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”キャッシュ”化される人生

2004/09/15 01:36
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ウェブログツールのトップベンダーであるSix Apartと携帯のトップベンダーのNokiaのがTypePad での連携から生み出されたLifeblogが形になってきているとB-log Cabin TP経由で耳に入った。

どういったサービスか、どういった文脈上で理解すれば良いのかは以前「情報の分化/消費の分化」で取り上げたTRENDWATCHING.COMでモデル化して取り上げられているのでこちらの文脈に乗りつつご紹介したい。

トレンド名は「LIFE CACHING」である。人生を”キャッシュ”する。これだけでピンと来る方もいらっしゃることだろうが先を急がず順に。
 
 
個人向けでも広がるデジタルデータアーカイブ
 
まず、モデルのコンパクトな説明から。

Point in case: collecting! Human beings (fueled by a need for self-worth, validation, control, vanity, even immortality) love to collect and store possessions, memories, experiences, in order to create personal histories, mementoes of their lives, or just to keep track for practical reasons. And with the experience economy still gaining ground -- with consumers more often favoring the intangible over the tangible -- collecting, storing and displaying experiences is ready for its big moment.

写真や思い出など、そもそも人は何かを溜めたがるものだというところにデジタル化の動きを重ね合わせると、デジタルデータで見聞き経験したものを蓄積し、共有や一部は公開したりという動きが起きることは素直に理解出来る。多分、絵画が写真になった際にも似たような話はされたに違いない。

thanks to the onslaught of new technologies and tools, from blogging software to memory sticks to high definition camera phones with lots of storage space and other 'life capturing and storing devices', an almost biblical flood of 'personal content' is being collected, and waiting to be stored to allow for ongoing trips down memory lane (see also our GENERATION C trend).

ツールとして使われるのは、Blogやデジカメ、メモリ記憶のカード・スティック、カメラ付き・ムービー付き携帯、ローカルやウェブのストレージスペースなど、デジタルデータを生み出し蓄積するもの全て。ツールが偏在し、使いやすくなり、取り扱いデータ容量が増えるほど人生そのものが記録されていくかのような現象に近づいていく。


NokiaのLifeblogはモバイル端末からのBlogging、もしくはLIFE CACHINGを軽快な形で提供している。
software that automatically arranges all messages, images, notes, videos and sound clips that consumers capture with their mobile phones, starting with the Nokia 6620 Imaging Phone, which comes with a 1.1 megapixel camera.*

端末を使ってテキスト、画像、映像、音声を取り込んでBlogが出来る。それぞれ個別には既に存在していたものだが、一つの端末にサービスと合わせてパッケージングした商品となる。

サイト運営していたり、Blogを日々エントリしている方なら体感していることと思われるが、機器やソフトのちょっとした使い勝手の差はコンテンツの質にも量にも影響を与える。Lifeblogのソフトについても、コダックのデジカメサービスのように

Nokia's Lifeblog software runs on a PC: when a phone is connected to the machine, it will download all the content stored on the handset. It then populates a timeline with the information, arranging it chronologically

情報が時系列に整理される機能が提供されていたりするが、こういった作業の簡略化が可能になるかはBlogを続けるかしなくなるかを分けるくらいのインパクトがある。スペック的にだけ考えていても見えてこない、サービスの競争ポイントである。

その他事例としては、マイクロソフトのSenseCam、Gmail(Gmailをこの視点で捉えるのは面白い)、そして当然のごとくiPodも取り上げられている。50GというiPodの容量は音楽だけで単純に考えると、既に一生分と言っても良いという指摘は以前のエントリ「ビット化の進む音楽業界:プラットホーム化するiPod」でしたことがある。もし、端末用途が音楽以外に広がったら?という話もこちらでもされており、

Now what if the iPod would turn into a camera phone with some help from, let's say, Sony? Further integration with iLife, Apple's ever expanding software suite for GENERATION C, also makes sense. Let the LIFE CACHING battle begin!

カメラの機能を持ちえたりすると即座にLIFE CACHINGの一翼、それもおそらくキーとなるであろう役割を担うことになる。
 
 
消費経験の交換へ
 
こうして人生を互いに交換するかのごとくウェブ上に情報が流れ出してくると何が起きるのか。小さいところを含めるとあちこちに影響が出そうだが、消費の観点ではこのように指摘されている。

understanding consumers' gradual move towards collecting and storing experiences instead of goods (especially in mature economies), is crucial, whether you sell luxury handbags or manufacture cars. Basically, LIFE CACHING is what happens after you've figured out how to provide your customers with an experience.

経験経済の視点になるが、モノの消費、価値を享受しているのは使用している最中、つまり購入の瞬間ではなく、後の時間である。当たり前であるが。まず、この消費の場面が可視化される。されたあとどう対応するかは企業の腕の見せ所になるが、とにかく見やすくはなる。また、ユーザー同士で消費経験が交換される。モノによっては商品の価値が交換過程で変化することもあるだろう。交換を前提とすると楽しいものというのは結構あるものである。Ad Innovatorのエントリ「CGM:Consumer-generated media(消費者作成メディア)の力」でも紹介されているように、マーケティング的にも考慮すべきトレンドとなっている。

消費者の10%である「語る」消費者は残りの「サイレント」消費者に対して影響を持っているため、企業にとって大きなリスクになる。ForresterとIntelliseekの調査によると、消費者は、他の消費者の意見に90%の信頼を置いているという。ブログと検索の組み合わせで、このような意見が検索トップに来ることも多い。デジタル時代において企業マーケターはCGMもメディア・PRミックスの一つとして考えなければならない時代に来ている、とまとめている。

コミュニケーションがオープンになり、可視化されたときに、企業の側はどういった対応を迫られるのかコンパクトな形で示されている。

後半の法の話は100歩譲って、不確定な未来としてもコンテンツ量がこれからも増え続けて行く、しかもごく普通の個人がごく気軽に普通に情報発信を行う動きに変化はないのは確かなことと言える。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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