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innovate or die:構造問題に突き当たるゲーム産業

2004/06/02 00:26
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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チップの高度化と共に進化してきたのはPC産業だけではない。ゲーム産業も同様である。特にグラフィックチップの影響は大きく、2Dから3Dなどゲームの作り方を根っこから変えるような変化が過去何度か起きている。

しかし、進化への疑問も提示されている

We are concerned about the current direction of the industry

任天堂の岩田聡社長がElectronic Entertainment Expo 2004でコメントした言葉である。
 
 
進化の果ての行き詰まり
 
チップの開発は当面止まらないが、この進化こそが逆に自分達の首を絞めているというのが岩田氏の認識となる。

Looking at the past 20 years, as long as we could beef up the processing power, as long as we could make computer graphics approach realism, then people were excited about the result.

過去20年、チップのパワーを食い尽くすべくゲームは進化してきた。格闘ゲームはポリゴンになり、リアルな重力と身体観が取り入れられた。長編のRPGは映画のようになり、実際ファイナル・ファンタジーは興行的な是非はともかくとして、映画化に至っている。方向性は、よりリアルに、より現実に近く、である。

しかし、この方向性こそ危ないとする。

unless things changed people "would get tired of games"

このままでは、ゲームは見向きもされなくなってしまう。
 
 
歪み
 
開発競争の皺寄せが直接行っているのはソフト開発会社になる。制作費の高騰により、資金力の少ない中小メーカーの参入障壁は高まり、かつ当たれば大きいが外れるリスクも少なからずあるギャンブル性の高い市場になっている。結果、商品ポートフォリオを組むには相応の体力が必要となり、M&Aを含めた業界再編のトリガーとなる。裏の力学は製薬と同じである。

抜け出すには、軸を変えるしかない。イノベーションの方向性をずらさなければならないというのが任天堂の考えである。

Mr Iwata hopes the DS will give games developers a chance to be more innovative as well as excite a new generation of gamers.

In order to do this, touch panel and voice input systems will have big possibilities.

任天堂は音声とタッチパネルにインターフェースを変更することでアプローチしている。EyeToyにてアプローチするソニーも同様の視点から捉えられる。

この考えに対してTechnology ReviewがNintendo’s Woesという記事中で小さく反論を試みている。

Even the most “realistic” looking games, like Half-Life 2, are still a far cry from the real thing Humans don’t look convincing, they’re animatronic at best – with worse lip-syncing than Britney Spears. John Carmack of id Software once said that this is why he prefers to feature zombies and mutants in his games; when a Pinky Demon lumbers awkwardly, no one notices.

映像表現や人間表現はまだまだ未熟でありリアリズムの方向性も掘りきれていないと。
 
 
先行き
 
道としてはどちらもありなのだろう。映画産業に蓄積されているCG表現技術がスライドされる形で転用されることは普通に考えられることから、リアルな表現を追い求める動きが消えることはない。とはいえ、ファイナンス構造を考えると必然寡占化が自然であり、2,3種類のメジャーなプラットホームにそう多くないメーカーがソフトを供給する方に向かわざるも得ないのもまた自然である。プラットホームの提供側からするとこの流れを不健全に考えるのも無理は無い。

反対側で同時に起きているのが、携帯電話も含めたハンドヘルド機器への広がりである。FOMAでゲームが出来ることが強い売りとして打ち出されているが、昔のゲームが移植される動きが今のところメインとなっている。もし、独自市場として十分な規模得られた場合、これはこれで独自のソフトが売り出され広まっていくことはあり得る。携帯コンテンツに特化した企業が上場まで成し遂げていることを考慮すると専門会社が出てきても可笑しくはない。

インターネットに接続するのはPCで、という暗黙の前提が崩れつつある現在、同じくゲームも手元の小さな端末で楽しむ方が増えてくのかもしれない。特に日本は携帯の国である。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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