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パワーシフト後にローカルPCに残されるもの

2004/06/28 02:02
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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インターネットOS論の一派と捉えていいのだろうか、Due Diligenceに、ローカルPC環境からウェブへのパワーシフトの様子を描いた論考がエントリされている。飛び抜けて珍しいことを書いているわけではないが、よくまとまっている。

Tim Orenは現状をこうまとめている。

it has done so at a time when the Web is seen as an alternative to many 'rich client' apps, and investors are scared away from financing PC-borne software. The result is a weakening of the Windows franchise, and a shift of the platform war towards the server platform.

これまで強かったプラットホームは言うまでも無く、Windows(細かく書くとWindows APIs)である。今は違う、ウェブブラウザを介してサーバー側のプラットホームの方が重要になってきている。

PCの歴史はメインフレーム中央演算モデルからPC側に処理能力が移っていく流れでつい最近まで動いてきている。

The power of Microsoft rose with the rich, direct manipulation, GUI software of the PC age. But 'timesharing' as concept never died during that era. It faded into the background, and remained a latent competitor. How have the two styles fared as the battle moved on from computer as calculator or tool, to communications device?

手元の端末がどんどんパワフルになり、ごく小さな基幹システムであれば秋葉原で買ってきたPCでもスペック上は作れるようになってきた。同時に起きているのが、PCのコミュニケーションツールとしての進化で、計算したりタイプしたりという用途からGUI表現も豊かに情報をやり取りして、特にネットワーク経由でのコミュニケーションが進化してきており、「計算機」という古い表現が合わなくなりつつある。

ここにインターネットの爆発的な普及を合わせると、サーバーサイドで重い処理を行い、端末側は問い合わせへの結果のみを受け取るというモデルが再度成立することになる。

It should be clear that timesharing has been reborn in new clothes. Now we call it 'salesforce.com' and 'Google'. The 3270 of old is now an HTML or XML browser. This interface has absorbed most of the new values of the communications function: Web, blogs, increasingly e-mail. The genre of the Internet are evolving to fit the limits of the browser, for better or worse. The business models are subscription, fee for service, or advertising. With the foundational layers of server software increasingly commoditized, investment flows towards value added services, and once again toward complex calculations - analytics, ad targeting, etc.

最近はこの説明が、Amazon、Google、salesforce.comを事例としていることが面白い。ソフトの機能貸しASPという数年前の文脈はいつの間にかサービスを提供するモデルに置き換えられてしまっている。ふと思うと、Webサービスもすっかり「時の人」である。

脱線はさておき、サービスとコミュニケーションが重要関心事となり、事業モデルはソフト/サービス期間貸しのサブスクリプションモデルは広告モデルへの移行が進んでいる。裏では複雑な計算がされているよ、という最後の指摘に出てきている隠蔽化の話もまた良い単品料理になるのだが、脱線が酷くなるのでここまでに。

そんなこんなで、クライアント側への注目は徐々に落ちてきている。

Elsewhere, the client side is stagnant and investment stays away. Though Microsoft apparently recognizes many of the information management problems that the combination of PC and Internet has created for users, its solution - Longhorn - keeps slipping out in time and losing relevance. GMail and other net-borne palliatives are already arriving.

事業化の投資は少なくなり、本丸のマイクロソフトもLonghornのスケジュール進行が今ひとつな一報、クライアント側にあったクリティカルな機能がBlog、GMailなどというツールで代替され始めている。急に全部が代替するとはとても思えないが、敵は発想の前提の異なる新種である。ソフト開発の方法論もユーザーエコノミクスもネットワーク効果の発生メカニズムも異なる。例えば、ワードのシェアはデータロックインで説明出来るが、Blogの普及はデータよりもコミュニケーションロックインとでも言うべき現象で成立している。

Tim Orenはネットワーク中心のアーキテクチャに分があると結論付けているが、逆に考えて、PC側に残るものとして

It will still run all of the tools that we use to create information: Word, Photoshop, Powerpoint and the rest.

「情報を作り出すところ」としている。長い目で見ると、これもまた展開によってはどうなるか分かったものではないが、当面は、という前提を置くなら同感である。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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