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ナノテクはバブルを引き起こしているか?

2004/06/01 01:24
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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インターネット産業の到来を告げたのは一件の不可思議なIPOだった。出来たばっかり、会社は赤字、製品も怒涛の進化を遂げていたもののまだ未熟。しかし、市場は熱狂とともに受け入れた。ネットスケープである。

ナノテク企業、Nanosys Inc.の上場は誰もがネットスケープとその後のインターネットバブルを思い出したことだろう。NYTimesの記事が「Going Public Without Profits or a Product? Yes, in 2004」と付けられているのは比喩でもなんでもない。

Any suggestion of profitless, no-product companies with ambitious dreams might sound like "Son of Dot-com" to investors who were burned when the Internet bubble burst. Yet a few companies in nanotechnology are confident they can offer just that - big promises and no proof of earnings - to investors hungry for a stake in a hot new sector.

この会社は売るべき商品さえ存在しない。
 
 
ナノテクとバイオの共通点
 
このような現象が起きるのはナノテクがバイオと同じく技術開発に莫大な先行投資が必要であり、同様にパテントビジネスの色が濃いために「さっさと始めて領土を広げておこう」というインセンティブが産業全体に見られるからである。

Nanotechnology, like biotechnology, requires a much greater initial investment in research and more highly trained personnel than most Internet-based ventures. And the field, projected by the government to become a $1 trillion sector by 2015, has garnered billions of dollars of federal research support.

ナノテク産業の立ち上げには政府も積極的に支援しており、2015年までに「$1 trillion」と日本円換算すると幾らかなのか、一瞬計算に迷う額が投資される予定になっている。当面の赤字覚悟で国を挙げて支援している訳である。

バイオ市場でも確かに製品開発段階でのディールは見られる。しかし、製薬企業でもあることの多いバイオ企業は開発フェーズが示されていたりと何らかマイルストーンが示されやすい特徴もある。しかし、ナノテクはどうか。

本年度は他にも数社のIPOがあるだろうというのが業界筋の意見である。また、

Chief executives of other nanotechnology companies, including ones that do not have products, said there had been a sharp increase in the number of investment bankers and financial advisers calling them since Nanosys filed to go public.

水面下では有望企業をIPOへと強く後押しする動きが出てきている。
 
 
どう評価すべきか
 
証券なので、リスク構造が示された上での投資であれば、特に問題ないという意見はあるかもしれない。しかし、プロダクトがない段階での投資となると、経営チームと特許くらいしか見るところが無い。細かく見れば従業員のポートフォリオなども参考にはなるかもしれないが、それは果たして一般投資家に投資判断に意味がどの程度意味があるのだろうか?

渡辺千賀さん宅でレポートされているが、Kleiner PerkinsのVC, Vinod Khoslaは本件に対してこうコメントしている。

非常にすばらしい人たちを集めた会社だ。しかし、はっきり言って間違っている。彼らのIPOはshame(恥)。パブリックの株式市場をペテンにかけようとしている(defraud the public market)。製品がなければ上場してはいけないとは言わないが、しかし、せめて技術の方向性がわかり、何ができるかがはっきり予想できることが上場には不可欠だ。Nanosysは自分たちでも将来のビジネスが描けていない。投資銀行も、上場させれば6%の手数料が入るから無責任に上場をunderwriteしている。

というところで、彼の意見は明白に×である。

本IPOについての資料を軸に状況を見回すと、どうもナノテク市場は一度ハイプカーブは描いてついでに小バブル(バブルではなく、高バリュエーション程度かもしれないが)を引き起こしそうな雰囲気を感じている。

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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