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完璧な検索/検索の現在

2004/09/13 23:08
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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検索系の話題はここ、という感じで始終お世話になっているSearchblogの書き手、John Battelleが本を書いているという。最終章を書き上げている最中だというが、「Perfect Search」というエントリで面白い問いかけをしている。

I got the utterly lazyweb idea of asking all the folks I've interviewed, in particular the professional thinkers and Big Idea folks, the relatively simple question of: What might the world look like if we had perfect search?

もし完璧な検索が出来たとしたら世の中はどうなってしまうのか。
 
 
完璧なサーチサービスを作るには?
 
その前に立つのは、完璧な検索とは何かどのように実現するのかという問いになる。

Imagine the ability to ask any question and get not just an accurate answer, but your perfect answer – an answer that suits the context and intent of your question, an answer that is informed by who you are and why you might be asking. The engine providing this answer is capable of incorporating all the world’s knowledge to the task at hand – be it captured in text, video, or audio. It’s capable of discerning between straightforward requests

This perfect search also has perfect recall – it knows what you’ve seen, and can discern between a journey of discovery – where you want to find something new – and recovery – where you want to find something you’ve seen before.

問いかけ(検索ワードでなく問いかけである)に対して、背景と意図を汲み取って適切な形式とコンテンツで回答する。過去に見たものを考慮し、なぜ問いかけを発しているかをも読み取る。一瞥して分かるが、もしこれが検索技術のゴールだとするのなら、途方も無い挑戦となる。今の技術競争はスタートラインに指をついて走る準備をした程度にしかならないのかもしれない。

如何にして成し遂げるか。John Battelle自身がこの問いをどう処理しようとしているかが一つの技術開発のアプローチと似ている。

I am sending this note to a special set of thinkers and visionaries with whom I have conversed in the course of writing this book, and beyond. Because you have suffered me to date, I ask you to suffer me once more, so that I might gather your insight, and those of your peers, into a special section of the book.

何のことはない、知っていそうな人に聞いているのである。
 
 
オープン・コンテンツ・ネットワーク
 
これはもちろん当たり前であるが、話はここから二段先に飛ぶ。まず一段目。

Now, in the process of putting the book together, I've been mining my blog quite a lot, and I've noticed that the comments section is always better than my posts. As Dan says, our readers always know more.

Dan Gillmorや、CNETでBlogが翻訳されているローレンス・レッシグなど、潜在的な読者とやり取りしながら執筆を進めるケースは珍しくない。Dan Gillmorに至っては草稿を公開し、返ってきたリアクションやコメントを元に内容を練り上げていくとまで行ってしまっている。

John BattelleのBlogもコメント欄でのやり取りを読んで「なるほど」と思わされることが多い。お知らせや速報系ではさほど盛り上がらないこともあるが、「Perfect Search」の下のやり取りはいい感じで議論が煮詰められている。

もし、Blogのエントリが問いかけだとするなら、上記の広い定義によると、これは検索の一種と言っても良い。Battelleは自らの問題意識に対してヒットする情報を得られている。どこかのサイトのHtmlファイルではないかもしれないが、アーカイブから出てきた情報ではないが、問いに対する回答を得られるというのでは役割を果たしている。

という話は各種Q&Aサービスと検索をどう組み合わせるのかという話に発展していくで二段目を。

マイクロソフトがAsk MSRというサービスを開発している。渡辺千賀さんのまとめ「質問の答え、ネット上から検索 個々の「知識倉庫」活用」が分かりやすいのでこちらを主に。仕組みはこんな感じになる。

Ask MSRはこんな仕組みになっている。
1) まず、元の文章を分解し、その中の言葉を組み合わせていろいろな構文を作ってみる。機械的に行うので、間違った構文ももちろん誕生するが、「マリリンモンローが生まれたのは」という正しい構文も中には生成される。

2) 全ての構文で、インターネット上を検索する。

3)いろいろな検索結果が返ってくるが、間違った構文を含むページは少ないので、この時点で間違った構文は消えるので問題ない。また、正しい構文でも間違った記述をしたページが検索されてしまうこともある。しかし、インターネット全体を見れば、より数多くあるのは正しい答えのほう。よって「マリリンモンローが生まれたのは1926年」という正解が検索結果の上に表示される。

これは、詰まるところ、ウェブ上の情報=それらを作り出す世の中の多数の人々を緩やかな形で信頼するということを意味する。以前、梅田さんのBlog「インターネット世代論・再び」で提示されたような信頼性の議論とも繋がってくるものかもしれない。広く捉えると、恐ろしく手の込んだQ&Aシステムと解せる。

Ask MSRの仕組みはサーチのアルゴリズムに人間を取り込んでいる。Googleの始まりとなったPageRankはリンク構造というシンプルで分かりやすい情報を用いたが、よりセマンティックな領域に踏み込んでネット全体の人の知恵を有効活用しようという試みになる。MSNのサイトで日常的に使われるようになるのにどの程度かかるのか(もしくは本当に世に出てくるのか)は分からないが、なるほどなアプローチと言えよう。

分からないことは人に聞く。なんともこのシンプルな教えは何年、もしくは何十年後かにはまったく意味を変えてしまっているのかもしれない。
 
 
そしてこの問い。

This is where I want to stretch out and imagine a world where perfect search exists, and conjure up the implications of such a place. What opportunities arise when knowledge can be so easily gathered? What threats? How might this change our social structures, our politics, our economy?

こういう問いかけはトレンド分析や事業企画には有効だと考えている。検索一つで大袈裟な、と言わずに考え続けてみたいテーマである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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