お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

ライコスの"Virtual Desktop"プロジェクト

2004/09/12 22:50
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

ライコスUKにて、登録ユーザーに1GBのストレージ空間を提供しようというプロジェクトがある。Netimperativeの記事、「Lycos revamps email with ‘virtual hardrive’」によると、

Lycos UK is to launch a "virtual hardrive" for its email customers, as the portal upgrades its webmail service in a shift away from personal computers towards internet-based services.

ということで、Gmailがトリガーとして一気に動き始めた感のあるウェブベースのコンピューティングサービスの流れがまた一歩進んだことになる。
 
 
究極のマシン軽量化サービス
 
サービスの内容と狙いについて早速。

Lycos says the drive can store any kind of file, such as image, music and movie files, as well as Word documents and presentations.

文中で「hardrive」という表現が使われているが、まずメール以外の様々なファイルを自由に置ける。まずはメールサービスの拡張として提供されるものであるが、ファイルを単体で取り扱えるようになると、大抵の作業は自分の行く先で適切なアプリとネットワークを利用出来る保障さえ付いていれば、PCの持ち歩きから開放されることになる。端末を自由に確保するのは、ホットスポットを探すのよりは少々難度が高い要件かもしれないが、よく知った場所であれば「今回は荷物は少なく」ということも出来る。

何も持たなくて良いというのは究極のマシン軽量化プランである。

アプリケーションについては

The new service will also include synchronisation between an online calendar and Outlook.

カレンダー機能とアウトルックと連動する形になっているという。各種アプリもウェブベースで提供出来れば文句なしになるのだが、そう急には行かないことだろう(そもそも、ブラウザ経由でのアクセスだとすると、アプリ自体がブラウザから使えなければならないなど解決課題は他にもある)。

Revolution Web Siteの記事「Lycos rivals Microsoft and Gmail with improved email」責任者のVan Rensburg(Lycos UK email and mobile product manager)曰く、

"As internet connection speeds become faster and PC users become more mobile, we see there being demand for a virtual PC. The new interface is a step in that direction."

ということで、ネットワークの高速化とモバイルユースの広がりからして、来るべき流れの一つと位置づけられることになる。

"It makes the use of web-based email and storage more compelling, because not only can it can be accessed and managed from any PC, but it can be done by using familiar software -- anywhere in the world. Users will find Lycos UK's new service is rather more portable than the average PC."

この点は微妙で面白い。
 
 
アプリケーションがウェブ化されるとき
 
Gmailユーザー、もしかしたらBlog書きの方も感じてらっしゃると思うが、アプリケーションがウェブ化されると単純な操作やアプリの使い勝手とはまた違う用途が出てくる。話の起点は単純でウェブにある情報は他のウェブ上の情報と繋げて別の使い方で出来るからであるが、Editide Slash Blogでまとめられている「各種GMail Hacksまとめ」、特にGmailでBLOGを実現するプログラムは(Googleが用途の範囲外ということで禁止する可能性はあるものの)、発想からすると素直な進化と言える。この流れの極北に来るのがWikiだろう。

ローカルPCで使われていたアプリがソフトの買取ではなく、レンタル/リースのような利用期間に対して課金するモデルに移行してウェブ経由で提供され始めるのがデスクトップ環境のウェブ化の形かと以前は考えていたが、このところの流れを見ているとウェブアプリがクライアントサーバー型のアプリと違うように、ただASPモデルに対応するというので話は終わらないのではと考えるようになった。Grooveのようにデスクトップ環境を共有するような仕組みを持ち込まない限り、ソフトとして違う進化を辿ることになると考えるのも自然である。
 
 
分岐点で一つ考えられるのは、ローカルPCとどの程度シームレスに繋ぐか。

users of the new service will be able to "drag and drop" files from windows directly into a new online file storage drive.

WinでもMacでも、あるいはLinuxでもローカル環境とドラッグ&ドロップでやりとりをしたいのであれば、アプリケーションは共通化の方向に向かう。少なくとも、ファイルフォーマットを独自にすることは出来なくなる。今のところ、資料作成などの個人作業はローカルでやることが普通であることから、急にウェブ環境のみにシフトすることはないだろう。動きはじわじわとしたものになるはずである。

あとは、データのセキュリティを一旦忘れると、最近何件か見たローカルにあったウェブログをホスティングサービスに引っ越した事例のように、あちこちから自由に使いたいサービスであればウェブ化への要望が高まる。Blogなんてあちこちで好きなように書けるに越したことはないので、ウェブ化されやすい良い例となる。

データの取り扱いが自由に出来るようになると、アプリケーションがついていかないのは新しい不満となる。そうなると、ローカルのデスクトップ環境を複数ユーザーで共有するかのように、設定情報をウェブに保存して使うというスタイルは案外簡単に受けいれられるのかもしれない。

追記:
Techdirtをまとめて読んでいると、「The Lycos File System?」との表現がありました。なるほど、言いえて妙です。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー

個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社