17日に書いたre-mail:relationship mailにて引用したDoc Searlsのre-mailにRoss Mayfieldがコメントしている。
提示されている切り口はDoc Searlsよりも多様化している。根底には「コミュニケーションツールはどうなっていくのか?」というくらいのよりメタ的な視点から語られているため内容も抽象的である。逆に言えばそれくらい一度基本に戻って考えないとツール一つを語ることさえ出来なくなっているとも捉えられる。
というところで、見て行きたい。入り口の概念として置かれているのは同じく
There are a number of ways to look at relationships.
relationshipsである。
プッシュモデルとプルモデル
まず、システム的にもコミュニケーションコスト上からも違いが出てくるのがプッシュモデルかプルモデルかというところである。
Email ties would point from Sender (A) to Receiver (B), a Push Model. RSS ties would point from B to A, a Pull Model.
メールがプッシュモデル、RSSがプルモデル。基本の確認。
Both message formats are simply conduits that get stuff between A & B. They share a common problem of writers thinking their words are more important than reader’s time (my ego is doing this to you right now and you are wishing I could give you a simple bullet point for your mental outliner). But there is something different about the Pull and Push Models.
両方共通しているのは、処理にコスト(ここは時間コストと言い換えても近しい)がかかり、書き手の時間の方が読み手の時間よりも大事される階層が出来ている。
両者の違い、ポイントについてまずプッシュモデルから。
Push Models have higher transaction costs because risks and costs are not evenly distributed. It costs nearly nothing to compose and send a message and costs practically nothing to send an additional copy to someone. Costs are borne by readers, something well known and the cause for spam, the burden of processing messages coming to you without your control.
プッシュモデルは負荷が読み手にかかりやすい。理由は、転送、コピー、大量配信などが容易であるためであり、スパム発生の背景ともなっている。
その他細かい考察も為されているが、メールについては多方面で語られているために、割愛してプルモデル、RSSの方に。
The difference is the Reader chooses and can control whom they want to subscribe to and when they want to be interrupted. Risk is borne by the Sender with every message they put out and the quality, albeit with a low bar and informal culture, they are consistent with.
まず、基本的に、プッシュモデルとプルモデルは現象が逆になる。メールは送り手が誰が読むかを決めるが、RSSは読む方が誰のを読むか決定する。届くか届かないか分からないリスクは書く側が負う。余談だが、Blogがここまで拡大したのは読み手のコストを量の拡大ほどは上げなかったからだろう。ページが増えても読みに行かない限り、特に不便することはない。
コスト構造についてもう少し細かく見ると
Costs are controlled by the Receiver. They choose what to subscribe to and more importantly unsubscribe from, on average less than 150 feeds, an expected group size. The transaction cost for unsubscription is clicking a button, which hold message volume at a relative constant.
フィードの量の参考値として150という数値が出ている。出現何回目かのマジックナンバー。詳しく調べきったことはないが、おそらく人間の基本特性の何かとマッチしているのだろう(これがくまなく理解できるとサービス設計は楽そうである)。購読をやめるコストもクリックのみ。メールでも特定アドレスからならフィルタリングが出来るが、不特定を経由するスパムはアドレスでの対応は出来ないためにコストがかかる。
代替はどこまで可能か
さて、ここまで来たところで「そもそも、RSSはMailを代替するに足るのか?全然違うものでは?」との指摘がされている。
But signing up for an RSS subscription isn’t a “relationship”, any more than signing up for a magazine is a relationship. If the information flow is one-way, then it’s publishing or marketing, not a “relationship.”
情報のフローが一方的なRSSは果たして“relationship”と言えるのか、そもそも別物になるんじゃないだろうか。
この問いに関してはYes/No双方の面があると回答したい。例えば、先日からのOCN河村さんとのやりとりはいいサンプルになる。
まず発端としてインタビューのエントリがあった。
・ISPから見たBlogビジネス:OCN「ブログ人」統括 河村明氏インタビュー
ここに、トラックバックとして補足的にコメントを頂いている。
・コミュニティの形成過程とブログ...ファミレスでの深夜の会話
ここで新しく追記された、コミュニティの生成過程の話について、当日、こちらとしても十分に補足しきれていなかったSECIモデルの話を足したのがこちらのエントリ。
・BlogとSECIモデル再び
引き続いて、触発された形でエントリがあり
・メリットがあるのは自分...ブログの効用と次の展開。
当日の議論で足りなかった部分、浅かった部分が補足される形でやり取りが一周している。直接し話合っているわけでもなく、公開パネルのようなでもなく、半分つぶやきのような語り口で、反面パブリックにも向いていつつ相手も意識しているというこのやり取りは非常にBlogらしい。RSSそのものというよりはBlogのコミュニケーション事例になるが、単なる一方向のマガジンモデルで終わると限らない証左にはなる(他のBlogでも類似の現象は良くある)。
そしてもちろん、このなんだか不思議な距離感は、直接のコミュニケーションからすると弱くてもどかしい。Noの側面があるのは言うまでも無い。この場面で欠けたものを指摘するなら、
What’s missing is greater visibility into RSS subscriber patterns, over half of the traffic of a blog.
リーダーの読者(傾向)になる。RSS/Blogは誰が読んでいるのか補足出来ない場面が多い。
細かいアーキテクチャーの違いはさておき、RSSがプライバシーの問題を引き起こさない程度に読み手を捕捉してコミュニケーションを取れればそれは随分なレベルまでメールの代替となるだろう。Blogを書き始めて半年強、何もかも直接話すより(聞かされる方は面倒である)、Blogに書いてしまった方が早いと感じる場面は良くある。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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