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Google、PCローカルドライブへの橋頭堡

2004/05/20 02:14
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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Googleのサーチビジネスへの競合を挙げる時、Yahooとマイクロソフトを挙げるのが最近の流れになっている。IPO関連資料でGoogleからのリスク情報として盛り込まれていた影響も大きいのだろうが、見た目でも競争は激しくなっている。Yahooの真っ向勝負は再確認するまでもない、自社エンジンへの切り替え、ポートフォリオにOvertureを抱えているなど対称図形のようにぶつかっていて分かりやすい。型で言うなら相撲のがっぷり四つというところだろうか。しかも横綱クラス。サプライズはあまり無いが、見ていて飽きない。

比較して、マイクロソフトとの競争は互いの持ち札が異なる異種格闘技戦のようで、次の一手で何が出されるのかサプライズの要素があり面白い。互いに離れた距離からじわじわと陣を広げていく様はチェスや将棋を見るようである。

互いのコアアセットを一つずつ挙げてみる。
 Google:卓越したウェブ検索エンジン
 MS:ローカルPCでの圧倒的なシェア
この二つから考えると、Googleはこれまで通り追いつかれる前に最速で走り去ってしまうこと、MSはローカルPCを基盤として競争の形を変えることがストレートな戦略となる。

マイクロソフトは、ウェブからイントラからローカルまでシームレスに統合するプランを進めている。中心はOSかOfficeのどちらになるのか見えていないが、「こちら側」を強化し、「あちら側」も呼び出せるような形で技術開発を進めている。

Googleの打ち手としては基本はディフェンシブであり、表面上Yahooとの勝負に見える形でサーチを中核としたポートフォリオ(Orkut、Gmail etc)を固めていくことで、MSがレースに参加する条件が整った頃には既にゴールテープを切っている状態を作り出すこと、また「こちら側」の機能を徐々に「あちら側」に映していくことが方針だろうと思い込んでいた。

しかし、それだけではなかったようである。The Seattle Post-IntelligencerGoogle ready for clash with Microsoftという記事でローカル領域への打ち手が紹介されている。

Edging closer to a direct confrontation with Microsoft Corp., Web search engine Google is preparing to introduce a powerful file-and-text software search tool for locating information stored on personal computers.

ローカルPCのファイルも検索対象に加えようとしている。

肝心の内容だが

A Google spokesman declined to comment about the new search tool.

ということで具体的なことは分かっていないため、議論としては出てきてからでも遅くは無い。なんとも尻すぼみの展開ではあるが、イメージ通りであれば影響範囲が大きいので、やや勇み足ではあるがエントリテーマとした。
 
また、Googleといえばいつの間にかGmailの容量が1テラバイトに引き上げられているようである。単純比較すると、そこら辺のサーバーやストレージ機より遥かに多い。なんらか利用に制約条件が付くのかもしれないが、フリーで提供してコスト的に採算が合う見通しが十分に立っているのかが気になる。

追記:ただのバグだったようである。が、「もしや」と思わせてしまうところがやはり、らしいとしか言いようが無い。
  
MT3.0への反発

もう一つ。
数日前のエントリ、Weblogリーディング企業、SixApartはソフト企業かASP企業かで触れたMovable Type 3.0のプライシングが大きな議論を呼んでいる。Many-to-ManyMT 3.0: Backlash and Trackbacksが上手く状況を整理しているので、簡単に触れたい。

話は、リリースと合わせて行ったライセンスモデル導入がきっかけとなっている。創業者であるMena Trottが自分のBlogでプライシングモデルの変更について触れたところ、個人ユースの価格体系に不可解な点があったため、ユーザー側の混乱が

As I write this, there are already 547 trackbacks to Mena’s post. The vast majority of them are from MT users who are upset about the announcements—many of whom are actively pursuing alternatives, and posting URLs to other blogging platforms and instructions for migration.

500を越えるトラックバックとして顕れている。他サービスへの移行を呼びかける声も多く、Blogが普及しきった社会でのユーザーコミュニケーションがどう変化するのか垣間見られる。前にAmazonのA9の披露がJohn Battelle's Searchblog から始まり、瞬く間にウェブログコミュニティに広がっていったと触れたが今回は逆パターンとなる。ネガティブ情報の広まりは類例がない速さである。

エントリの書き手、Liz Lawleyは端的に、

It’s a pretty amazing process to watch. And if I didn’t like the folks over at SixApart so much, I’d enjoy watching this process unfold a lot more.

とコメントしている。どうやらトラックバックのほとんどに目を通したらしい。

価格体系のどこに矛盾があるかは、エントリ中で紹介されているSimon PhippsJason Kottkeなどが指摘している通りなのでここでは触れない。

最後のパラグラフでこうまとめられている。

I think we’re watching a significant moment in weblog history. Justified or not, the anger among MovableType’s users will push many of them to new tools, and has permanently changed the perception of SixApart by its customers. The users have spoken, and the landscape has shifted.

Blogのツールは技術的にそう難しいものではなく参入はたやすい。データでのロックインもある程度可能ではあるが、囲い込まれている感覚はコミュニケーションツールとして売り出すには不利である。結局、ユーザーコミュニティを如何に味方につけるかがポイントとなってゆく。

この事例が将来を先取りしているのなら、企業のプロモーションはプッシュでもプルでもない、リアルタイムのコミュニケーションの重要になっていくことだろう。供給者優位の時代のマーケティングはますます影を潜めて行きそうである。
 

追記:
Googleのデスクトップサーチの話はJohn Battelle's Searchblogでも取り上げられている。ネタ元はNYTimesになっているが中身の文章は同じである。コメントは一言。

Some have asked what the business model is for local hard drive search. My answer: Good will, and lots of it.

さてどうなるか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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