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アセットシェアを押さえる:オンライン宿泊予約ビジネス動向

2004/08/24 09:07
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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オンラインの宿泊予約事業は、楽天による旅の窓口の買収をきっかけとして小さくともピリリと辛い動きを見せ、インターネットビジネスの重要項目として着実な成長を見せている。情報のみを取り出して事業モデルに落とせる産業はネット化されやすい。金融が典型例であるが、物財の移動を伴わないチケットや席予約なども次点で変化の激しい業界である。

予約事業のこれまでの戦略はポータル型、つまり特定の媒体に情報を集中掲載し、ユーザートラフィックを集めることで取引のハブを作ることが基本だった。リクルートモデルのウェブ版である。ハイエンドに注力している一休.comなど細かい差別化はあるが、根本的には変わっていない。

宿屋、ホテルはサイトに情報を登録する。決まったフォーマットに従って宿をアピールし、ユーザーに訴えかける。ユーザーはたくさんある中から自由に選んで予約する。もはや言葉にして説明するまでもない、日常の光景である。

しかし、まだ小さいものの、面白い動きをしている企業がある。株式会社スペースキーYadvance!事業がそうである。何を提供しているかというと、宿のウェブサイト構築と予約システムをASP提供している。

どこが新しいのか。一言でまとめると、サイト構築の費用を取らない。こちらのプロモーションページで「無料」と文字が躍っている。宿側の手間のかからない形でウェブ経由の予約とプロモーションページを提供出来るのはポータル型ビジネスと変わらない。違うのは、ユーザーから見てページが宿側にあることと、ユーザーはポータルに行くのではなく、宿のサイトに行くことである。この二つはウェブのマーケティング上何をしなければならないかに大きな違いをもたらす。また、長期で考えると「このお客さんは、どこについているのか、ポータルか宿か」という問いが出てくる(CRM的に考えると、顧客生涯価値やロイヤリティなどという話とも繋がってくる)。

旅の窓口などポータルビジネスとYadvance!事業の違いは、希少資源となる宿の押さえ方が違う。ポータルは顧客誘導力の強さを強く売りとするが、Yadvance!事業は自分達のところでサイトを持って自由にアピールしたいという要望に上手く応えている。

事業の伸びはサーチサービスが伸びているのともちろん表裏一体である。分散データモデルと捉えると、ジョブエンジンとも比べたくなる。現時点では、ポータルモデルと分散モデルのどちらか一方が優れていると断言出来る段階ではなく、長い目で見ると最後の鍵を握るユーザートラフィックがどのように変化していくことで、事業モデルの競争力も変わっていくことだろう。ウェブの体験を積んだ結果、どのような利用法を快適に感じるのかで、ニーズタイプごとの使い分けも進むと考えられる。既にビジネス用途とレジャー用途で強いサイトに違いが出ているなど、細かい棲み分けは出てきている。

ネットの偏在、技術主導からサービス主導へ、集中型のポータルから分散型のサーチへというあらゆる基本トレンドと関連して成長している会社である。昨日代表の幸野氏、取締役の土屋氏などとようやくお会いして少し話をする機会があったため、まとめてみたのだが、後日また細かく話を伺える機会を頂く約束を出来たため、一段二段深めた話についてはその際にご紹介したい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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