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CNET Japan ブログ

情報の分化/消費の分化

2004/08/02 00:22
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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TRENDWATCHING.COMというサイトがある。何をやっているところかというと、

TRENDWATCHING.COM and its 1,500+ trendspotters scan the US, Canada, European Union, Japan, South Korea, India, South Africa, Australia, Brazil and 50 other nations & regions for hot, emerging consumer trends and related new business ideas.

という、消費トレンドの潮流を世界中で定点観測してこんな感じでサマライズしている。
 
 
CURATED CONSUMPTION
 
最近の「Emerging consumer trends」のコーナーを覗いていると、引っかかる記事があった。CURATED CONSUMPTIONがそうである。何かと問われると、

So make way for the emerging trend of CURATED CONSUMPTION: millions of consumers following and obeying the new curators of style, of taste, of eruditeness, in an ever growing number of B2C industries (Martha and home decorating was really just the beginning ;-).

マーサ・スチュアートが走りとなる、ライフスタイルパッケージ型の消費スタイルが広まっているのだという。範囲はカリスマ主婦に止まらず、スポーツ選手、DJなど多分野多岐に渡る。そしてもちろん、

And it's not just one way: in this uber-connected world, the new curators enjoy unprecedented access to broadcasting and publishing channels to reach their audience, from their own blogs to niche TV channels.

メディアの多様化の進行と現象の広まりは歩みを同じくしている。

さて、その範囲を感覚的に掴もうとすると、

CURATED CONSUMPTION is behind magazines morphing into catalogues, which then morph into eclectic stores, it's behind DJs, restaurant critics, opinionated bloggers, and rap stars giving consumers access to their playlists, their cribs, their top 10 lists. And let's not forget celeb designers cooperating with retail chains, hand-picking NO FRILLS CHIC collections; Amazon reviewers; gay lifestyle gurus; and self-help TV personalities. The new Gods of CURATED CONSUMPTION are amongst us! ;-)

雑誌、DJ、レストラン批評、オピニオンリーダーとなったBlogger、ラップスターのお気に入り楽曲リスト(日本語的には少しおかしいがパス)、デザイナー、Amazonレビューにテレビ番組のパーソナリティと、至る所である。雑誌でも番組でも広告効果を狙ってそもそも作られていること、更には効果があればどういう方法でも良いと様々なマーケティング手法が開拓されてきた一つの帰結でもある。

背景にある力学として、

"We're reaching out to the members of the creative class, the fastest-growing segment of our society. They value authenticity and self-expression. They invest in things that speak to them emotionally, that have a story behind them. At the same time, though, they still want a brand to edit and curate the world for them, as long as they believe they have the freedom to choose."

クリエイティブ層の台頭により、モノを通じての自己表現に重きが置かれ、表現のツールとして何らかストーリーを持ったモノが好まれるようになってきている。
 
 
メディア論的に
 
と、それらしく書いたが、購買が自己表現なのは今に始まったことでもなく、好きなものに囲まれたいという行動も以前からある。

However, the rapidly increasing range and depth of curators across many industries IS. And with mega trends like ONLINE OXYGEN, GENERATION C, and MASS CLASS all nearing tipping point, CURATED CONSUMPTION is firmly positioned to move from niche to mass appeal, with needy audiences, networks and armies of experts now available on a grand scale.

ポイントは、ありとあらゆるところで類似のパターンが見つかっており、マストレンドとなっていることにある。平たく書いてしまうと、新聞やテレビの広告枠を大量に買って宣伝すれば商品は売れるという幸せな時代は終わろうとしている。問題領域として、先日エントリした「千夜千冊を終えて、越えて」や、Blogで記事評価を見てからメディアサイトに行く行動パターンとも重なっている。また、モジュール提供者とパッケージャーに分化したソフトウェア産業を見るようでもある。

「お茶の間」も「一家団欒」も廃れ、テレビも携帯もPCも一人一台と言った風に個人向けのメディアが普及すると社会集団が細切れに分化しやすくなる、所属する社会集団を複数選択するにしても、集団間を越えて文化を広められる強力なコネクター(必ずしも人でなく、メディアでも良い)がいない限りは、特定文化で流行った消費パターンは広くいきわたることなく集団内でのみで流通する。メディアの側からみても「CURATED CONSUMPTION」が成立しやすくなっているだろうことは想像に難くない。

このように元記事は消費行動論であるが、切り口を変えると立派な情報論となる。

本エントリでは割愛したがサンプルの事例やサイトなどが多数紹介されている。具体的イメージを掴みたい方は原文を直接お読みください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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