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ウェブマーケティングとメディアの棲み分け

2004/09/26 23:45
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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良いBlogがあると、クリッピングサービス感覚で情報のフィルタリング先として加えている。最近広告関連のリストに加えたのがAd Innovator。「”キャッシュ”化される人生」でも一度ご紹介しているが、広告トレンド系のエントリが続けてあったためにまとめて取り上げたい。
 
 
メディアとして成長するウェブ
 
まず、「Web,TVがトップのメディア 米調査」。

1235人の18-54歳を対象にした Frank N. Magid Associatesの調査によると、45.6%がWebを、そして34.6%がTVをNo.1メディアと答えたという。

読んでそのまま、ウェブが身近なメディアとなっているという調査結果である。この手のデータ一つ一つに過剰に反応しても仕方が無いためにさらっと進むとして、原文の「Web, TV Tops Among Consumers」を読んでみる。

ポイントを抜いていくとまず、ウェブはメディアとして成長している。

The study found that the Internet is the only medium with net growth in perceived time spent, with 47 percent indicating that they spend more time online now compared to one year ago.

47%、約半数が利用量が増えていると回答している。良くあるデータなので軽く次に。単なる時間の多寡よりも、どう使い分けているのか、の方が面白い。

Not surprisingly, consumers log on to the Web more for informational purposes, and watch TV more for entertainment and relaxation. Seventy-three percent of respondents said the Internet helps them keep up with topics of interest to them, while 65 percent said it provides them with useful information about products and services. Eighty-six percent said they watch TV for entertainment, with 65 percent indicating that it's their way to relax.

ウェブは情報の獲得、テレビはエンターテイメント用途に分化している。日本のテレビの感覚とは異なった印象を受けるが、流れとしては理解出来る。製品情報や特定のテーマのネタを追いかけるにはネットが使われる、86%が娯楽としてテレビに接し、65%がリラクゼーションの方法と看做している。
 
 
「広告ビジネスは死んだのか?」
 
このデータを前提とすると、マーケティングの世界にも変化が起きるだろうことは容易に理解出来る。「広告ビジネスは死んだのか? Forecast 2005」へ。

メディアを完全にコントロールする消費者を前に、今までの手法の広告ビジネスは死を迎えることになり、新しい環境に対応できる会社だけが生き残れるというものだ。

この論調はやや危機意識の濃いものになるだろうか。同じく参照先の「Forecast 2005 Asks: Is The Ad Business Dead?」を。

引いていくと、

"Collaboration is critical," she said. "A long time ago, it was possible to be an expert on one area. Today, you need to be versed in all types of media and communications. The more a company can expand its specialized center, the better."

まず、共同作業が大事になっているという指摘。先日広告関係者の集まりにお邪魔した際にも総合、統合というテーマが語られていた。こちらはむしろ逆に「ウェブだけでは限界がある」とい見方である。いずれにせよ、複数のメディアを使い分け、組み合わせてという場面は最近良く見るようになった。

最近、流れの強くなったカスタマイゼーションについては、広告業界からは新しい機会としても捉えられている。

While the panel grappled with the issues associated with media fragmentation, Seth Haberman of Visible World, a company which provides software that can be used in delivering more targeted ads to user's cable boxes, was optimistic. "This is a winnable war," he said. "Fragmentation can be your friend."

While optimistic, Haberman urged media planners to work more closely with creative departments in the future, complaining that messages are not always optimized in conjunction with media plans. "We are no longer organized in a way that builds these messages lock step," he said.

一面においては、情報の平準化と一物一価の止めようのない普及というのがインターネットの一つの特徴、反面においては限りないカスタマイゼーションが可能になるというのがプロモーションやプライシングを行う際に言われる指摘である。ここ数ヶ月特に流れの出てきた最適化と個別個別のカスタマイゼーションが「winnable war」という表現なのは面白い。この点はもう少し追いたい。
 
 
メディア消費の”再配置”
 
さて、まとめ的に一つ最後に。

メディアを見るときは、単なるシェアの奪い合いと見るだけでは足りない。どう使い分けされるかを見ないとならないというのがデバイスの普及と共通する基本的な見方になる。

高広伯彦氏のBlog、mediologic.com/weblogでのエントリ「メディア環境の”再地図化”」において基本的な視座が綺麗にまとめられている。

新しいメディアが出てきたときに、古いメディアは単に駆逐されるわけでない。

「メディアの地図」が書き換わる、という現象が起きるのであって、単純に古いメディアが取って代わられるのではない。

というシンプルな結論付けをベースに、

1)”メディア”は単純に新しい”メディア”に取って代わられるものではなく、新しい”メディア”が出てきた際に自らの位置をズラすことで生き延びるケースもある。

2)”メディア”とは”情報技術”が社会的文脈の中に埋め込まれた embedded された時に姿を見せる、”情報技術”の一様態である。

3)”情報技術”の使われ方(=新しい”メディア”)は、「提供者」ではなく「使用者」側によって生み出されることもある(「消費者」というコトバは”購入した人”という完結系のニュアンスを持つため、”利用している人”というニュアンスで「使用者」というコトバで呼ぶ by ミシェル・ド・セルトー他。)

インターネットや携帯関連の情報に触れる際に見なければならないのが1のポイントであり、「では次にどうなるのか?」という問いの際に忘れないようにしなければならないのが3になる。

このテーマを考える際に、座右の銘にしたくなるエントリである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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