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検索を再定義する

2004/09/17 00:25
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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昨日のエントリ「Deep Webへの一回答:Amazon「A9」のメジャーバージョンアップ」の続きを。

Googleの検索サービスについてあれやこれやとのコメントや論考は数多く目を通しているが、最近読んだ中で一番鋭いと感じられたのは楽天/GREEの田中さんのエントリ「Google News 日本版ローンチ、Google IPO」だった。

最近思うのですが、「検索」と一言で言っていたサービスの意味を再定義して、認識する必要性を強く感じています。

この一言はGoogleニュースをトリガーとして書かれたものだが、A9にも同じようなことを問いかけたくなる。GoogleニュースとA9は同じような見方が出来るのではないかというのが今日まとめたいことの一つ。上記の引用の問いから派生し、以前のエントリ「A9は次世代の検索エンジンになれるのか」で提示した、そもそもサーチエンジンとは何の役割を果たすものなのかというのがもう一つとなる。
 
 
検索を再定義する
 
田中さんは検索について端的にこのように指摘されている。

Google Newsを見ても分かりますが、検索とは、「データを元に、ページを生成する技術。膨大なデータの収集と解析、高速での動的なページの構築技術。」ということであって、キーワードを入れて検索するという、検索エンジンだけのためにある技術ではない、ということです。

こう考えられないでしょうか。「スターウォーズの検索結果のページ」は、スターウォーズ好きの人のためのパーソナライズ機能だと。個人の行動ごとに、最適化されたページが表示されるのですから。今の映画雑誌を見たとき、どんな映画が好きでも、同じ記事が表示されています。これが、自分から属性や行動特性をキーワードという形で自主的に入力する=検索すると、個人に最適化されたページが表示されるのだから、これがもっとも確実なパーソナライズかもしれない、とは、考えられないでしょうか?

そういう意味において、Google Newsは、検索技術がいわゆる検索エンジン以外にも応用でき、かつ、(検索結果というかたちで)個人ごとにカスタマイズしたニュースサイトを作ることもできるという、その分かりやすい1つの事例だと思います。

Googleニュースの表現としても面白く、サーチの今後ついて考えるのにもコンパクトなモデル提示になっている。

そして、ここで触れられている、データの形式だけでなく、表示方法までも含めてのパーソナライズという見方はそのままA9が志向している方向性と重なる。梅田さんが昨日のエントリで端的に表現されているが

A9というのは、今のところ、Google(+その他のサーチ機能)の上にかぶせたユーザ・インタフェースだと考えるのがわかりやすい。サーチ技術自身がこれからもし仮にコモディティ化していっても、ユーザに近いところでのイノベーションは確実に残ると、Amazonは考えているに違いない。

A9自体は独自のデータアセットをさほど持っていない。あえて言い切ってしまうと、先日のエントリ「ウェブの機能分化と再統合」でご紹介したMoreGoogleとやっていることは同じで、非常に高度ではあるが、アグリゲーションサービスというのが本質的見方となる。

Google Newsと異なるのはページのデザイン裁量が各ユーザーに広い範囲で任されている点。ユーザーから見たらあるウェブサイトがページが動的生成されているか静的に生成されているかなどは、サービスレベルが同一である前提において実は何も関係なく、違いはカスタマイゼーションに顕れる。情報レベルかデザインレベルかなどレベルの置き方は複数あるが、A9はシンプルではあるもののデザイン面まで踏み込んで提供している。それこそ、単なる検索結果データのパーソナライズではなく、『「スターウォーズの検索結果のページ」は、スターウォーズ好きの人のためのパーソナライズ機能』、ページ自体がその人向け専用に生成されているかのようなサービスになっている。

また、ふと思い返してみると本体Amazonのページデザインも、配置自体はいじれないものの、個々人の利用状況に応じて情報のパーソナライズを行っている。

A9がサーチとして提供したいもの

前々回のA9エントリ、「A9は次世代の検索エンジンになれるのか」で情報のサーチではなく、知識のサーチとして進化しているのではということを触れた。

knowledge-searching toolとなりうるのは、少々ごちゃごちゃしている面はあるものの、ウェブサーチと書籍サーチを同時に行える今のインターフェースが一つ役割を果たしているが、もう一つ、潜在可能性でしかないものの、利用パターンの似たグループを括りだして商品のお勧めを表示するcollaborative filtering(協調フィルタリング)機能をサーチに統合出来ることにある。

サーチに限らずパーソナライズは実現すると面白いのは確かだが、使っていくうちに自分の趣味の物しか出なくなってしまう不便さがある。創造性がないのだ。我が儘な話になってしまうが、「これってもしかして好みなのでは?」というお勧めや、なるほどと思える意外な切り口に気付いたり、ふと目にしたところでピンと来る感覚から新しい発見があることが多い。自分で書いたプログラムのバグや文章の間違いは自分では気付かないように、何らか他者の目や偶然性を取り入れている方が面白い。Amazonが便利でも本屋に行くのをやめる気になれないのは、ざっと全体を眺めて傾向値を肌で掴み、棚を一瞥した際に引っかかった資料をチェックする作業がウェブよりも効率的に行えるためである。人が整理した棚は単純に面白い。

引用前半部分については、本エントリ前半部分のテーマで一部吸収され、残りは引用後半と合わせて昨日割愛したDiscover機能へと繋がる。

it even recommends new sites and favorite old sites specifically for you to visit.

一言で書くと、サーチの利用履歴から導き出したページのお勧め、Amazonサイトでいつも経験している本のお勧めのサイト版となる。Bloglinesに実装されているBlogのお勧めやAmazonのレコメンドにしても、いつもいつもホームランとは行かずとも、そこそこ使えるリストを提供してくれている。サイトについてもある程度熟成が進めばそこそこなものは提供されるに違いない。

A9が伝えたいメッセージの一つが、「ボックスに何か単語を入れたら情報のリストが出てくる、検索とはただそういうもので良いのか」というものではないかと考えている。

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という風に書いていると元々の話のきっかけであった「Watch Out Google! Amazon Gets Search」にいつまで経っても入れない。しかもまだ、頂いたトラックバックなど、実はまだ2,3ほど取り上げて触れたいものがある。John Battelleについては少々長いが読めば分かるものなので、他にどうしても取り上げたいものが無ければというくらいの扱いにて。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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