。

これらの変化をテクノロジー面を意識してまとめると、パーソナルサーバーという概念と交差する。ここから出てきたのが「パーソナルサーバー導入のススメ」となる。上記で「時系列に順に並べられた番組表という概念も原理的には無くなる」という箇所を引用したが、その後自らの経験でも

以前、ネットワーク家電市場について包括的にまとめた際に、検討していたHDD購入は家族揃っての物欲の高まりにより無事実行フェーズに移されることとなった。使い始めて、理屈でなく強く体感しているが、番組の時間軸は本当に破壊される。今、昨日録ったスガシカオのライブを流しながらまとめているのだが、番組的に今が何曜日なのかを掴む感覚も薄れつつある。朝見る番組は主婦向け番組から、モーニングサテライトとBSのニュースに変わった(バロンズの記事紹介をするのはこの番組くらいである)。番組はその時の気分と面白い面白くないで単純に選ばれる。

と同様の視聴行動が自然と出てくるようになった。今でも、なんとなくつけているときは別として、今放送している番組でも直接番組表の時間に沿って見るのではなく、裏で録画しつつ録りためたものを視聴することは良くする。

そして、CMも度々スキップされる。ヌーベルブログでも「12億ドル - HDDレコーダーで現在飛ばされているアメリカのTVCMの総額 」というエントリで

まず、第一回は「12億ドル - HDDレコーダーで現在飛ばされているアメリカのTVCMの総額」です。これは、米広告代理店Zenith Optimedia Groupが今年6月に出した調査の数字からです。現在、HDDレコーダーはアメリカ世帯の5%に普及しており、ユーザーの68%がタイムシフト機能(追っかけ再生、録画再生も含む)を使い、77%がタイムシフト視聴の際にTVCMを飛ばしており、結果的にTV広告費全体の2%が飛ばされています。アメリカのTV広告費が約600億ドルですので、2%とは12億ドルということになります。

ということで、マクロ的にな影響も出ているとまとめられている。2%という数値は現時点では決定的ではないが、HDDレコーダーが普及期にあることを合わせると増えこそすれ、減ることはない数値だろう。
 
 
コンテンツ管理とサーチ需要
 
ここまでが流通とメディアの話であるが、個人の側にも新しい需要が生まれる。パーソナル、かつサーバー的なものへの需要である。

もう一つ、やっぱり必要になっていくののだろうな、と体感出来たのはサーバー的な機能である。狭義ではHDDレコーダーがニーズを満たしているが、音楽ダウンロードも一般普及していくと、ポータブルなオーディオ機器(早い話がMP3プレイヤー)と家のオーディオ機器との楽曲移動が必要となる。ポータブルの機器をスタンドに掛け、外付けのドライブとして使うという解決法も考えられるが、最低限ネットワークの機能と楽曲と共有出来るAPI的な接点は欲しくなる。

コンテンツのデジタル管理で先行としているのは言わずと知れた音楽コンテンツとなる。iPod、iTuneの世界的な成功でドライブの内部に楽曲データを好きなだけ詰め込んで聞く、しかも入手経路はインターネットという利用法は珍しくなくなった。機器の普及やデータ量の大きさによる流通コストの問題、かつ著作権関連の問題も壁となり映像コンテンツではデジタル化もネットワーク配信も普及しているとは言いがたい、夜明け前の状況となる。

復習も兼ねて駆け足で振り返ってきたが、ようやくサーチの話となる。上記はシンプルに捉えると、選択権がメディア側から個人の側にシフトしている動きだと言える。小売業やマーケティング理論の歴史が繰り返されているかのようである。3ステップに整理すると、

1)コンテンツ提供側の作った番組表から選択
視聴タイミングは提供者が原則決定する。ビデオにより録画保存は出来るが、管理がアナログとなる。

2)ローカルドライブにコンテンツを保存して見る第一世代のHDDレコーダー
コンテンツは放送時間に沿って受信するが、視聴は個々人の好きなタイミングとなっていく。リアルタイムの放送を見るか、溜めたものを見るかという選択権が発生する。コンテンツ管理はデジタルとなる。

3)コンテンツの獲得がオンデマンドに近づいていく
放送時間という概念が希薄化してゆき、見たいものを見たいよう見たいときに見るという形に近づいていく。データ転送速度の問題から、ローカルにデータを置かないサーバーサイド依存の完全なオンデマンドになるかは疑問の余地が残るが、P2P的な仕組みでサーバー依存もしすぎない中間的なモデルが再度評価される可能性もある。

とまとめることが出来る。

検索技術は3に近づけは近づくほど威力を発揮する。1でコンピューター的な検索が意味を成さないことも指摘するまでもないだろう。物品管理の行き届いた図書館などならともなく、個人の家でアナログのビデオカセットを体系的に検索管理するなんてことは普通に考えるとありえない。

Friday Sketching: TV and Search Merge」の後半で子育てをエピソードとして、未来イメージが描写されている。十分ありうるだろうな、という未来予測だが、例えば上記の3ステップのシナリオを頭の片隅にして読んでみるとどういうサービスが必要とされ、既存の何と結びつくかについても思いを巡らすことが出来る。

何らかの形で来るべき未来となることから、自分の見識を試す感じで予測シナリオを作ってみるのも面白いのではと持っているがいかがだろうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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